「服装自由」「私服参加OK」「ぜひ私服でお越しください…」
就職活動をしていると、インターンシップや説明会、時には面接の場であっても、こんな案内を受けることがあります。
「私服でいいのか~と思って普段通りの格好で行ったら、私以外は全員スーツでほんとアウェイ」
「私服って言っても色々ありますよね? じゃあ究極スウェットでもいいわけ?」
「もういっそ私服バージョンのコーデも指定してもらいたい」
「面接で安全な私服が知りたい!!」
就活の「私服」で悩む学生さんたちから毎年ご相談を受けるキャリアセンター相談員が、「就活の大誤解を解くシリーズ」第5弾をお届けします。
企業は何のために「私服」という選択肢を提示しているか
最終的にどうすれば正解なの??という答えは、実は企業によって異なります。
なぜ「私服」という選択肢を用意しているか、その理由の代表的なものをご紹介します。
自分の志望企業がどのパターンに当てはまりそうか、想像してみて下さいね!
理由1:少しでも参加率をあげるため
今の時代、説明会の日程をオープンするだけで、学生から大量のエントリーを集めることは難しい
ということを、企業側は良く知っています。
(逆に言えば、そのような「氷河期」環境になった場合このアドバイスは無意味なものになります)
授業やアルバイト、部活にボランティアなど、活動的な学生であればあるほど「就活以外にもやりたいこと・やらなければならないこと」で忙しいでしょう。
「スーツに着替える時間がないから、このセミナーはパスしようかな…」という理由でせっかくの機会を失いたくない。
つまり、参加率を上げるために「私服可」としているケースです。割合としてはいちばん多くなります。
このパターンで気を付けるべきは「私服とはいえ、企業との公式な機会なのだから礼儀を失した服装で来る学生はわが社に相応しくない」と判断されるケースがあることです。
ビーチサンダルにハーフパンツなど、ホテルレストランで入場をお断りされてしまうような服装は避けましょう。
例えば運動部の方で、「部活動の後参加するため、スポーツウェアに近い服装だが問題ないか」という心配があれば、事前に「~という事情で、スポーツウェアでの参加になるのですが、当日ご迷惑ではないでしょうか」などメールで許可をお願いするという方法もあります。
「初対面の目上の人と会う際に、失礼がないかどうか」が判断基準です。
理由2:社員が私服だから
IT系の企業や、スタートアップの企業でよくあるのがこちらです。
そもそも社員自体が私服で、スーツを着用しているケースが少ないという企業です。この場合は会社によって、ジーンズ&TシャツでもOK!という会社もあれば、「ジャケットは着ておこうね」という会社もあるため、HPの社員紹介の写真などを参考にしましょう。
自分自身が服装や外見にこだわりがあり、自分の好きな格好で仕事をすることが仕事選びの重要な要素だと考えている人であれば、そのこだわりを「良い」と判断してくれる会社を探すことが大切になります。
この場合は、「相手に合わせる」のではなく「自分の好み」を企業に判断してもらうつもりで考えてください。
理由3:私服のセンスを見たい
アパレルや高価格帯の接客業の一部では、「なんでもいいですよ」という理由ではなく、自社ブランドの雰囲気に合っているか、服装や外見にこだわりを持っているかそのものを積極的に評価したい、というケースもあります。
この場合は「無難な私服」ではなく自己表現のひとつとして私服を選択した方が良いでしょう。
理由4:私服の方が参加しやすいイベントがある
ワークショップ型のインターンシップや工場見学、移動や宿泊を伴うイベントなどで、行動しやすいという理由で私服を指示されるケースもあります。
この場合、
「工場内を歩きますので、歩きやすい靴・服装でお越しください」
「体を動かすワークを行ないます。運動に適した服装でご参加ください」
など、目的を提示して指示されますので、それに従いましょう。
「指示通りにする」「スーツが安心ならスーツでいい」が結論
「私服」というひとことだけでは、その企業がどんな私服を「参加に適したもの」と想定しているかは判断できません。
実際のコーディネートを相談するときには、企業名、選考ステップ、企業から受け取った案内文を伝えましょう。
基本的には文章に書いてある通り、「私服でも可」「私服参加OK」であれば「スーツで来ようと、私服で来ようとどちらでもOK」という意味です。(一般的なTPOは踏まえている前提で)
この、「一般的なTPO」を自分で判断することが難しい…、もしも自分一人だけ私服だったらと思うと不安だ、ということであればスーツで参加するのも自由です。
しかし、「私服で」お越し下さいと書かれているのであれば、その指示に従いましょう。
すべての基本は「事前の指示通り行動すること」です!
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
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この記事を書いたひと
キャリアコンサルタント&フリーライター。超氷河期時代の就活を経て人材広告会社の営業に。退職後は大学キャリアセンター相談員や採用支援のお手伝いなど、かれこれ20年間「就職・採用」界隈でご飯を食べている個人事業主です。