「本音の企業選びのポイントはなあに?」

と聞くと、半数以上の学生さんが口にするのが「安定」という言葉。

確かに、「来年つぶれてしまうかも…?」と噂されているような会社をわざわざ選ぶ必要はありません。

しかし、「安定」の定義を誤解して考えているケース、とてもたくさんあります。

毎年多くの学生さんたちから受けるキャリアセンター相談員として、「安定」というキーワードについての「就活の大誤解を解くシリーズ」第4弾をお届けします。

「安定している業界ってどこですか?」の誤解

「安定している業界ってどこですか?」の誤解

「安定している会社に入りたいです」

その気持ち、よーくわかります。

誰だって、「業績不振のため内定取り消し」とか「中高年になってから突然のリストラの嵐」なんて目に遭いたくないですよね。

給料の遅配や突然のボーナスカットも避けたいし、いきなり事業所が閉鎖になって転勤しなきゃいけないなんてこともイヤに決まっています…。

そんな、「不安定なことが起こらない会社」はどんな会社だと思いますか?

こんな質問をしてみると、色々な回答が返ってきます。

どんなに不景気でも食べることはなくならないから食品メーカー…?

どんなに不景気でも食べることはなくならないから食品メーカー…?

確かに、どんな人でも食べなければ生きていけませんから、「食品メーカー」が世の中から一社もなくなるなんてことは想像できませんね。

しかし、「食費を削らなくちゃ!」はいつの時代も節約の王道。そして、食品メーカーは世界的な大手から家族経営まで、本当に幅広くたくさんの会社が存在します。

「食品業界」はなくならなくても、「ある食品メーカー1社」が倒産することは全く珍しいことではありません。

大きな「業界枠」のなかで、安定を考えてもあまり意味はないのです。


とにかく大手であれば安心では?

「電力会社」と言えば、昔から大手&安定の代名詞と言える存在でした。

しかし、東日本大震災の被害、そして電力自由化という変化もあり、10年前の「安定」に比べれば、今の学生の皆さんが捉える印象は大きく違うでしょう。

不祥事や吸収合併が発表された直後の会社にも同じことが言えます。大手だろうと中小企業だろうと、それは同じです。

業績が伸びていれば安心ですよね?

「売上・利益とも5年連続増収増益!」なんてキャッチコピー、確かに勢いがあって魅力的ですね。

しかしこれもまた、「永続的な安定」を保証するものではありません。

財務諸表の数字をしっかり研究して今後の予測に取り組んだとしても、20年先の業績を見通すことなど不可能です。(そんなことができたら今頃筆者も株式で大儲け)

育休、産休がしっかりしている会社ですよね!

育休、産休がしっかりしている会社ですよね!

特に女子学生の皆さんに多いのがこちらのご意見。

基本的には産休も育休も、国の法律によって定められたすべての会社に求められる「決まり」ですから、「育休制度はありますか?」なんて質問をしても「アリマスヨ」としか回答はありません。

取得状況は会社によっても大きく違うでしょう。そして、同じ会社でも「支社」や「部署」単位で変わったりもします。

それよりなにより、実際に「あなたが」育休・産休制度を利用するかどうかすら、未確定ではありませんか。(就活をしている現時点で「婚約者がすでにおり、就職したらすぐに結婚してできるだけ若いうちに子どもを持ちたいと考えている」という方は別として)

「出産お祝い金が10万円も出るから、サービス残業がどれほどあろうが我慢できる」という人はいないでしょう。


一生仕事ができる能力・スキルを保つことが安定への近道

「じゃ、どーすればいいんですか!!」

というお声が聞こえてきそうです。ここが大事ですよね。

答えのひとつは、

客観的に評価される実績・経験・スキルを、入社3~5年以内に身に付けることができる会社に入ること

です。

皆さんの祖父母・両親の世代よりも、大きな環境変化が起こるまで期間が短くなっています。「22歳で入社して65歳で定年退職するまで40年以上陳腐化しない安定した仕事」はそう多くはありません。

接客、営業、経理、店舗運営、マネージメント、店舗開発、マーケティング、生産管理、人事、総務、財務…ほかにも、たくさんの種類の仕事があります。

これらの「仕事内容」のなかで、

「自分が他の同期と比べて、良い結果が残せる」と自信をもってスタートできる仕事は何か

を考えてみるところからはじめてみましょう。


自分が自信をもってスタートできる仕事は何か

「正直、自分に何ができるかわからない」「どうやって判断すればいいかわからない」という方は、単純に「世の中にはどんな仕事があるのだろう」という知識が不十分です。

アルバイトを選ぶときは、自然にできていることです。体力に自信のない方は、道路工事の作業員や山小屋への荷揚げアルバイトには応募しませんよね。

スタートの時点で、「この仕事なら、取り組めると思う」と想像できること。その想像が大きく間違えていなければ、「思っていたのと違う」という理由で早期離職につながることもありません。

与えられた仕事で実績を残すこと。その繰り返しが「自分のポジション」を安定させます。

万が一、会社が倒産してもリストラをしても転職できる。そんな形の「あなたのキャリアの安定」を目指してみませんか?


※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。




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