サークルの先輩たちは就活楽しかったって言ってたのに……。
21卒はどうなるの……?
就活準備に早くから取り組んできた学生さんも、最近スタートした学生さんも、今は「とにかく不安」という同じ気持ちでいるのではないでしょうか。
新型コロナウイルスによって、学生の就職活動にも大きな影響がでています。
合同企業説明会の開催中止に始まり、企業の採用スケジュールの変更、Web面接の増加、大学生活の制限など、「今まで誰も経験したことがない環境」であることは確かです。
それでも、「今までしてきた努力がすべて無駄になること」も、「就職先の選択肢がなくなること」もありません。
2000年の「超氷河期」から20年以上、ずっと新卒採用・就職活動を見続けてきたキャリアコンサルタントから「今、不安と闘う学生の皆さんに伝えたいこと」をお届けします。
※注:今回の記事を執筆したのは2020年4月16日です。最新の状況と変化する可能性があります。特に、企業の採用予定数やスケジュールについては注意してください!
21卒の採用、企業はどうするつもりなの?
まずは、新卒採用を実施している企業が「コロナウイルス対策と関連して、新卒採用をどのようにとらえているか」2020年3月26日〜30日に集計された調査データから大事なポイントを2つご紹介します。
※以下の数値の引用資料:【緊急企業調査】新型コロナウイルス感染拡大による採用活動への影響(2020年4月発行・調査:株式会社ディスコ キャリタスリサーチ)
コロナの影響で採用予定数が減らされることはあるの?
< 採用予定数(当初計画からの変更) >
「当初の計画通り」…70.6%
「下方修正する見込み」…9.0%
「上方修正する見込み」…0.6%
「未定/検討中」…19.8%
3月下旬時点で「下方修正する」と回答している会社は1割未満です。
「もっと多いのでは…?」と不安に感じていた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
過去何回かの「就職氷河期」を経て、「若手人材の育成に取り組み続けないことはリスク」と考える経営者・採用担当者は少なくありません。
むしろ、「コロナ禍に対して、社員と取引先を守り、事業を継続するためにどのような取り組み姿勢をもち、経営者がどのようなリーダーシップを発揮したか」をリアルタイムでチェックできる絶好の機会です。
「社員はコロナに感染しないよう十分に気を付けるように。」の一言で、何の対策もなしに「やり過ごそう」とする会社と、これからの時間を共に過ごしたいとは思えませんよね。
コロナの影響で就活スケジュールはどうなるの?
< 採用活動終了予定時期の変化 >
「大幅に遅れる見込み」…12.7%
「やや遅れる見込み」…39.3%
「当初予定通り」…24.2%
「早まる見込み」…1.7%
「わからない」…22.2%
やはり、半数以上の企業が当初予定よりも遅れる見込みと回答しています。
ただ、もともとweb面接にスムーズに移行できる環境があったIT業界などではweb面接に切り替えることで当初予定通りに選考を進めるケースが比較的多い、といった「差」があります。
志望している業界や会社、勤務地によって大きな差が出ます。
自分と異なる志望先や職種、エリアで就活をしている他の学生の状況と比較して「自分は全く進んでいない……」と感じてしまうことはあるでしょう。
しかし、それはあなたのせいではありません。スケジュールが遅れているとしても、最終的にはきちんと合否が出ますから、落ち着いて指示を待っていて下さいね。
何も動いていないこと自体に不安を感じるのであれば、以下のような準備をして過ごしてみては?
・面接待ちの会社に対しての企業研究で、過去のプレスリリースや新聞記事をチェックしてみる
・新卒採用ページだけではなく、中途採用ページや株主向けページなども読み込む
・志望企業の取引先、関連会社、ライバル会社の採用情報をチェックして興味の幅を広げてみる
コロナに悩む就活生へ。不安な気持ちは無理に「解消」しなくてもいい
休業要請が出ている東京本社の面接に呼ばれて、感染したらどうしようとも思うし、そんなことするなんてブラック企業なんじゃないかとも思う……
選考を進めてほしいのか、それとも今は就活自体を辞めてしまいたいのか、自分でもよくわからなくなることがあるかもしれません。
不安になるのは当たり前のことで、就活に対して真剣に考えているからこその気持ちです。
学生の皆さんにとっても、企業にとっても、今回のような社会情勢の変化に対応しなければならないのは初めての経験です。
どのように考えればいいのか、どう行動するべきなのか、「正解」が欲しくて情報収集する際に、ひとつだけ気を付けてほしいことがあります。
それは「どのような考え方にも、『絶対』はない」ということです。
・大学もロックアウトされ、相談したいときに限ってキャリアセンターが閉鎖
・OB・OG訪問をして先輩社員からたくさん話を聞こうと思っていた矢先に外出を控えるよう会社で指示が出てしまい、アポがキャンセルになってしまった
・就活の愚痴をこぼせるはずだった親友はすでに内定を持っていて、NNT(※内定が取れていない状況)の悩みは相談しにくい
こんな環境にいると、ついネットやSNSのなかに「共感できる体験」「縋りつきたくなるような優しい言葉」「これさえ学べば内定に行きつけるのではないかと感じるノウハウ」を探してしまいがちです。
そのなかには、学生自身のメリットに見せかけて、第三者の利益に誘導するような仕組みが紛れているかもしれません。
「絶対に○○を選んだ方が成長できる」
「○○なら絶対に安定している」
などと、第三者が「保証」するようなアピールをしてきたら、「それは『私にとって』あてはまるだろうか?」と立ち止まって考えてみてください。
特に気を付けたいのがSNSです。「いいね」や「リツイート」が多い投稿が、必ずしも世の中の多数意見でもなければ、あなたにとっての正解とも限りません。「フェイクニュース」という可能性もあり得ます。
必ず反対の意見にも目を通し、第三者視点で物事を捉えられるように意識しながら情報収集しましょう。
このような問題が起こるのを防ぐには、基本的なコミュニケーションの機会を増やすことが大切です。多くの大学のキャリアセンターで、WEB面談の準備が進んでいますし、OB・OG訪問もむしろzoomの方がお願いしやすいかもしれません。
こんな時だからこそ、「人の縁を大切に、&じっくり自分で考える」力を培ってくださいね!
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
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この記事を書いたひと
キャリアコンサルタント&フリーライター。超氷河期時代の就活を経て人材広告会社の営業に。退職後は大学キャリアセンター相談員や採用支援のお手伝いなど、かれこれ20年間「就職・採用」界隈でご飯を食べている個人事業主です。