「そろそろキャリアアップのために転職したい」「子どもが大きくなってきたので再就職のために就職活動を検討している」という女性の方は少なくありません。

しかし、どのような服装で面接に臨めばよいかわからないでしょう。面接時の服装は各年代や、希望する業界の雰囲気に合わせて選ぶことが大切です。今回の記事では、女性の転職面接に適した服装の選び方やポイントを紹介します。

女性の転職面接時の服装

面接時は印象が大切です。応募先に対してどんなに熱い思いを伝えても、正しい身だしなみがきちんとできていなければ印象は下がるでしょう。女性の転職面接では「スーツ」着用が基本とされています。どのようなスーツが良いか、詳しくチェックしてみましょう。

基本は「ビジネススーツ」を着用する

新卒時における就職活動用のリクルートスーツよりも、ビジネススーツを着用して面接に臨んだ方が「社会人としての経験値」を印象付けられるため、基本的にはビジネススーツの着用が無難です。ビジネススーツは、リクルートスーツに比べて生地感がしっかりしており、見栄えが良いのが特徴の1つといえます。

また、黒1色のリクルートスーツよりも、紺やグレーといったカラーと、ピンストライプ程度の柄の入ったスーツであれば、社会人としての風格のみならず、自身の個性を出すのにも最適です。転職面接は、未経験の業界であっても、既に社会人としてある程度の経験を積んでいることが前提とされるため、ビジネススーツを着用して面接に臨んだ方が面接官に好印象を与えられる可能性が高まるでしょう。

なお、20代であればリクルートスーツを着用して面接に臨んでも、多少は目をつぶってもらえるケースもあります。「原則として、転職面接はビジネススーツの着用が無難である」という点を把握しておけば問題ありません。

与えたい印象に合わせボトムスを選ぶ

「営業職」への転職を希望している場合、ボトムスはスカートではなくパンツを選ぶとよいでしょう。パンツスタイルは活発な印象を与えるため、外回りでハキハキと働く姿を連想できます。

一方、事務や経理などのデスクワークを希望している場合は、安定感や華がある印象を与えるスカートスタイルがおすすめです。担当面接官が年配の方であれば、「女性はスカートスタイルが基本」という考えを持っているケースもあります。

面接官にどのような印象を与えたいか、印象を与えることでどのような心象を覚えるかの2点に着目してボトムスを選ぶことが重要です。

ジャストサイズ

体型に合っている服装であれば、面接官により良い印象を与えられます。最も理想的なのは、オーダースーツ専門店で自分の体型に合ったスーツを作成してもらうことです。しかし、オーダースーツ専門店に依頼すると相応の費用がかかってしまいます。既製品で済ませたい場合は、以下の4点について把握していくとよいでしょう。

  • ジャケットのボタンを閉めてもシワが寄らないくらいゆとりがある
  • ジャケットの袖丈は親指の付け根が出るくらいの長さである
  • スカート丈は膝の半分くらいまで隠れる長さである
  • パンツ丈は足首が出過ぎず、裾がたるまない程度の長さである

スーツのお直しを希望する場合は、店舗によっては迅速に対応できない恐れもあるため、早めの対応が重要です。

色・柄はベーシックなもの

ビジネススーツの色でベーシックなものは、紺色が代表的です。柄については、できる限り無地のものを選ぶと間違いがありません。柄付きのスーツが着たいという場合は、ピンストライプ程度のあまり目立たないものがおすすめです。

基本的にはこのような「ベーシック」さが求められるものですが、業界によっては個性を求められる場合もあります。自分が転職を希望する業界のトレンドなども研究しつつ、面接官が好印象を持つような色・柄のスーツを選ぶとよいでしょう。

清潔感のあるスーツ

シワが目立ったり、型崩れしていたりするスーツは、清潔感とはかけ離れたイメージを相手に与えてしまいます。体型に合っていないスーツも、全体的にだらしない印象を与えるでしょう。「清潔感」は、単に着用している服が清潔というだけではなく、着用者自身から発せられるイメージでもあるため、髪型や爪なども「清潔感」を重視して整えておくことが大切です。

TPOに適したもの

簡潔に述べると、「実際のビジネスシーンを想定した服装を心がける」ことが重要となります。例えば「初対面の取引先担当者と打ち合わせを行う」と仮定すると、華美な装飾品を付ける、丈の短いスカートを着用する、体のラインが強調されるような服装をするといったことは原則NGです。

社風に合ったスタイル

必ずしも、かっちりとしたスタイルで面接に臨まなければならないわけではありません。例えば、IT業界への転職であれば、カジュアルめの服装で臨んだ方が社風に合っているケースが多いでしょう。公務員や銀行員など、堅いイメージのある業界であれば、それに合わせてきっちりとした服装で臨むのがベストです。

自分が面接を受ける業界の雰囲気、そして企業の社風を研究した上でどのような服装であれば面接官に好印象を与えられるのかを検討し、実践しましょう。

転職面接時のアイテム選びのポイント

女性の服装では、スーツ以外にも気を付けるべき点がいくつかあります。アイテムごとに押さえておきましょう。

インナー

転職面接時に着用すべきインナーは、「カラーは白」「フリルなどの付いていないシンプルな形状」「透け感、光沢感のない生地」のものを選びましょう。清潔感を演出しつつ、派手さを抑えたシンプルなものであれば好印象を与えられます。白いカラーには顔映え効果も期待できるためおすすめです。

なお、黒いスーツで面接に臨む場合、シンプルなインナーだとリクルートスーツのような頼りない印象を与える恐れがありますが、少しフリルの付いた形状のインナーを選ぶとバランスがとれます。

基本的に、ピンヒールやスニーカー、サンダルはNGです。黒やベージュ、ブラウン系カラーのパンプスを選びましょう。色については、スーツと合わせた際のコーディネートが最も適切なものを選ぶことをおすすめします。パンプスのヒールについては、「太め」かつ「3~5cm」のものが無難です。また、形状としては柄や装飾のあるもの、つま先がとがっているものは避けること、見栄えとしては明るい場所で見た時に、汚れや傷が目立たない状態であることもポイントとなります。

バッグ

バッグはシンプルなものを選びましょう。A4サイズの書類が入るくらいの大きさで、スーツと合った色合いのものを選ぶとベストです。また、ファスナータイプで開け口が閉じる仕様のものだとなお良いでしょう。トートバッグやリュックなどはカジュアルに寄ってしまうため、可能な限り避けた方が無難です。

ベルト

パンツスタイルで面接に臨む際、パンツにベルトループがある場合はベルトを着けましょう。カラーは、スーツの色合いと比べてみてコーディネート性の高いもの、素材は革製が無難です。ベルトの太さは2cm程度で、あまり太過ぎないものを選ぶとよいでしょう。バックル部分はシンプルなものにして、全体的に主張が激しくないようにすることをおすすめします。

アクセサリーや時計

シンプルで小ぶりなものであれば、ピアスやネックレスは着用していても問題ありません。結婚指輪も着用したままでOKです。反対に、大ぶりなアクセサリーは面接官の心象を悪くする恐れがあるため、外しましょう。カラーも、シンプルなものだと安心です。

時計は、同様にシンプルなものを着用しましょう。原則、面接時にスマートフォンで時間を確認することは好ましくありません。マナー違反と捉えられ、常識がないと判断される場合があります。また、時計そのもののデザインにも注意が必要です。ブランド品や華美なものは、やはり面接官の意識を逸らしてしまう恐れがあるため、できる限り目立たないデザインの時計を着用するようにしましょう。

【年代別】スーツの着こなしポイント

新卒や第二新卒の就活と異なり、転職面接では年代別に着こなしのポイントがあります。続いて、20〜40代の着こなしポイントをそれぞれチェックしてみましょう。

20代はリクルートスーツでも問題なし

リクルートスーツは長期間の使用を想定したものではなく、生地感も安っぽい印象を与えるため、第二新卒や既卒者でない限りはビジネススーツが無難です。しかし、20代までならリクルートスーツでも通用する場合もあります。リクルートスーツを着用する場合は、新卒間を出さないためにインナーを襟のない白ブラウスなどと合わせましょう。

ただし、20代でも社会人経験が長い場合、リクルートスーツの着用は違和感を増長させる場合があります。自分の社会経験に自信がある方は、しっかりとしたビジネススーツで面接に臨むことが好ましいといえます。

30代はビジネススーツで落ち着いた印象を

30代の転職では、未経験の業界でも社会人としてある程度即戦力として見なされる傾向にあります。そのため、実績のある社会人としての印象を与えられるビジネススーツの着用が基本となるでしょう。

カラーはネイビーやグレーだと、社会人として豊富な経験があり、落ち着いている印象を与えられます。

40代は流行色を控えめにしてサイズ感を確認

40代の場合は、流行りのカラーは避けて黒や紺、グレーを選びましょう。落ち着きのある印象を与えるブラウン系もおすすめです。また、サイズ感としてはある程度ゆとりのあるものを着用し、襟の開きは小さいものにしておくと、より品のある印象を演出できます。

転職時の服装でよくある質問

最後に、転職時の服装関連でよくある質問にお答えします。面接前の最終チェックとしてもご活用ください。

「私服可」「服装自由」と言われたら何を着ていくべき?

ビジネスシーンであることには変わりないため、ラフな普段着は原則NGです。スーツでなくてもOKとしている場合は、オフィスカジュアルで臨むとよいでしょう。また、ジャケットは必ず羽織り、インナーやボトムス、パンプスについても最低限ビジネスの場で使えるようなものにします。

「スーツ以外で」と言われた場合は?

「私服可」「服装自由」と同条件であると捉えて問題ありません。つまり、ビジネスの場で着用しても問題ないレベルのカジュアルさで臨むのがベストです。

例外的に、アパレル業界などでは転職者の個性を見たいという「本音」があるかもしれません。しっかりと企業研究を重ねた上で、社風に合った服装で臨むようにしましょう。

面接に適した髪型は?

ショートヘアの方もロングヘアの方も、重要なのはきちんとした印象を与える髪型です。ロングヘアの場合、アップかハーフアップにしてすっきりとした印象にするとよいでしょう。額やフェイスラインがはっきりと見える髪型で、かつ、手入れがほど良く行き届いている状態であれば問題ありません。

明るい髪色でも良い?

業界にもよりますが、女性の髪色については男性ほど厳しくないケースが多い傾向にあります。しかし、明る過ぎる茶髪や金髪、奇抜なカラー、プリン状態(根元が黒でその先が茶髪などの状態)だとあまり良い印象ではないため、手入れのされた落ち着いた黒髪か茶髪にしておくことがベストです。

ネイルはしたままでも良い?

肌色に近いベージュや薄めのピンクであれば、ネイルをしていても問題ありません。しかし、飲食など特に清潔感が必要となる業界の場合、悪印象を与えかねないためネイルは落とした方がよいでしょう。また、長すぎる爪はネイルをしていなくても印象が良くありません。ほど良い長さに整えてから面接に臨むことが好ましいといえます。

面接に適したメイクは?

業界にもよりますが、最低限、自分の顔色が明るく見えるようなメイクであれば薄化粧でも問題ありません。社風に合った雰囲気のメイクを心がければOKです。ただし、赤やオレンジといった派手めのメイクは面接官に不安を与える要素になりかねないため、「ナチュラルメイク」をおすすめします。

夏でもジャケットは必要?

原則必須となります。しかし、面接会場までの道のりでは着用する必要はないため、汗染み対策などと併用しながら上手に着こなしていきましょう。

冬場のコートはどうすべき?

寒さ対策として必須のため、着用して問題ありません。注意点としては、スーツスタイルに合ったコートを選びましょう。また、かさばるタイプのコートは置き場に困ることもあるため、避けた方が無難です。

カーディガンやセーターは着ても良い?

カジュアル寄りになってしまうため、原則として着用は控えます。しかし、寒さ対策は必須のため、インナー類で保温するようにしましょう。

まとめ

女性の転職面接時における服装は、ビジネススーツが基本です。しかし、重要なのは「業界・企業研究を裏付けとした社風の把握」と、「社風および自分の体型や年齢、社会人としての経験に合わせたコーディネート」を作り上げることです。転職面接の場は、あくまでもビジネスシーンであるという点を忘れず、最大限自分を魅力的に見せられるような服装を心がけましょう

※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。


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