就職活動や転職活動で避けては通れない採用面接。何か対策すべきとわかっていても、学業や仕事が忙しいとつい後回しにしがちです。
そこで本記事では、就活生や転職活動中の方へ「せめてやっておいたほうが良い面接対策」を7つ紹介します。面接日が近づいて焦っている方の参考になると幸いです。
そもそも面接対策とは?

面接対策は「応募企業について調べる情報収集」と「面接での回答準備(質問対策)」の2工程にわかれます。たとえば企業の採用サイトを見るのは情報収集、想定質問の回答内容を考えるのは回答準備です。
近年はエントリーシート(ES)や自己PR動画の文章作成にAIを使用する人が多く、採用担当者からは「理路整然としてわかりやすいけれど、本当の人柄や個性が見えにくい」との声もあります。
採用活動は結局のところ面接で決まります。自分の真価を面接官に理解してもらうためにも、最低限の面接対策はやっておくべきです。
面接対策でやっておいたほうが良い7つのこと
ここから、元採用担当の知人の話などをもとに、面接対策で最低限やっておいたほうが良いことを7つ紹介します。
なお、ここで紹介するのは一次面接向けの内容です。二次面接以降は一次より深い質問が増えますので、しっかり時間を取って対策することをおすすめします。
1. 面接マナーを確認する
まずは基本的な面接マナーについて確認しておきましょう。面接には「入室前はドアをノックする」「入退室時に挨拶する」などの心がけたいマナーがいくつか存在し、マナーを実践できているかどうかで印象に大きな差がつきます。
また、Web面接では「背景は壁にする」「5分前に待機しておく」といったオンライン特有のマナーがあります。以下の記事で詳しく解説していますので、Web面接を控えている方はぜひ参考にしてください。
2. エントリーシートを見直す
提出したエントリーシートを見直しましょう。面接はエントリーシートを起点に進むため、書いてある内容と面接での回答が矛盾しないようにする必要があります。
また、志望動機や自己PRを読み返すことで、転職活動や就職活動における自分の軸も再確認できます。
ここでいう「軸」とは、応募企業を選ぶ際の「こだわり」や「譲れない条件」のことです。
面接官の心情として、自社とマッチしない人材の採用は避けたいもの。軸がしっかりしている人は受け答えに一貫性があり、自社とのマッチ度が測りやすいため、「入社後に活躍してくれそう」との評価を受けやすくなります。
3. 企業の経営理念や“求める人物像”などを確認する
企業の採用サイトや採用パンフレットをみて、企業理念やミッション・ビジョンなどを確認しましょう。企業の大まかな方向性を把握し、企業が求める人物像を分析するためです。
企業の求める人物像は、面接で評価されるパーソナリティ(行動特性)と関連している可能性があります。たとえば企業が求めているのが「主体的に動ける人」なら、「いまの仕事で課題に感じていることは?」「自ら課題を見つけて解決した経験は?」などの質問をされる可能性が高いわけです。
どのようなパーソナリティを重視するかは企業によって異なるため、質問対策に入る前に分析を済ませておく必要があります。
4. 採用サイトなどで応募職種の関連記事を読む
応募職種について理解を深めましょう。採用サイトや採用パンフレットの社員インタビューで同じ職種の先輩を探すのがおすすめです。採用後の職種が未定な場合も、希望職種を探す目的で社員インタビューを読んでみましょう。
このとき、ただ漠然と読むのではなく「自分がこの職種で働くうえで、どのような強みを活かせるか」の視点で読むと情報が頭に入りやすくなります。
また、読んでいて疑問に感じたポイントやもっと詳しく知りたいポイントがあれば、積極的にメモしておきましょう。逆質問のネタになります。
5. アピールしたい自分の強みやスキルを整理する
ここまで調べた情報をもとに、アピールしたい自分の強みやスキルを整理します。エントリーシートに書いていないことでも構いません。
アピールポイントが決まったら、それを裏付けるエピソードを考えます。学生ならば部活動、アルバイト、インターンシップ、ボランティアなどから引っ張ってくる人が多いでしょう。転職ならば前職・現職経験のなかから探します。
華々しいエピソードを選びたくなりますが、重要なのは「そのとき自分はどう考えて、どのように行動したか」を具体的に語れることです。深掘りされても困らないエピソードを選んでください。
6. 想定質問の回答を準備する
「5. アピールしたい自分の強みやスキルを整理する」で整理した内容をもとに、想定質問の回答を準備しましょう。自己紹介、志望動機、自己PRは基本ですが、他にも以下のような質問がよく聞かれます。
新卒採用でよく聞かれる質問
- 「学生時代に力を入れたことは何ですか」
- 「あなたの長所を教えてください」
- 「就職後にどのようなことをしたいですか」
中途採用でよく聞かれる質問
- 「キャリアプランについて教えてください」
- 「部下をマネジメントした経験はありますか」
- 「現職での実績などを教えてください」
面接での頻出質問を検索すると膨大な数が出てきますが、突き詰めると「あなたはどんな人で、何を強みとし、なぜ他社ではなくこの会社を志望するのか」を問う質問が大半です。回答原稿をかっちり作ってしまうと変化球的な質問にアドリブが利かなくなるため、伝えたい要点だけ整理しておくことをおすすめします。
また、以下のようなネガティブな質問への回答準備も必須です。
よくあるネガティブな質問
- 「これまで挫折した経験があれば教えてください」
- 「自分で短所だと思う部分はどこですか」
- 「どのようなことにストレスを感じますか」
- 「現在の職場で不満に感じていることはありますか」
- 「仕事上の失敗談があれば教えてください」
ネガティブな質問は「事実と克服法」をセットで答えるのが理想ですが、いきなりその場で回答内容を組み立てられる人は多くありません。とくに力を入れて準備すべきです。
7. 逆質問のネタを探す
面接では「最後に質問はありますか」と逆質問を促されることもあります。逆質問をするときは、できるだけ「その企業ならでは」の質問を心がけましょう。
「4. 採用サイトなどで応募職種の関連記事を読む」の調査結果をもとに採用サイトの内容を深掘りする質問ができると、志望度が高く見えます。
また、近年の社長インタビューからネタを探すのもおすすめです。社長の名前で検索すると記事が見つかることがあります。
面接官はどこを見ている? 評価のポイント

面接において、面接官は面接評価シートをもとに質問をしています。画像検索すると面接評価シートの例が見つかるので、ぜひ調べてみてください。
もちろん、企業やポジションによって評価項目や評価基準は異なります。ただ、ある程度共通している評価項目や評価のポイントはあります。さっそく見てみましょう。
第一印象やマナーに問題がないか
第一印象やマナーに関する評価項目はほとんどの企業が設定しています。とくに営業や販売など、お客様や社外の方と接触する機会が多い職種は厳しく見られる傾向があります。
社員の印象は企業の印象です。清潔感や身だしなみといった外見の要素を疎かにせず、社会人らしい服装、髪型、マナーで面接に臨みましょう。
質問にしっかり回答できるか
面接官の質問には的確に回答しましょう。評価項目に「しっかり回答できる」があるわけではないですが、面接評価シートは質問の回答が返ってくる前提で作られています。よって、会話のキャッチボールが成立しないと、そもそも面接官が応募者を評価(点数付け)できません。
質問に回答できていない例
面接官「これまでリーダーシップを発揮した経験があれば教えてください」
↓
学生「大学ではボランティア活動に力を入れました」
↓
面接官「(リーダーシップの経験を教えて…!)」
「そんなことある?」と思うかも知れませんが、とくに新卒の採用面接では緊張でズレた回答をする学生が少なくないようです。
入社後に活躍できそうか
面接では書類からは見えない実力や企業との相性を見られます。面接官の手元にある面接評価シートは、企業が見極めたい応募者の経験、スキル、ポテンシャル、パーソナリティなどを具体的な評価項目に落とし込んだものです。
書類選考を通過しているということは、一定の基準はクリアしているわけです。よって、面接では「入社したい!」という熱意だけではなく、自分を採用すべき理由を面接官が評価しやすい形で語ることが大切です。
評価シートに書き込める情報を提供するイメージで臨みましょう。
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面接で意識すると良いこと
「面接本番が近づいている!」という方に、本番で意識したほうが良いことを紹介します。
面接官の目を見て明るく元気に回答する
面接官の質問には、相手の目を見て、元気にハキハキと回答しましょう。単純に聞こえますが、第一印象を良くする一番簡単で効果的な方法です。
Web面接の場合も、画面越しに面接官の目を見て回答するよう心がけましょう。メモを見ながら回答する人もいますが、目線の動きで結構バレています。あまり印象が良くないので、メモなしで頑張ることをおすすめします。
固有名詞や数字で説得力を出す
回答するときは、できるだけ固有名詞や数字を使いましょう。
たとえば「リサイクルショップでアルバイトをしていました」よりも「リサイクルショップのトレファクでアルバイトをしていました」のほうが印象に残ります。「売上をアップしました」より「売上を前年比+30%にアップしました」のほうが具体的で深掘りしたくなります。
AIを活用して面接対策をしていると、どうしても抽象的な回答になりがちです。固有名詞や数字を意識して使うようにしましょう。
回答は“結論→理由”を意識する
質問に答えるときは結論ファーストで端的に答えましょう。結論を先に持ってくるだけで、面接官から「で、結局何を言いたいの?」と思われるリスクを減らせます。
たとえばPREP法のようなプレゼン手法が有効です。
PREP法とは、Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(結論・まとめ)の構成で話を展開するフレームワークのこと。「その質問の答えはAです。なぜならば〜という理由があるからです。具体的には〜という経験があります。よってAだと考えます」のように話を組み立てます。
PREP法を使うと結論と具体的なエピソードが必ず盛り込めるので、回答に説得力が出せます。
面接対策しないのはNG? 志望度が低く見えるリスクが…
「面接対策しなくてもいけるか」を気にする人もいるようですが、結論から言うと本記事で紹介した対策くらいはやっておくことをおすすめします。
面接の準備不足は面接官にも伝わります。「他社ではなく弊社を志望している理由は?」といった質問にうまく答えられないと、志望度が低いと見なされても仕方ありません。
内定辞退や入社後の早期離職の懸念から、どうしても落とされやすくなります。
面接の“練習”をしない人はいる
対策はしても、練習はしないという人もいます。ただ、面接練習はやれるならやりましょう。練習せずにうまくいくのは、もとから本番に強いタイプか、すでに面接慣れしている人くらいです。
とくに新卒で人生はじめての面接に臨む場合、本番でガチガチに固まってしまうケースがよくあります。
最近はAIによる面接練習アプリもあるので、練習相手が見つからない方は活用してみてください。
面接対策は「相手からどう見えるか」を意識しよう
採用面接は、面接官に「弊社で活躍できそう」「弊社にマッチしそう」と思ってもらうことが大切です。
しかし、面接官は人を見るプロなので、小手先のテクニックは通用しません。
面接に進んだということは、エントリーシートは採用基準に沿っているのです。「私は志望度が高く、十分なスキルやポテンシャルがある人材ですよ」としっかり伝えるためにも、最低限の面接対策をして本番に臨みましょう。
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
リユースビジネスのこと、トレジャー・ファクトリーがどんな企業かを少しイメージできたでしょうか。
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この記事を書いたひと

メーカーで技術職として10年勤務した後、退職。現在はフリーライターとして活動中。夫と子供2人の4人暮らし。読書・ゲーム・マンガ関係の推し事と資産運用が趣味です。金融や理系資格に関する記事を中心に執筆しています。こちらで体験レポート記事も書いてます。