「お父さんのころの就活はね」
「先輩はこうだったらしいよ」
過去の就活と同じように今も参考になる話もあれば、「最近は全然そんなことないよ」ということもあるのが就活です。
2000年から24年間、ずっと採用・就職支援の現場でさまざまな就活ネタを見聞きし続けると、年によって「変化」の大きなきっかけがあることに気がつきます。
こちらのサイトでの「新年の就活ポイント」報告ももう3年目になりました。

「今からどうやって就活をはじめよう」と足踏みをしている方にも、「インターンシップもたくさん参加して準備万全!」と張り切っている方にも役に立つ「2024卒学生のための今年の就活のポイント」をお届けします!
2023年就活のポイント① キャリアセンターから見えてくる2024卒学生の動向
いわゆる「コロナ第一波」は2024卒学生が大学1年生として入学した年に起こりました。
入学式は中止・延期になり、授業はほぼオンライン、サークルや部活に入り損ねたという方も少なくないという状況で大学生活をスタートすることに。

その後、コロナの感染状況は何度も縮小と拡大を繰り返しつつも、本来の大学生活の形は少しずつ形を取り戻し、大学3年生になった今、ようやく対面での活動や海外への留学の機会が取り戻せてきたという状況ではないでしょうか。
「やっと、やりたかったことができる」
そんな大学3年生のみなさんが直面しているのが「就活の早い動き」です。
2022年卒の先輩たちが突然直面することになった「採用中止」や「説明会開催なし」といった状況は長く続くことはなく、2023年卒の先輩たちは早くもコロナ前と同じ「売り手市場」に戻っています。
キャリタスを運営する株式会社ディスコが全国の大学就職・キャリア支援担当部署を対象に調査した「大学の就職・キャリア支援活動に関する調査」から、2024卒学生の新卒採用に向けてどのような動きが出てくるか整理してみましょう。

2022卒・2021卒の先輩方と比較して、2023卒の先輩たちの「就職環境」が良い方向に向かっていることが「内定状況・求人数・企業の(大学)来訪数」いずれも大きく増加していることが一目瞭然です。
「2023卒では予定通りの採用ができなかった」という企業も少なくありません。2024卒学生の採用についても、売り手市場の環境は引き続き続いていく前提で、企業は採用の早期化・長期化の方向に進んでいます。
大学3年生以下の低学年を対象にしたインターンシップを開催する企業が増え、就職活動に対して感度が高い学生はより多くのインターンシップに参加するようになりました。
キャリアセンターにもインターンシップに応募するためのエントリーシート添削を依頼する大学1、2年生の方が来るのが珍しいことではなくなっています。
その一方「そんなに早くから就職のことなんて考えられない」と感じている学生も増加しているように感じます。特に2024卒学生の皆さんにとっては「やっと大学生らしい活動ができるようになったのに」という感覚が強いのではないでしょうか。
企業にとって「大学生活でやりたいことに打ち込んだ学生」は高い評価の対象です。それを犠牲に就活に時間を割いてほしいと考えているわけではありません。就活の早期化は「全員」が対象ではないということです。 自分で「就活のタイミング」を選べるようになった、とも言えるでしょう。
2023年就活のポイント② 変化せざるを得ない採用環境
2022年の後半、企業の採用担当者の意識に大きく影響する2つの大きなニュースがありました。
ひとつ目が「WEBテスト不正者とその業者が逮捕された」というニュース。
ふたつ目が「2026年卒から『専門人材』の就職活動ルールが変更される予定」というニュースです。
それぞれのニュースが企業の採用活動にどのような影響を及ぼすか考察していきましょう。

WEBテストの替え玉受験や回答の横流しは長年採用担当者の懸案事項として認識されてきました。しかし「大半の学生は真面目にテストを受けていること」「WEBテストの利便性」を考え、あえて目をつぶってきたというのが実情に近いといえるのかもしれません。この事件がニュースになったことで「WEBテストの有効性」についていちから検討しなおす、という会社が出てくる可能性はゼロではありません。
そしてふたつ目は「現状会社説明会・選考・内定」についてそれぞれ決まっている政府主導の解禁日をIT関連など専門性の高い人材について見直すというニュースです。
両方とも、採用手法や採用時期について大きな変更につながる可能性が高いニュースです。2024卒学生の採用についても、検討のための変更が起こる可能性があるという前提で、採用情報をチェックしていきましょう。
2023年就活のポイント③ 「優秀な学生」とは?
コロナの影響で完全に採用をストップした航空業界では、2023年卒からJALが新卒採用を3年ぶりに再開するなど、うれしいニュースがありました。
そのなかで注目したいのは、これまでの応募基準を変更し、採用試験を受けられなかった昨年度と今年度の卒業生も新卒採用の対象にするという内容です。
2024卒学生の募集要項がどうなるかは現時点ではわかりませんが「熱意をもって仕事にチャレンジしたいという方を迎えたい」というポイントが重視されたことは間違いありません。
もともとCA志望の方は就活に対する意識が高く、過去の採用情報の収集やOB・OG訪問、企業研究なども熱心な方が多いのですが、採用が数年途絶えたときに、どのように自分で考え、自分の言葉で熱意を伝えていくかが問われたように感じます。
「優秀な学生」に見せるためにどう表現すればよいかという情報収集がリアルでできないタイミングだったからこそ、自分の力で考えた学生はより自己プレゼンテーション能力を高め、安直にネット上だけの情報収集に頼った学生は陳腐化した自己PRをせざるを得ません。
コロナ前とコロナ後の就活で、その差がますます開いてきたような印象があります。
また、コロナ禍の最中に就職し、キャリアのスタートを切った先輩たちからは「いきなりリモートワークをすることになったけれど、自分が成長している実感がわきにくい」「会社やお客様との一体感を感じられず、思い描いていた社会人生活ではなかった」という声を聞くことがあります。
もちろんリモートワークにはたくさんのメリットがありますが、コロナという突然のアクシデントで急に導入された仕組みに反動が起きていることは否定できません。
特に「見て覚える・見守られながら成長する」ことが大切な新入社員が、最もその影響を受けやすいのかもしれません。
入社後、自分が喜びを感じ、成長するきっかけとなる経験をたくさん積むための仕事選びを意識できるとよいですね。
【2023年(2024卒学生)】就活のポイントまとめをひとことで!

それでは最後に、これまでのお話のポイントをひとことでまとめておきます!
その壱【2023卒(コロナ禍就活二年目)との違いは「リアルの差」】
全員がほぼ同じ状況に追い込まれた昨年までと異なり、2024卒学生は「リアルの経験」の差がむしろ広がっている。就活でもいかに「リアル」な声を集められるかが結果の差に。
その弐【大きな変化の始まり】
選考スケジュールや選考手法の大変革を迫られている企業。今年はその最初の「実験」が行われるのかも?
その参【ノウハウ&マニュアルの陳腐化スピードが早くなっている】
SNSを中心に発信されている「自己PRが簡単に作れるノウハウ」などに頼るしかなかったコロナ禍の影響で、成功事例や文面の陳腐化(面接官が「また?」となるマニュアルのような自己PR)が早くなっている。より「素直な自己表現」に注目が集まるのでは?
素直に自分を表現することと、世の中の仕事を知ること。
ますますこの2つが重要になってくる2024卒学生の就職活動。
JOB STORYを通じて皆さんの就活を応援していきます!
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
沼田絵美さん連載記事
就活の誤解が解けるおまじない
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- 第2回 – コミュ障なんで事務職希望。っていうか他にあります?
- 第3回 – 企画の仕事がしたい! マーケもいいですね!
- 第4回 – 安定した仕事ランキング(文系学生におすすめ)を教えて!
- 第5回 – 私服OKの面接…服装は何が正解なの?
- 第6回 – 成長とやりがい!となるとスタートアップ?
- 第7回 – コロナの就活への影響は 今私が伝えられること
- 第8回 – 2021年 ウィズコロナ就活はどうなる?
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- 第11回 – CAの夢、諦められないあなたに知ってほしいこと
- 第12回 – SDGsを就活の軸に 志望動機は? 企業の探し方とコツ
- 第13回 – あえて就職偏差値を深掘りしてみた
- 第14回 – 2022年 トラ年の就活を占う
- 第15回 – 「コロナで自己PR・ガクチカが書けない」
- 第16回 – 2023年 ウサギ年の就活を占う
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この記事を書いたひと

キャリアコンサルタント&フリーライター。超氷河期時代の就活を経て人材広告会社の営業に。退職後は大学キャリアセンター相談員や採用支援のお手伝いなど、かれこれ20年間「就職・採用」界隈でご飯を食べている個人事業主です。