この連載では、マナー講師の金森たかこ先生に”新社会人(ワン)”のコロすけ君が、ビジネスマナーを教わります。
今回のテーマは「就活面接時のメール」。
メールのスキルは、いまや社会人として求められる能力のひとつ。
ビジネスメールの基本から、面接日程調整メールの書き方、返信方法やマナーについて、例文を交えてわかりやすく解説します。
メールの書き方次第で、 採用担当者のあなたに対する印象は大きく変わるはずですよ!
後編の「メール例文集」はこちら!
日程決めとかメールでやり取りをしなくちゃいけないよね。
失礼のないように、ちゃんとしたメールを送りたいな。
ビジネスメールの基本も兼ねて、ここで習得してしまいましょう!
ビジネスメールの特徴
ビジネスメールのメリット
・瞬時に送信できる
・一度に複数の相手に送信し、共有できる
・「送信履歴」が証拠として残る
ビジネスメールのデメリット
・いつ読んでもらえるかわからない
・文章の書き方によっては、内容を誤解される恐れがある
電話と違って、自分のタイミングで情報共有ができたり、文字で残るっている特徴があるよ。
メールの構成は「件名」と「宛名」「本文」、「署名」に分けられますよ。
【初心者向け】ビジネスメール 基本の書き方
「件名」はひと目で内容がわかるように
用件は「~のお願い」「~のご相談」のように具体的に記載します。用件の後には、誰からのメールかがすぐにわかるように、自分の名前を入れると丁寧です。
件名内では、「こんにちは」「お世話になっております」などのあいさつ言葉は書きません。メール内容が明確にわかるよう、簡潔な一文にまとめましょう。
例)
×「おはようございます。面接日程の件です」
◎「▲月▲日▲時からの面接日程変更のお願い(佐藤コロすけ)」
「宛名」は、会社名+部署名+役職名+氏名+敬称の順に
会社名は「ABC(株)」と省略せず、正式名称で書きます。
担当者が複数いる場合は、部署名、役職名、担当者名を間違えないように気を付け、送信前には必ず確認するようにしましょう。
例)
ABC株式会社
人事部 〇〇〇〇様
本文を書く時にもコツがありますよ。
「本文」は、あいさつの言葉+用件+結びの言葉の順に
本文の1行は、読みやすいように適度に改行を入れ、1段落はなるべく2~3行にまとめます。段落ごとに1行あけると読みやすい文体になります。
また、日時を伝える際は「明日」「来週」といった表現は適切ではありません。メールを見た日時によって変わるため、●月〇日と具体的な記述にしましょう。
例)
お世話になっております。
……(用件)●月〇日(水)のお打合せについてですが ~……
何卒宜しくお願いいたします。
文章を作り終わったら全体を見直して、改行や一行開けるなど読みやすい形に整えましょう!
「署名」には、氏名と連絡先をセットで入れる
学生の場合は氏名の前に、学校名と学部も入れると良いでしょう。また、メールアドレス以外でもすぐに連絡が取れるように電話番号や住所を入れると丁寧です。
例)一般の場合
――――――――――
〇〇〇〇(氏名)
〒123-4567
住所
電話番号
メールアドレス
――――――――――
例)学生の場合
―――――――――――
〇〇大学〇〇学部〇〇学科〇年
〇〇〇〇(氏名)
〒123-4567
住所
電話番号
メールアドレス
―――――――――――
【初心者向け】ビジネスメールのマナー
営業時間や受付時間内に連絡をする
基本的には、送信相手の就業時間内に送るのがマナーです。今は、会社あてのメールを携帯電話で確認できるように設定している場合が多く、深夜や早朝、また休日などに緊急でもないメールを送ると迷惑となる可能性があるため控えます。
営業時間を過ぎている場合、連絡は翌日にしましょう。
元のメール本文を残して返信をする
返信メールを送る際は、相手から送られてきた文章がそのまま残るメールの返信機能を利用します。
相手のメール本文を残したまま返信メールを書くことで、受け取った側は、何のメールに対する返信かをすぐに確認することができます。
在職中に会社のメールを使わない
会社のメールアドレスは、会社の業務に関してのみ使用するもの。
転職活動をしていることが今の職場に知られてしまう可能性もあります。また、応募先からの心証もよくないため、在職中の会社のドメインを使用することは避けましょう。
面接日程調整の流れ
応募先企業から面接日程調整のメールが届いてから、面接日程が確定するまでには、下記のようなメールでのやり取りが発生します。
面接日確定までの流れ
①応募先企業 ▼ | 面接の候補日を記したメール |
②応募者 ▼ | 希望の面接日を伝えるメール |
③応募先企業 ▼ | 面接日程の了承メール |
④応募者 ▼ | 面接日程を確定させるメール |
面接日程の確定後の日程変更
①応募者 ▼ | 日程変更をお願いするメール |
②応募先企業 ▼ | 面接日程の了承メール |
③応募者 ▼ | お礼と、面接日程を確定するメール |
日程調整メールの返信 4つのコツ
1. 返信は24時間以内に
応募先の企業から面接の日程調整メールが届いたら速やかに返信しましょう。遅くともメールを受信してから24時間以内に返信するのが基本です。
返信が遅くなると、採用担当者はメールが届いているかどうか心配になり、スムーズに調整が進んでいる他の応募者と比べ、心証が悪くなる可能性もあります。
2. 提示日程が合わない場合は、希望日程を複数提示
応募先企業から提示された日程がすべて合わない場合は、丁寧なお詫びの言葉とともに、再度日程調整のお願いをします。
その際はこちらの面接希望日を最低でも3候補以上提示することが望ましいでしょう。
また、面接希望日程をこちらで決められる場合も、3候補以上提示します。時間帯もできるかぎり広く取りましょう。
3. 日程を提示する場合は、箇条書きを活用
面接希望日程を提示する場合は、ひと目でわかるように箇条書きを利用します。
また、日程を伝えるときは日にちだけでなく、必ず曜日も伝えるようにしましょう。誤解や勘違いを防ぐためです。
時間帯を提示する場合は、誤解を防ぐためにも「面接を開始する時間」「面接が終わる時間」を明確に記すと丁寧です。
例)×〇月〇日 → 〇月〇日(水)
例)×「13時~16時」 → 「13時~16時(16時には面接終了希望)」
4. 返信の際に題名の「Re:」は残しておく
返信の際は、何の用件でのメールのやり取りかがわかるよう、件名は変えず「Re:」も残したままにしておきます。
また、何度もメールのやり取りが続くと、件名にいくつもの「Re:」が並ぶことがあります。そのままにしておくと見苦しいので毎回整理をして「Re:」は1つだけにしていくといいでしょう。
就活企業へのメールの返信例文
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
金森たかこさん連載記事
- 第1回 – “わかりました”の敬語って? メールで間違いやすい敬語Q&A
- 第2回 – WEB面接の正しいマナーは?Zoomなどで失敗しないコツ
- 第3回 – [就活面接 返信とお礼メール]前編
- 第4回 – [就活面接 返信とお礼メール]後編 例文集
この記事を監修したひと
大手食品メーカー人事部にて人材育成・秘書業務などに携わった後、フリーアナウンサーとして独立。テレビ・ラジオを中心にインタビュアー・司会・ナレーションなどの仕事に携わる。また、ビジネスマナー講師として、企業や行政機関、各種学校などへの講演・研修・コンサルティングを行う。