就活はもう目の前! そろそろ準備を始めなくちゃ…と焦っているみなさん。肝心のリクルートスーツ(就活スーツ)は用意できていますか?
「リクルートスーツなんてみんなと同じの買えばいいから、あとで考えればいいでしょ~」
いえいえ、実はリクルートスーツ選びこそ、就活で上手にスタートダッシュを切り、ライバルに差をつけるための重要なポイントなんです。
今回はスーツ専門店で働いていたファッションライターが、内定をもらえるリクルートスーツの着こなし方と知っておきたい重要ポイントについて、先輩の着こなし実例とともに徹底解剖していきます。
※男性向けリクルートスーツの基本がわかる記事はこちら
先輩! リクルートスーツの着こなしを見せてください!!
今回協力してくれたのは、3人の先輩たち♡ みなさんリクルートスーツの基本を押さえつつ、さりげなく印象に残る着こなしとなっています。
着こなし例1:濃紺スーツでフレッシュに♡ミス駒澤NO.5 謝 梦頔さん
出典元:https://www.instagram.com/p/BzsxN35nPay/
instagramアカウント名:cq_muteki_s
濃紺の爽やかなリクルートスーツを選んだ、ミス駒澤NO.5 謝 梦頔さん。就活生らしいフレッシュさはもちろん、サイズはピッタリでつま先まできれいな着こなし。採用担当者に対してもきっと好印象を残したことでしょう!
着こなし例2:スタイリッシュに黒で統一♡ 지유.ZiYu.ジユウさん
出典元:https://www.instagram.com/p/BgNauh8FLhI/
instagramアカウント名:zyuvely
トレンチコートから小物まですべて黒で統一し、スタイリッシュな雰囲気に仕上げた지유.ZiYu.ジユウさん。最終面接でのコーディネートなのだそう♡ 肌の白さが際立っていて素敵です。
着こなし例3:セミタイトスカートで女性らしく♡ ?azu?さん
出典元:https://www.instagram.com/p/BuxX7SLldWR/
instagramアカウント名:azuayu
セミタイトのスカートを選んだ?azu?さん。シンプルながら女性らしい美しいシルエットが印象的ですよね♡洗練された雰囲気で、清潔感も◎。スカートですが、どこかパンツスタイルのようなカッコ良さも感じられるスーツです。
女性向けリクルートスーツの基本とマナー! 知っておいて損はなし!
最初に紹介した着こなし事例を見てみると、みなさん共通している部分も多かったですよね。例えば、
- スーツの色合い(トーン)
- スーツの柄
- 髪色 など
この共通している部分が、リクルートスーツの基本です。
基本がしっかりしているからこそ、社会人としてのマナーやTPOに合わせた言動をきちんと演出でき、採用担当者にもアピールできるというワケ。
では一体どんなポイントを押さえたら良いのでしょうか。ここからは女性のリクルートスーツの選び方や着こなし方を詳しく解説していきます。
女性向けリクルートスーツの選び方&着こなし方の基本
リクルートスーツはブランドより機能性とシルエットを重視!
最初に悩むポイントといえば、「どこでリクルートスーツを買えば正解なのか?」ですよね。
最近は紳士服のはるやまや洋服の青山といったスーツ専門店だけでなく、UNIQLOやしまむらといったプチプラブランドからもさまざまなレディースリクルートスーツが販売されているので、選択肢がありすぎて悩んでしまうのでしょう。
そんなときは、“機能性が良くシルエットが美しいこと”を条件にスーツを探してみてください。
たとえブランドのスーツであっても、リクルートスーツとしては使い勝手が悪いことは珍しくありませんし、リクルートスーツは就職活動中のわずかな期間のみ着用するものなので、高級である必要はありません。
しかし、機能性は重視した方が良いポイント! リクルートスーツは毎日のように着るアイテムなので、着れば着るほどお手入れのしやすさが見た目の美しさへと直結していきます。
例えばジャケットとスカート、パンツが3点セットになっていて、自宅の洗濯機で洗えるスーツだったり、防シワ・防臭機能が付いていたりすると、いつでも清潔感あふれる着こなしを実現できるでしょう。
さらに、シルエットも重要です。
自分の体形にフィットするスーツは、ただ立っているだけでも美しく見せてくれます。相性の良いシルエットかどうかは、とにかく試着してみるしかありません。自分を1番素敵に見せてくれるシルエットのスーツを探してみてくださいね。
ジャケットは2つボタン。ボトムスはスカートでもパンツでもOK
レディースのリクルートスーツは、2つボタンがメインです。
1つボタンや3つボタンのジャケットもありますが、リクルートスーツの場合2つボタンが断然多い傾向にあります。ウエストが絞られていて、きちんとした印象を与える2つボタンのリクルートスーツ。特に理由がなければ、2つボタンのジャケットを選ぶと良いでしょう。
なお、ボトムスはスカートでもパンツでもどちらでも問題ありません。少し前までパンツスタイルの女性が少なかったため「浮かないようにスカートを選ぶ方が良い」と言われていましたが、今はパンツスタイルの就活生が増えてきました。パンツを選んだからといって、周りから浮いてしまう心配はないでしょう。
もちろん、選ぶスタイルによって人事・採用担当へ与えるイメージは変わります。具体的には
スカート:
フレッシュで女性らしいイメージ。優しそうな雰囲気を印象付ける
パンツ:
「デキる女性」な印象。テキパキと活発なイメージを与える
といった感じです。パンツスタイルを選んだからといって不利になるわけではないので、自由に好きなスタイルを選びましょう。
色は「黒」もしくは「濃紺」がおすすめ
リクルートスーツにはさまざまな色がありますが、今のトレンドは黒。どういった業界でも問題ない色なので、迷ったときは黒を選べば安心です。
また、肌を明るく見せたいときは濃紺もおすすめ。日本人の肌と相性の良い紺色は、古くからリクルートスーツに使われてきました。
黒よりもやわらかで爽やかな印象を演出してくれる紺色。今は黒いスーツを着る就活生が圧倒的に多いため明るいトーンの紺色は浮きやすいですが、黒に近い濃紺なら悪目立ちすることなく、周りに差を付けることができるかもしれません。
なお、女性らしいベージュやグレーのスーツは、リクルートスーツとしてはあまりおすすめできません。オシャレなスーツは、入社後のビジネススーツとして取り入れましょう。
サイズがピッタリ合うスーツは立ち振る舞いが美しく見える
先ほど「シルエットが重要」と紹介しましたが、シルエットだけでなくサイズも重要なポイントです。自分の体形に合ったスーツを着るだけで、きちんとした雰囲気を演出できますよ。
ジャケットの肩幅がきつすぎて突っ張っていないか、袖が長すぎてダボついていないか、試着の際にしっかりとチェックしておきましょう。可能であれば試着した姿を撮影し、客観的にサイズ感を確認するのもおすすめです。
シャツやパンプス、バッグはシンプルに
リクルートスーツを選んだら、次はシャツやパンプス、バッグといった小物を揃えていきます。
小物はリクルートスーツ同様、シンプルで清潔感のあるアイテムがベスト。シャツはレギュラーシャツもしくはスキッパーシャツが一般的です。どちらを選ぶにしても、ジャケットを合わせたときに胸元のVゾーンが広すぎないか確認しておきましょう。
男性と違ってネクタイを着用しない女性は、Vゾーンが広すぎるとだらしなく見えてしまいがち。必ずジャケットと合わせて違和感がないかチェックしておきましょう。
続いてパンプスです。「オシャレは足元から」という表現がありますが、就活は例外。シンプルな革製で装飾品がなく、ヒール3~5cmの高すぎないパンプスがおすすめです。
しかし、パンプス選びで何より重要なのは足に合っていること。就職活動中は移動が多く、足への負担が大きくなります。
ただでさえ普段は履かないパンプスで靴擦れが起こりやすい状態。無理して足を傷めてしまうと、面接に集中できなくなってしまうでしょう。『就活用パンプス』にこだわらなくても、自分の足に合っていて歩きやすく、シンプルなデザインのパンプスであればOKです。
最後にバッグについても解説しておきましょう。バッグはパンプスと色を揃えることで全身に統一感が生まれます。大きさはA4サイズの書類が入るものがベスト。説明会や面接で配られる資料を折り曲げることなく入れられるサイズを用意しましょう。
また、面接中や説明会中など、バッグを床に置く機会が多々あるので、底びょうのある自立するタイプを持っておくと安心です。
人事が見ている!忘れがちなマナー3選
続いて、忘れがちだけれども人事がしっかりチェックしている大切な着こなしマナーを3つご紹介します。
チェック 1:シミ・シワのないピシッと決まったスーツ
就職活動を始めたばかりの頃はまだ真新しいこともあり、ピシッとしたスーツを着ている人ばかりなのですが、月日が経つと少しずつスーツのお手入れ加減の差が着こなしに現れてきます。
例えば、パンツのセンターラインが薄れてダボっとしていたり、シャツにシミができていたり、スカートにシワが入っていたり…。
面接でどれだけ良いことを伝えられたとしても、身だしなみとしての基本ができていなければ第一印象がマイナスになってしまいます。
いつでもシミ・シワのないスーツで挑めるよう、日ごろからしっかりとお手入れしておきたいですね。とはいえお手入れするにも限界があるので、スーツを少し多めに用意して1着にかかるダメージを軽減しておくと安心です。
チェック 2: アウターのベルトはきちんと締める
秋~春にかけて多い失敗が、アウターの着こなしです。就職活動では着脱時に邪魔にならない薄手のトレンチコートが活躍しますが、そのコート、ベルトまでしっかりと気を配れていますか?
家を出るときはきちんと意識していたのに、気付けばベルトが外れていて、だらしない状態のまま会社の近くまで来てしまった…という失敗談を多く耳にします。
会社の近くだといつどこで人事や採用担当者に見られているか分かりません…。アウターを着用する季節は、アウターのベルトまできちんと締めるように意識しておきましょう。
チェック 3: 乱れのないヘアスタイルと長すぎず清潔感のある爪
リクルートスーツだけでなく、ヘアスタイルや爪も重要なポイントです。
しかし、朝寝坊をして寝ぐせのついた髪をサッとまとめただけで面接に行ってしまったり、ネイルを外して満足し、爪の長さまで気にしていなかったという人が意外といます。中には、
「寝坊しました?」
「もう少し爪を切った方がいいかもしれませんね」
と採用担当者から直接声をかけられた先輩も…! 想像しただけで冷や汗が出てきそうですね。
リクルートスーツを着ただけで満足せず、出発前には頭の先から爪の先までしっかりとチェックし、“清潔感”があるかどうか客観的に見てみるようにしましょう。
本当にみんなと同じ? たくさん内定をもらっているあの子の秘訣は…
ここまで、リクルートスーツの着こなし方や気をつけたいマナーについて解説しました。
「ああやっぱり、黒いスーツに黒いバッグ。清潔感を大切にってやっぱりみんな同じスタイルじゃん」 と思われたかもしれませんね。
でもちょっと待ってください。最後に大切なポイントがあるんです。それは『セルフブランディング』!
セルフブランディングとは、自分の魅力を“適切”な形で伝えることです。(たまに誤解されることがあるのですが、セルフブランディングは自分の魅力を偽って見せることではないんですよ~!)
例えば先ほど、スカートとパンツでは人事・採用担当者に与える印象が異なると解説しましたよね。
【悪いセルフブランディング】は、
パンツで行けばかっこ良くて
シャキシャキしてると思われそうだから、
パンツで行こう!
という流れ。
面接の受け答えで『見た目倒し』と思われ、マイナス評価に繋がる可能性があるので、避けた方が良いでしょう。
一方、【良いセルフブランディング】は、
「ほんわかした雰囲気で、
あんまりガツガツ仕事しなさそう」
と言われるけれど、
ほんとはガツガツ働いて上を目指したい!
本当の自分を知ってもらうためにパンツで行こう!
という流れ。
ベースとなるリクルートスーツの選び方や着こなし方はあるけれど、その中で自分の魅力を伝えられる着こなしを実現することで、偽っていない自分自身のまま勝負でき、その自分を評価してくれた会社からの内定をGETすることができるんです!
外見だけでなく中身もすべて判断されるのが就職活動。外見だけを意識しても内定へ直結するわけではありません。
しかし、少し前に話題になった本の題名にもあるように「人は見た目が9割」出会った数秒の印象がその後に大きく影響を与えます。
良い第一印象も悪い印象も、払拭するのはなかなか難しいのです。これを心理学で「初頭効果」と言います。だからこそ、自分の魅力を分かってもらった上で好印象を与えることが、内定へ繋がると言っても過言ではありません。
さらにこのセルフブランディングというスキルは、スーツ選びだけでなく、メイクやヘアスタイル、面接での受け答えにも応用できます。
特に女性はメイクで印象が大きく変わりますよね。眉毛の角度や長さを変えてみたり、ヘアスタイルをかっちりまとめてみたり、ハーフアップにしてみたり。声のトーンや言葉選び、表情をどうしていくのか事前に考えてみたり。
「みんな同じスーツなのに、印象に残る初対面なんてあり得ない」 と思っている人も、少しだけセルフブランディングを試してみてください。きっとスーツ姿が今までと少し変わってくるはずですよ♡
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
この記事を書いたひと
スーツ専門店やGU、UNIQLOで計5年勤務。UNIQLOではVMDを、GUでは店長を経験し、さまざまな角度からファッションについて学んできました。現在はその経験を活かし、ファッションや美容など、最新トレンドに関する記事を複数のメディアで執筆中。