日本におけるリユース業界は、拡大傾向にあり将来性もあると注目されている業界のひとつです。今、なぜリユース業界がこれほどまでに注目されているのでしょうか。
今回は、なぜ「リユース業界は将来性のある、今アツい業界だ!」と言われているのか、その根拠についてわかりやすく解説します。
あわせて、リユース業界のさまざまな業態について紹介するとともに、リユース業界がこれからどのように動いていくのか、今後の見通しについてもお伝えしていきますよ。
そもそもリユース業界って何?
リユース業界の将来性を語る前に、まずは「リユース業界」の言葉の意味について解説しておきましょう。
リユース業界とは、いわば中古品などの古物の売買・交換などにより再利用を促す産業のことを意味します。
「古物」とは中古品全般を指しますが、これらの古物を扱う事業者のことを「古物商」と呼びます。ちなみに、リユース企業の主な業種は「小物・卸売業」に分類されます。さらに、新品を扱う市場なら「一次流通」、中古品を扱う市場なら「二次流通」と細かく分けられます。
リユース業界ってリサイクル業と同じこと?
ここで念の為、リユースとリサイクルの違いについて解説しておきましょう。両者の意味するところは、非常に似てはいるものの全く同じではありません。
リユース:
不要なものを廃棄せず、別の使い道などで再使用・再利用すること
リサイクル:
廃棄物を原材料やエネルギー源として有効活用すること
要するに、リサイクルはゴミとして捨てられるものを適切に分別し、再資源化できるものだけを使用する仕組みなのに対し、リユースは使い終わったものをゴミにせず、長期に渡り再利用を繰り返すこと。
どちらも、ものを無駄にしないという意味では同じですが、その定義が異なることがお分かりでしょうか。
リユース市場は超成長中の業界だった!
リサイクル通信「リユース業界の市場規模推計2021(2020年版)」によると、リユース業界の市場規模はここ11年連続で右肩上がり!2020年の時点で市場規模は2兆4169億円となっています。
2020年と言えば、新型コロナウイルスの感染拡大で人々の生活が大きく変化した年。緊急事態宣言が発令され、時短営業や休業を強いられたことで、大きく売り上げを落とした業界も多数あります。
そんな中、リユース業界は成長率をやや落としたものの、前年比マイナスを避け着実に市場を拡大していますね。
今後もますます拡大を続けると見られるリユース業界。2022年は3兆円、2025年には3兆5千万円まで市場規模を拡大するものと予想されています。
リユース業はなぜ不況の影響を受けずに成長し続けているのか
ここで気になるのが、「過去10年を振り返ると、リーマンショックやコロナ禍などのいわゆる不況と呼ばれる時期があったのに、なぜリユース業は成長しつづけたのか」という点です。
ここでは、リユース業が不況の影響を受けにくく安定的に成長し続けることができた理由について解説していきましょう。
不況時は「ものを無駄にせずに再利用する」意識が強まるから
リユース業が不況時にも安定して売り上げを保つことができるのか、それは、不況の時こそ、人々の意識が「節約、ものの再利用」などに向いているから。
不況時には、多くの人々が「少しでも安く欲しいものを手に入れたい」と思うものです。さらには、家にある「使っていないもの」を売ることで、少しでもお金になればと思う機会も必然的に増えるのが不況時。
つまり、リユース業にとって不況は大した障害にならず、むしろ大きなビジネスチャンスを招く要素なのです。
これが、多くの業界が苦戦する不況時に、リユース業界が成長し続けられる主な理由と言えます。
今だけでなく将来的にもリユース業界が勝ち続けると見込まれる理由
2022年には3兆円、2025年には3.5兆円にまで拡大されると見込まれているリユース業界。ですが、なぜそれほどまでにリユース業界の今後が明るいと予測されているのでしょう。
ここでは、リユース業界に将来性があると言われている理由について解説していきます。
SDGsの認知拡大がさらに進むから
リユース業界は将来性があると考えられる理由の一つに、「人々の持つ環境意識の高まり」が挙げられます。
SDGsが世界的に推進され、ものを大切にする、いわゆる「再利用・再資源化」はこれまでになく注目されています。
この風潮は今後も衰える気配がなく、むしろ勢いを増すと予測されており、これによりSDGsに大きく貢献できるリユース業界は、さらに大きく成長すると言われているのです。
日本のリユース商品が注目され始めているから
日本のリユース商品は海外からも注目されています。日本商品のクオリティの良さは広く海外からも認められており、リユース商品であっても高値で売れる傾向にあります。
例えば、日本のデザイナーブランドの洋服や靴、ハンドバックなどを取り扱う海外(米国・台湾・マレーシアなど)のショップは高い人気を集めていますし、商品自体の価格も「日本製」というだけでお高め。
そのため、日本のリユース商品を海外で販売する企業も多く存在しています。これらのビジネスチャンスはまだまだブルーオーシャン、今後さらに多くの企業が狙ってくることが予想されています。
IT技術の進化によりCtoCのビジネスがさらに活発化するから
IT技術が進化し、個人が使えるオンラインサービスも充実している近年の日本。ネットオークションをはじめ、スマホのフリマアプリを使用し、個人間での売買はとても簡単かつ身近になりました。
このようなCtoCのビジネスは今後もどんどん行いやすくなると予測されており、ますます活発化されると見込まれています。
リユース業界のさまざまな業態について紹介
将来性もあり、これからますます注目されると予想されるリユース業界。ところで「リユース業界」と言ってもさまざまな業態があり、それぞれに特徴は異なります。
ここでは、リユース業界における代表的な3つの業態について紹介し、それぞれどのような魅力があるのかをわかりやすく解説していきます。
実店舗のリユースショップ
リユース、と聞いてもっともイメージしやすいのが「リユースショップ」ではないでしょうか。
ジャンル問わず総合的に他ジャンルの商品を取り扱うリユースショップもあれば、本やCD、ゲームなど、何かひとつのジャンルに特化したリユースショップもありますね。
最近のリユースショップはとてもクリーンで、さらにフリマアプリの浸透により消費者の中古品への抵抗へは薄れつつあり、その印象もかなりポジティブなものに変わってきています。
そして、実店舗のリユースショップの良さは、「とりあえず持っていけば、そこに知見を持ったスタッフがいるので相談できる」というシンプルな仕組み。これは次に紹介するネット上のリユースショップに欠けている、実店舗の最大の魅力だと言えます。
店舗に不用品を持ち込み、査定をしてもらうオーソドックスな買取スタイルは、ネットに苦手意識のある世代にも強い支持を得ています。
オンラインのリユースショップ
リユース業界でもオンラインのリユースショップの成長は非常に著しく、実店舗を凌ぐ勢いを持っています。
リユース業界において、オンラインのリユースショップは実店舗と併せて展開されることが多いです。つまり、商品自体は実店舗に在庫として置いたまま、オンライン上で出品するという方法ですね。
これのメリットは、商品の販促経路をうんと拡大し、より多くの販売機会に繋げていく効果があること。
たしかに、実店舗よりもインターネットの方が圧倒的多数の方に商品を認知してもらえます。そのため、昨今では多くのリユースショップが実店舗に加えオンラインショップを並行して運営し、より多くの売り上げを達成できるように取り組んでいます。
実は200名以上の大所帯で運営中!トレファクオンラインはこうして始まった ― そして伝説へ ―
こんにちは。 トレジャー・ファクトリーで、オンラインショップ「トレファクONLINE(https:/ ...
フリマアプリ
リユース業界を語る上で決して忘れてはならないのがフリマアプリです。おそらく、この記事を読んでくださっている方のほとんどが、何かしらのフリマアプリを使用したことがあるのではないでしょうか。
フリマの良いところは、「自分で価格設定ができて、好きな時に好きなだけ販売ができる」点です。店舗を介さず、自分自身で商品をネット上に公開し販売する非常にシンプルな仕組みとなっており、多くの利用者を得るに至っています。
ただ、一つ一つの商品を細かに査定する制度が完全に整っていないため、運悪く偽物を購入してしまったなどのトラブルもあります。
とはいえ、誰にでも簡単に利用しやすいフリマアプリが、リユース業界の成長に大きく影響したのは間違いありませんね。
まとめ
今回は、リユース業界の将来性や、さまざまな業態について解説しました。
不況に左右されず、むしろ不況時にこそ成長しやすいリユース業界。ものを大事に使おう、という人々の意識が強まっている今、リユース業界は特に大きなチャンスを秘めていると言えるでしょう。
これから就職・転職をお考えの方にとって、リユース業界は胸を張っておすすめできる業界です。今後、さらにさまざまなユニークなアイデアを形にしていく企業もきっと増えていくことでしょう。
どんな経済状況でも勝ち残りやすいリユース業界、あなたもそんな将来性のある業界に身を置き、活躍してみてはいかがでしょう。
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
この記事を書いたひと
転職・就職に関連する領域で数多くのライティング実績があるほか、英会話、婚活など幅広く活躍。ブライダル業界勤務10年の経歴を活かし、ブライダル関連のコラムが専門分野。これまでにWEBサイトを中心に1000本以上の執筆経験がある。