「SDGs(エスディージーズ)って何? 簡単にわかりやすく知りたい!」という方のために、このキーワードを解説します。2021年に東京で開催された世界的スポーツ大会の影響もあり、SDGsは今や一人ひとりが考えるべき課題です。実例や注意点も一緒にみていきましょう。【記事監修:SDGsコンサルタント 玉木巧】
※こちらの記事は一度公開後、2022年1月に再度内容をSDGsコンサルタントの玉木巧さんにチェックいただいたものです。
●早わかり動画:【SDGsとは】SDGsの基本知識をわかりやすく解説【初心者向け】 ※提供:株式会社Drop
SDGs(エスディージーズ)とは? 簡単に教えて! ドドンと図解でわかりやすく
[SDGsとは 簡単にわかりやすく図解]
※分割前の画像はこちらで表示できます(PDFファイルはこちら)
「Sustainable Development Goals」の略称
SDGsを噛み砕いて簡単に説明すると、「誰一人取り残さない(Leave No One Behind)持続可能な社会の実現を目指すために、世界共通の目標に向かって取り組みを進めよう!」といったところかしらね。
2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国により、2016年から2030年の15年間で達成するために目標として掲げられたの。
当初はほとんど注目されていなくて、地味な感じでやってたの。でも、事件が起きるのよ。
【ダボス会議という事件】
そこで「SDGsに取り組むことで12兆を超える経済価値と、3億8,000万人に雇用が創出される」という推計が発表されたの!
※1ドル=100円の場合
これから就職活動を始める学生なども、入社後にはSDGs何らかの形で関わることが多いんじゃないかしら。だから、今後は就活においても、SDGsは重要ワードになるわね。
ビジネスにおいては取引で有利になるかもしれない。SDGsを掲げている企業は、SDGsに取り組んでいる企業と取引したいと思うはずだからね。
世界の企業がSDGsに取り組んでいるわけだから、今後はSDGsに取り組むことが世界進出の必須要件になるかもしれないわ。
17の目標、169のターゲット…設定が細かすぎる!
● 「SDGs 17の目標」をわかりやすく整理!
1. 貧困をなくそう
あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
2. 飢餓をゼロに
飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
3. すべての人に健康と福祉を
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
4. 質の高い教育をみんなに
すべての人々への包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
5. ジェンダー平等を実現しよう
ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
6. 安全な水とトイレを世界中に
すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
8. 働きがいも経済成長も
包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
10. 人や国の不平等をなくそう
各国内及び各国間の不平等を是正する
11. 住み続けられるまちづくりを
包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
12. つくる責任 つかう責任
持続可能な生産消費形態を確保する
13. 気候変動に具体的な対策を
気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
14. 海の豊かさを守ろう
持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
15. 陸の豊かさも守ろう
陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
16. 平和と公正をすべての人に
持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
17. パートナーシップで目標を達成しよう
持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する
SDGsは「持続可能な開発目標」だから、「このままではいけない!」という課題に関して目標が立てられている。
例えば、環境問題に取り組まなければ将来人類は飢餓に苦しんだり、自然災害に悩まされたりする可能性が高いわよね。そういった課題をSDGsの目標に掲げて、地球全体で解決に取り組もうというわけなの。
特に環境問題、地球温暖化は早急に対策したければいけない課題なの。異常気象、食糧不足も危惧されている。
人命も左右する問題だから早急に取り組まなければいけない問題なのよ。
より具体的な目標を示した169のターゲット
「2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる」
こんなことが書いてあるの。
これは、具体的にこの割合を減少させましょうという、文字通り指標になるものなの。この数値を削減するために頑張りましょうってことね。
このターゲットや指標は、総務省ウェブサイトにあるPDFでも確認できるわよ。
※総務省ウェブサイトの該当ページはこちら
SDGsが始まった経緯について
環境問題などの世界規模の課題はそれまでも国際会議などで話し合われてきたよね?
MDGsは発展途上国向けの目標で、“Millennium Development Goals(ミレニアム開発目標)“の略よ。
MDGsは発展途上国の課題ではあるんだけれど、実際は国際社会全体が力を合わせて発展途上国の目標達成を支援してきたの。
日本の外務省もODA(政府開発援助)としてMDGsに取り組んできたのよ。でもね、なかなか民間企業の参入が見込めなくって……。
例えばダイバーシティや環境問題、ジェンダー平等などは、先進国や発展途上国に関わらず取り組むべき課題よね。SDGsが掲げられることでより「自分ごと」として世界の課題を考えられるようになったというわけ。
※参考ページ:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/doukou/mdgs.html
https://www.jica.go.jp/aboutoda/sdgs/about_MDGs.html
https://www.jica.go.jp/aboutoda/sdgs/achievement_MDGs.html
SDGsの注目度が高い理由
新型コロナウイルス感染症の世界的流行も、SDGsとは無関係じゃないわ。
例えば、パンデミックのせいでコロナ以外の感染症の予防接種が中断されたり、人道支援が途絶えて食糧供給ができなくなったりと、まさに持続可能なシステムの弱い部分を突かれてしまったの。
せっかく積み上げてきたことが、感染対策によって無意味になるケースなんかもありそうだわ。
ただ、新しい生活様式に移行してきたことで、変わってしまった開発計画もあるでしょうね。
目標達成のため、毎年モニタリングを実施
その達成状況を共有するフォーラム(HLPF)が、毎年7月頃に開催されているの。
2021年はオンラインで開催されたのよ。今回は新型コロナウイルス感染症が目標達成をはばむ状況下だから、経済・社会・環境において持続可能な開発をどう促進するのか、また、持続可能な方法でのパンデミックからの復興について話し合われたわ。
カーボンニュートラルや生物多様性、グリーンリカバリーやブルーリカバリーといった地球環境について、女性の貧困問題や外国人労働者の医療アクセスなど、様々な社会課題が洗い出されたわ。
SDGs身近な取組事例
ただ、そうはいってもまだまだ「SDGsって何?」って企業や団体も多いから、“SDGs Communication Guide”というガイドを、株式会社電通が発表したのよ。
実際、「SDGsに取り組みましょう!」って言っても、「何を?」ってなるから、SDGsに取り組む際に留意すべきポイントを整理したのね。
このような活動が積み重なって、民間企業とSDGs、自治体とSDGsがフレンドリーになりつつあるというわけなの。
例1:ユニバーサルデザイン
ユニバーサルデザインへの取り組みは、「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」「10. 人や国の不平等をなくそう」「11. 住み続けられるまちづくりを」「12. つくる責任 つかう責任」の4つの目標に当てはまる。
例2:安全な情報通信
安全な通信環境を整えることは、「8. 働きがいも経済成長も」や、「9. 産業と技術革新の基盤をつくろう」などに関わってくるわ。
例3:化粧品会社の女性教育支援
例4:食品を通じて社会課題の解決を
例えば、「もずく」売上の一部を寄付し、海岸の清掃などの自然環境保護活動を行なっているの。
この取り組みは「12.つくる責任つかう責任」「14.海の豊かさを守ろう」「15.陸の豊かさも守ろう」「17.パートナーシップで目標を達成しよう」に当てはまるわ。
これは、農薬を使用した米作りがトキの絶滅を招いたことによる反省から生まれた取り組みよ。
※参考ページ:
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/sdgs/coopdeli.html#com_top
例5:テレワークもSDGs
例えば、会社に通わなくてもいいことで、自分の好きな場所で好きな人と暮らすことが可能になる。結婚や出産などのライフステージの変化によって仕事を辞めることもないから、より働きがいを感じながら、また、家庭内のジェンダー平等なども推進しやすくなるのよね。
身体に障害があるなど、人によっては「通勤できないから働けない」というケースもあるわ。でも、テレワークなら働けるから、不平等な状況も解消できるの。
こうして事例を見ると、身近なところにもSDGsの課題があるんだってことに気づくし、SDGsに取り組む企業は本当に増えているのね。
SDGsウォッシュに注意
企業にネガティブな面があるのに、うわべだけSDGsを取り繕うこと。これを、「グリーンウォッシュ(うわべだけ環境に配慮する)」という言葉をもじって「SDGsウォッシュ」と呼ぶの。
SDGsの認知度が上がるとともこんな問題も発生するのは覚えておきたいわね。
SDGsは本来「持続可能な社会にしよう」という取り組みのはず。本当にその企業や団体の存在が「持続可能な社会」をつくることに貢献しているのか、冷静に判断する必要もあるのよ。
SDGs、今すぐ簡単にできることは個人レベルでもたくさんある
今すぐにでもSDGsを始めることは可能よ。
例えば、一番簡単なのはSDGsに取り組む企業の商品を買ったり、サービスを利用したりすることなの。「エシカル消費」と呼ばれていて、購入することで寄付ができたり、環境保全に貢献できたり、被災地を応援できたりすることを指すの。
海を守るために環境にいい洗剤を使うとか。プラスチック製品をなるべく使わないようにするとか。
海洋マイクロプラスチックの問題が気になって、脱プラ生活を心がけるようになったの。紙ストローで提供してくれるカフェでコーヒーを買ったり、界面活性剤が含まれていない洗剤を使ったり。
環境に配慮した製品というと不要なゴミを出さないために、リユース品やアップサイクル品を購入したり、レンタルサービスを利用したり、そんな取り組みも良さそう。私古着大好きだんだよね。
他にも、再生可能エネルギーで発電する電力会社を選んだり、ジェンダー平等を訴えるSNS投稿をシェアすることでもSDGsにつながるの。
また、肉や魚は飼料やエネルギーを大量に消費するから、環境への負荷が高いの。肉や魚の食べる回数を減らすのも、SDGsになるのよ。
また勉強して、わからないことが出てきたら教えてね!
【Q&A】SDGs よくある質問! みんなの知りたいことまとめ
知りたいこと①「SDGsはなぜ必要なのですか?」
【かんたん解説】
SDGsには、環境問題、気候変動、ジェンダー平等、貧困、人や国の不平等など、様々な世界規模の課題が掲げられています。SDGsを掲げることで世界が一丸となって問題解決に取り組むことができ、早期解決が見込めるのがSDGsの一つのメリットです。資金調達、技術開発など、一部の国と地域だけで取り組むよりも効率的に推し進めることができ、世界平和へと近づくことができます。
知りたいこと②「SDGsのことがわかる動画を教えてください!」
【かんたん解説】
You Tubeで検索するとさまざまな動画がヒットしますが、例えば以下のような動画を見てみてはいかがでしょうか。
●SDGsとは? -あらゆる企業が取り組むべき理由 ※提供:simpleshow Japan
●SDGsとは?? 家庭でも簡単に出来る6つのこと「SDGs入門編」 ※提供:一般社団法人 日本ノハム協会
知りたいこと③「SDGsとESG投資はどんな関係がありますか?」
【かんたん解説】
例えば環境に配慮した事業を取り組む企業の社債は「グリーンボンド(Green Bond)」と呼ばれています。資金調達したい企業からすれば、SDGsに取り組むことでESG投資を求める投資家たちの関心を惹くことができるのがメリットです。企業PRにも活用できることから、現在は多くの企業がSDGsの活動に着手しています。
知りたいこと④「サステナブルとは、どんな意味ですか?」
【かんたん解説】
「“Sustainable“=サステナブル」は「持続可能な」という意味で、サステナブルな生活、サステナブルデザインなど、SDGs以外の場面でも広く使われる言葉です。
知りたいこと⑤「169のターゲットとは、どんな内容ですか?」
【かんたん解説】
17の目標のそれぞれには、詳細な目標を示したターゲットが設定されています。ここでは「13.気候変動に具体的な対策を」を例に内容を見ていきましょう。「13.気候変動に具体的な対策を」のターゲットは全部で5項目あります。
13.1
全ての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応の能力を強化する
13.2
気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む
13.3
気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する
13.a
重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020年までにあらゆる供給源から年間1,000億ドルを共同で動員するという、UNFCCCの先進締約国によるコミットメントを実施するとともに、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる
13.b
後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する
このように、より具体的に目標が定められています。また、各ターゲットにはグローバル指標も示されていて、13.1の場合は、「13.1.1 10万人当たりの災害による死者数、行方不明者数、直接的負傷者数」や「13.1.2 仙台防災枠組み2015-2030に沿った国家レベルの防災戦略を採択し実行している国の数」など、その内容はとても具体的です。
知りたいこと⑥「SDGsの達成状況が知りたいです!」
【かんたん解説】
SUSTAINABLE DEVELOPMENT REPORT(https://www.sdgindex.org/)のサイトから達成状況を確認することができます。英語版のみですが、見える化されているため視覚的に状況を捉えることができます。
※参考ページ:
https://s3.amazonaws.com/sustainabledevelopment.report/2021/2021-sustainable-development-report.pdf
https://www.sdgindex.org/
https://imacocollabo.or.jp/about-sdgs/
知りたいこと⑦「SDGsに関する日本政府の取り組みが知りたいです!」
【かんたん解説】
日本政府は、SDGs達成のために「SDGsアクションプラン」「SDGs実施指針改訂版」「SDGs実施指針」など、具体的な取り組み指針を公表しています。「SDGsアクションプラン2021」では、「感染症対策と次なる危機への備え」といった現状に即した指針も記載されています。また、関係省庁やJICA、Unicefといった関係機関との取り組みも行われており、分野別でのSDGs目標達成を推進しています。他にも、ジャパンSDGsアワードとして、SDGsに取り組む優れた企業を表彰。SDGsの見える化に寄与しています。
※参考ページ:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/effort/index.html
知りたいこと⑧「SDGsに取り組む企業・団体の事例を知りたいです!」
【かんたん解説】
現在では、大小を問わず多くの企業・団体がSDGsに取り組んでいます。
※参考ページ:
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/
知りたいこと⑨「Society 5.0って何ですか?」
【かんたん解説】
現在では、大小を問わず多くの企業・団体がSDGsに取り組んでいます。取組事例については、外務省のサイトから検Society 5.0 とは、狩猟社会(Society1.0 )、濃厚社会(Society2.0 )、工業社会(Society3.0 )、情報社会(Society4.0 )につづく新たな社会のことを指します。Society 5.0では、IoTやAI(人工知能)はもちろんのこと、新たな社会変革システムによって構築されます。経済発展と社会課題の両方を解決し、個人が尊重される未来社会がSociety 5.0です。
知りたいこと⑩「SDGsな商品を選ぶときに参考になる認証を知りたいです!」
【かんたん解説】
SDGsに関連する認証制度はいくつかあります。
◎国際フェアトレード認証
フェアトレードとは、公平公正な貿易という意味です。先進国と発展途上国との取引の際、適正な価格で継続的に購入し、発展途上国の生産者や労働者の生活を改善、十分に自立できるように貿易を通じて支える仕組みです。
◎MSC認証
天然の水産資源を守るために過剰な漁獲を行わない、また、失われつつある資源については回復を約束できる方法でのみ漁業を行うなどの項目を認証の原則に掲げています。
◎ASC認証
天然の水産資源を対象とするMSC認証に対し、ASC認証は養殖の水産物に関して定めた認証制度です。ASC認証では法令遵守、自然環境および生物多様性の保全、水資源や水質の保全などの7つの原則を掲げています。
◎FSC認証
FSC認証は「環境、社会、経済の便益に適い、きちんと管理された森林からの製品を目に見える形で消費者に届け、それにより経済的利益を生産者に還元する仕組み」で、森林の適切な管理体制をもつ組織に与えられる認証です。
◎レインフォレスト・アライアンス認証
熱帯雨林の持続可能な管理を推進するための認証です。10の原則を掲げています。
◎グローバルコンパクト10の原則
国連が立ち上げた制度です。責任ある活動を企業に促し、サステナブルな社会の実現を目指します。人権や労働、環境など、10の分野にわたって原則が設定されており、日本でも約370の企業が加盟している制度です。
◎経産省と東京証券取引所の取り組み
認証制度ではありませんが、経産省と東京証券取引所が女性活躍推進において優れた企業を「なでしこ銘柄」として選定する取り組みが行われています。
知りたいこと⑪「相対的貧困の意味を教えてください!」
【かんたん解説】
貧困には2つの貧困があります。一つは絶対的貧困で、最低限の生存生活を維持することも困難な状態を言います。もう一つは相対的貧困で、国や地域の水準の中で比較して決まる貧困です。相対的貧困を簡単にいえば、その国の大多数よりも貧しい状態です。いわゆる貧困線にも満たない状態を相対的貧困と言います。日本では相対的貧困率が15.4%(2018)と約6人に1人が相対的貧困にある状況で、先進国でも米国に次ぐ高い比率です。
知りたいこと⑫「パリ協定の概要が知りたいです!」
【かんたん解説】
パリ協定は2015年に採択され、2016年に発効された国際協定です。京都議定書に代わる国際的な枠組みで、温室効果ガス排出減などの新たな枠組みを取り交わしました。具体的には、世界共通で1.5℃に抑える努力を追求すること、5年ごとに世界全体としての実施状況を検討するグローバル・ストックテイクなどの仕組みなどがあります。日本も途上国向け支援を発表し、約1.3兆円の資金支援をすると約束しました。
https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page1w_000119.html
知りたいこと⑬「SDGコンパスって何ですか?」
【かんたん解説】
SDGコンパスとは、企業のためのSDGs行動指針です。5つのステップに分けて提示されています。
ステップ1「SDGsを理解する」
↓
ステップ2「優先課題を決定する」
↓
ステップ3「目標を設定する」
↓
ステップ4「経営へ統合する」
↓
ステップ5「報告とコミュニケーションを行う」
知りたいこと⑭「今私がSDGsで簡単にできること、身近でできることは何ですか?」
【かんたん解説】
個人でも簡単にSDGsに取り組めます。
最も簡単な取り組みは「エシカル消費」です。環境保全、人権侵害に加担しない商品供給(サプライチェーン)、被災地への募金や寄付など、SDGsに取り組む企業・団体の製品やサービスを消費するのがエシカル消費です。間接的にSDGsを促進することにつながり、優良企業を応援することにつながります。
海を守るために環境にいい洗剤を使用したり、紙ストローなどのプラスチック製品をなるべく使わないようにしたりすることも当てはまります。再生可能エネルギーで発電する電力会社を選ぶことも、エシカル消費の一つです。
もし、SNSを利用しているなら、投稿をシェアするのもSDGsの取り組みに数えられます。デモや署名活動に参加するのも、持続可能な社会を作るきっかけになるでしょう。
また、工夫ある再利用により魅力的なプロダクトに生まれ変わらせるアップサイクルなら、リサイクルやリユースよりも楽しく取り組めるかもしれません。
フードロスの問題に関心があるなら、賞味期限の短いものからカゴに入れるように心がけましょう。食料品は肉や魚よりも野菜や果物を選び、飼料やエネルギーなど、環境負荷の高い食品を選ばないようにすることも大切です。
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
この記事を監修したひと
SDGsコンサルタント。大企業から中小企業までの多彩なコンサルティング経験をもとに、これまで40万人以上のビジネスパーソンにSDGs研修を実施。日本青年会議所主催のサマーコンファレンス2021にて小泉進次郎環境大臣(当時)と共に登壇するなど、活動は多岐に渡る。