連載の第2回ですー! (パチパチパチ)
この連載では、マナー講師の金森たかこ先生に”新社会人(ワン)”のコロすけ君が、ビジネスマナーを教わります。
今回のテーマは「WEB面接(オンライン面接)」。
採用担当者に「WEB面接を行います」と言われて、初めての面接スタイルにとまどう人、たくさんいると思います! ここではWEB面接のやり方や気を付けるポイントを解説していきます。
では、さっそくはじめましょう!
ごあいさつ
今後も新たなスタンダードになりそうですよ。
WEB面接とは? 対面面接との違い
対面面接とは次のような違いがあります。
【対面面接との違い①】場所は自宅やレンタルスペースで
一番のメリットとして挙げられるのは、面接先の企業に出向くことなく行えること。
移動時間を費やすことなく日程調整がしやすいので、一日に複数の面接を受けることもできます。一方で、服装や事前のオンライン設定のように、新たな注意点もあります。
【対面面接との違い②】すべて映像越しで採用を判断される
画面を通して行われるWEB面接では、すべてデバイス上の画面で採用するかどうかを判断されることになります。そのため、カメラの映りや話し方、態度にも注意が必要です。
使われるツールは企業から指定されます。ツールは主にZoom(ズーム)やSkaype(スカイプ)、Teams(ティームス)、Googlemeet(グーグルミート)など。手軽さと使いやすさの点から、Zoomを使用する企業が多いようです。
【対面面接との違い③】オンライン環境や設定の準備が必要
多くは指定のURLが発行され、そこに繋いで「入室(ログイン)」をします。いざURLをクリックしてもエラーが発生する、面談の途中でPCの充電が切れる、といったトラブルが万が一発生しても対応できるよう、事前にネットワーク環境のチェックが必須です。
準備と立ち振る舞いには、とくに注意が必要そう!
オンラインならではの注意点と共通マナー
ただ、先ほどあげたWEB面接の特徴である「画面越し」「インターネット回線経由」「機器を使う」を踏まえた上で、新たな注意点もあります。
ここからは、そんなオンラインならではの注意点を見ていきましょう。
オンラインならではの注意点①「身だしなみを整える」
服装はスーツの着用が基本
それに上半身しか映らないから、下はパジャマでも大丈夫かな、なんて…。
場所や映りにかかわらず、上下スーツを着て、対面の面接と同じ意識を持って、ふさわしい服装を心がけてくださいね。
髪型もきちんとしよう
女性は、あいさつで頭を下げたときに、髪が顔にかからないようにサイドを留めるか結ぶとすっきり見えます。
コロすけ君も、寝ぐせがないかをチェックして、清潔感のある髪型に整えてくださいね。あと無精ひげはだらしない印象を与えますので、ひげの剃り忘れがないよう注意が必要ですよ。
マスクは着用しないといけないの?
(…ヒゲも隠れるんじゃない?)
オンラインならではの注意点②「背景を壁にする」
個性は、自分の意見や面接の中身で発揮しましょうね。
じゃあぼくの散らかった部屋が映っちゃうなぁ。
洋服やかばん、ペットボトルなど、余計なものが映り込まないように画面をチェックしましょう。
テーブルにあるお菓子も片付けよう…。
カーテンを背景にするのもおすすめ
その場合は、光に背を向けない向きに設定します。
気をつけなくちゃ。
オンラインならではの注意点③「面接前には必ず視聴環境テスト」
カメラ映り、マイク、イヤホンの動作を事前チェック
カメラ映り、マイク、イヤホンが、事前に正常に機能するかの確認は必ず行いましょう。
どんなチェックが必要なの?
あとはカメラの向きにも注意が必要です。
底上げの台を置くなどして、カメラの高さを目線に近い高さに設置すると良いですよ。
あとは映像の明るさも気を付けたいポイントです。暗い場合は部屋を明るくしたり、リングライトなどの購入を検討してもいいですね。
Zoomの場合は、外見補正機能で明るさの調節ができますので、試してみるのも良いかもしれません。
イヤホンをするのはマナー違反?
入室時にはイヤホンをつけていない状態にし、その後「イヤホンを使用してもよろしいでしょうか」と一言断りをいれると丁寧な印象を与えますね。
同じ機能でもヘッドフォンだとさすがにダメな気がする…。
また、面接中の雑音にも気を配りましょう。音が出る恐れのある通信機器の通知音はすべてオフなっているかチェックが必要です。
自宅だからこそ、音の配慮も必要だね。
スマホを使っても大丈夫
手振れや傾き、途中で倒れるなどは面接官に不快感を与える可能性もありますよ。
自分の視線とカメラの位置がまっすぐになるよう事前に調整しておきましょう。
スマホよりおすすめのデバイスはある?
面接官の表情がよくわかり、映像も安定しやすいですよ。
あとは入室(ログイン)するだけ!
どれ位前にログインすればいい?
どれ位前に入室するといいんだろう?
何も指示がなければ、5分前には指定URLにアクセスして待機しておくといいですね。
自信をもって本番に臨むために、入室前に事前リハーサルも効果的です。仲の良い友人や家族と本番さながらのリハーサルを行っても良いと思いますよ。
準備で必要なチェック項目を下にまとめてみたよ!
チェックしてみよう! WEB面接「準備」編
◎ 上下スーツを着る
◎ 清潔感のある髪型(男性はヒゲも)
◎ マスクはしない
◎ 白壁・シンプルなカーテン背景に
◎ カメラの高さは目線近く
◎ カメラ映りの明るさチェック
◎ イヤホンOK(ヘッドホンNG)
◎ 充電しておく(充電器をつないでおく)
◎ スマホの場合はスタンドで固定
◎ 時間前に一度指定URLにつないでみる
◎ 入室は開始の5分前
準備についてわかったところで、面接本番での注意点をお話しましょう。
オンラインならではの注意点④「表情や話し方は大きく、わかりやすく」
はきはきと聞き取りやすく
マイクを通していることを頭に置き、普段よりもはっきり、ゆっくり、相手が聞き取りやすい話し方を意識するよう心がけましょう。
また、表情も画面を通すことによって、対面よりも不愛想に映りやすくなります。満面の笑みである必要はありませんが、にこっとする程度の笑顔は大切ですよ。
自分の表情が気になるときは、画面上の自分の表情を時々チェックするといいですね。
自分が話すと時はカメラを見て
すると相手からは視線が合っているように映りますよ。
カメラを向くって、なんか芸能人みたいだね!
画面を通して見られていることは、忘れないようにしたいですね。
リアクションは大きめに
自分が話すときには、状況によって手ぶりを加えるなど、普段よりも大きめなリアクションをした方がこちらの熱意が伝わりやすいでしょう。
相手の話に大きくリアクションすれば、聞いている姿勢が画面越しにも伝わるってことだね。
はじめに行うあいさつは?
はじめのあいさつは第一印象を決める大切な要素です。まず、「明るく元気にハキハキと」を意識しましょう。
学生の場合は大学名、学部学科、学年の後にフルネームを名乗り、一言添えます。
例:
「〇〇大学〇〇学部〇〇学科4年、〇〇〇〇です。本日はよろしくお願いいたします」
例1:
「おはようございます。〇〇〇〇と申します。本日は面接のお時間をいただきありがとうございます。よろしくお願いいたします」
例2:
「本日、面接を受けさせていただきます、〇〇〇〇と申します。よろしくお願いいたします」
画面越しでの挨拶のポイントはメリハリです。あいさつ言葉の後にお辞儀するというように、お辞儀とあいさつは分けるとメリハリがつき、丁寧な印象を与えます。
カンペを作りたいんだけど…
話すことを忘れないように、カンペを作りたいなと思ったんだけど、どうかな?
どうしても不安な人は、カンペを用意しておくと安心かもしれませんね。
カンペを手元に置いて見ようとすると、どうしてもカメラから大きく視線が外れてしまいます。
いつも下を向いて話す様子は面接官に良い印象を与えません。カンペを使っているということを見抜かれてしまう場合もあります。
カンペを使う場合は、カメラの近く、同じ高さに貼り、視線に不自然さがないよう気をつけましょう。
長い文章のカンペを作ると、どうしても棒読みになり、「読んでいる」という印象を面接官に与えてしまいます。
カンペには文章を書くのではなく、キーワードを箇条書きにするといいでしょう。
それと、もしものときの通信トラブルに備えることも大切ですね。
通信トラブルが起きてしまった場合は、焦らず落ち着いて、電話やメールで不具合が起きたことを連絡し、指示を仰ぎましょう。
面接本番で気を付けるポイントを次にまとめたよ!
チェックしてみよう! WEB面接「本番」編
◎ 最初にあいさつをする
◎ 目線は画面の顔よりカメラ
◎ 普段よりもはっきりと早口にならないよう話す
◎ 「うなずく」などのリアクションも必要
◎ カンペは読み上げず要点の確認用に
◎ カンペの位置はカメラ近く
◎ 通信トラブル時は、先方に連絡をし指示をあおぐ
複数人でのグループ面接のコツ
まず、自分が話したいときや質問したいときは、声を出さずに手を挙げるか、挙手ボタンを押すようにしましょう。
ほかにも、自分の話す内容に集中しすぎない、自分だけ長々と話さないということもポイントです。
自分が話しているときも、面接官や他の面接者の表情などを観察し、独りよがりにならないこと。
どんな話が求められているかを常に考え、話す内容も柔軟に変化させられるとベストですよ。
自分の話以外は関係ないという態度では印象も良くありません。話の内容に合わせてうなずくなど、“話を聞いています”という態度を伝えましょう。
WEB面接で気を付けるポイントがたくさんあったけど、これでもう大丈夫だよ!
チェックしてみよう! WEB面接「グループ」編
◎ 自分の話は長すぎないよう簡潔に
◎ 話したい場合は挙手(挙手ボタン)
◎ 人の話を聞く姿勢をもつ
まとめ
またひとつ賢くなったよ!
ぜひ、この記事を参考に面接を成功させ、将来への可能性を広げてくださいね!
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
金森たかこさん連載記事
- 第1回 – “わかりました”の敬語って? メールで間違いやすい敬語Q&A
- 第2回 – WEB面接の正しいマナーは?Zoomなどで失敗しないコツ
- 第3回 – [就活面接 返信とお礼メール]前編
- 第4回 – [就活面接 返信とお礼メール]後編 例文集
この記事を監修したひと
大手食品メーカー人事部にて人材育成・秘書業務などに携わった後、フリーアナウンサーとして独立。テレビ・ラジオを中心にインタビュアー・司会・ナレーションなどの仕事に携わる。また、ビジネスマナー講師として、企業や行政機関、各種学校などへの講演・研修・コンサルティングを行う。