長く働く大切な就職活動なんだから、安心して働ける就職先を選びたい!
その気持ち、とってもよくわかります。

ただし、その「安心」ポイントに、誤解があったとしたらどうでしょう?

「接客、サービスの仕事には就きたくないから、
 小売・流通業界は避けています」

「志望業界も希望職種も決まってないけれど、
 強いて言えば接客はイヤ」

例えばこんな「よくある誤解」から志望業界を選んでいるケース、本当に多いです。

大学キャリアセンターで就活よろず相談を受けているキャリアコンサルタントが、毎年感じる「誤解されがち!」な仕事について、ホントのところをぶっちゃけて書いていきます!


誤解1 「だってアルバイトでもできるじゃないですか?」

流通・小売業界の「正社員」の仕事は「接客」だけではない



これか「土日休みじゃない」のどっちかが、「接客イヤ!」の理由ツートップと言っていいでしょう。

「土日休みじゃない」は、まあ誤解じゃないのでおいといて。

確かに、大学生のアルバイトといえば、接客がいちばん多いですよね。でも、「今までやったことない仕事に挑戦したいから、流通小売業界は外しました!」と言ってしまうのは大きな誤解があります。

だって、流通・小売業界の「正社員」の仕事は「接客」だけではないからです。

ざっとあげても、

  • 店舗開発
  • 業態開発
  • 管理
  • 店舗運営
  • 教育研修
  • バイヤー
  • スーパーバイザー
  • マーチャンダイザー
  • ECサイト運用
  • 広報宣伝

…めっちゃあるでしょ?

しかも、会社によって、本部で専任スタッフがガッツリ取り組むケースもあれば、店舗ごとに権限が与えられて全ての分野に取り組むケースもある。会社によってさまざまです。

さらに、今は業界的に空前の「求職者有利」な環境で、自分の希望も通りやすい。 万が一その仕事が合わないなと思ったら、同じ会社の中でも違う仕事にチャレンジしやすい。

もちろん「自社商品と店舗のことを知って欲しいから最初の配属は接客ね」、という期間があるから、「半年間の研修期間だろうが絶対に接客はいたしません!な方にはオススメしませんよ?

さらに、「やってみたら接客楽しいわ」というパターンも少なくない(特に男子学生)ので、食わず嫌いはやめましょう!


誤解2 「クレーマーとかマジで怖いっす」

「クレーマーとかマジで怖いっす」



最近ちょいちょい話題になるモンスタークレーマー。確かにメンタル削られるし、なにより怖い。

しかしこのクレーマー、「接客」だから対応しなければならないわけではありません。

BtoBの法人営業だって、カスタマーセンターにだって、広報部のお問い合わせ担当にだって、当然起こります。取引額が高額であれば、さらにタフな交渉をしなければならないことも。むしろ、クレーム対応した後も何度も顔を合わせなければならない部署の方が、辛さは増すかもしれませんね。

つまり、「流通小売業界でなければクレーマー対応はしなくていい」わけではないという当たり前の事実に気が付いてほしい、という話です。

誤解3 「だって平均給料が低いんだもん」

「どうせ働くのなら、高い給与が欲しい!!」

…その気持ちは確かにわかります。

キャリアセンターの相談員である私に対してだから、みんな正直。あえて「低い方がいい」なんてもちろんあり得ないわけだけれども、ここでちょっと思い出してほしいことがあります。

「大変な仕事=給料が高く、比較的取り組みやすい&人気が高い仕事=給与が安い」アルバイトのことを

アルバイトを選ぶときは、「時給」だけが決め手ではなかったはずです。

  • 大変な仕事、不人気な仕事=時給が高い
  • 取り組みやすい仕事、人気がある仕事=時給が低い

例えば道路工事現場の作業員という仕事。夏は暑く、冬は寒く、汚れることもあり、体力も使う上に普段触ったこともないような工具や機械に触ることもあるからこそ、日給が高いわけです。

あなたの就職活動、仕事と給与のバランスを考慮してる?



友達のおばさんに、「親戚の小5の男の子、ちょっと算数が苦手みたいで、でもその子のうちお金持ちでね、時給5000円くらいで家庭教師探してるんだけど、興味ある~?」って聞かれたら速攻YESですよね。

でも、もしもその男の子は「開成中学や灘中学を受験する」って言われたら?
「いやいやいやそれはちょっと無理…」となる方も多いはず

アルバイトならその判断ができるのに、なぜ「就活」になったとたん「その高給な仕事は、私にとって苦痛や苦労なく、取り組める仕事だろうか?」というバランスを考慮しなくなるのでしょうか…?

「平均給与の高い会社ランキング」を見て上から採用試験を受けに行く…なんてことをしてはダメですよ!

それからもう一つ、「小売・流通業界」の平均給与は、会社によってアルバイトや契約社員も含めて給与を算出しているケースがあります。当然平均は下がってしまうので、比較検討するときは要注意です。

AI時代&観光立国戦略が接客の価値を上げていく

AI時代&観光立国戦略が接客の価値を上げていく



「安定した会社に就職したいんです!」

あのトヨタ自動車でさえ、「中途採用の比率を50%以上にすること」を目指しています(※日本経済新聞 2019年10月3日記事より)。それだけ終身雇用が続く将来を期待するには厳しい環境ということです。また、今後多くの職種がAI活用によってなくなるとも言われています。

しかし、時代が「AI」を活用するのが普通になっても、「お客様にとって心地よい空間」を提供するための「接客」は最後まで求められる分野のひとつです

また、地方・政府を上げて、これからの日本が「観光立国」になるためにさまざまな施策に取り組んでいます。関連業界の将来性という意味でも期待できます。接客を仕事として経験しておくことで、将来の可能性がさまざまに広がるといえるでしょう。

「やってみたら、接客って、
 本当に面白い仕事だと思う」

「自分がいいと思って仕入れた商品に
 喜んでくれる人がいてうれしい」

「新しい店舗のスタートメンバーとして得たノウハウで、
 将来独立するのが夢」

こんな社会人の先輩たちに毎年たくさん出会います。

「就活の誤解」を解いて、自分にとっての「魅力に思えること」を、素直に仕事選びに生かすことができますように!


この記事を書いたひと


※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。