リユース品(中古品)を扱う「リユース」市場の規模は、1兆円以上と知っていますか?
「アパレル品」「生活家電」「インテリア」などの花形市場に並ぶ注目のジャンルです。あらゆる中古品を扱うリユースショップは、売り手や買い手にとって便利であり、働くスタッフにとっても好奇心をくすぐられる場です。
今回はリユースショップ巡りが趣味の筆者が、リユースショップの将来性や魅力をお伝えしましょう。
筆者の趣味は全国のリユースショップ巡り
「リユースショップ」を知っていますか?
あらゆるジャンルのリユース品(中古品)が並ぶ店舗のこと。フリーライターの筆者の趣味はリユースショップ巡りです。女性では珍しいかもしれませんが、雑多な雰囲気もクリーンな店舗も大好き!
普段は動物や防災を中心にさまざまなジャンルの記事を書いていますが、ここでは趣味のリユースについて語りたいと思います。
筆者は前職が物販関係で出張が多かったこともあり、空き時間にその地域のリユースショップへ行っていました。
気づけば北海道から鹿児島まで100店舗以上に足を運んだことに!
フリーランスになった今も愛犬と散歩がてら、リユースショップ巡りをしています。リユースショップを利用したことがない人に向けて、今回はその魅力やメリットを紹介しましょう。
リユース市場は1兆円を超える規模!
就職活動をするときに目安の一つになるのが市場規模です。
環境省「リユース読本」(2016)によると、日本のリユース市場は、なんと「1兆1千億円」 にも上るとされています! (※自動車とバイク等を除く。ちなみに、自動車とバイク等を含めると3兆1千億円にも上るそうです)
リユースという文化が、今の日本の社会に浸透していることが伺われる数字ですね。
リユースは「まだ使えるものをくり返し使う」こと。家庭で使わなくなったものを必要な人につなぎ、再び使ってもらうための市場。花形のジャンルに比べて地味に思えるかもしれませんが、環境省をはじめ自治体も後押ししている注目の分野です。
1兆円以上の市場があるということは、すでに頭打ちでは……と心配する人もいるかもしれませんね。
環境省「平成 28 年度 使用済製品等のリユース促進事業 報告書」の「消費者のリユース品の購入・売却に関する行動」のアンケートでは、過去1年でリユース品の購入(リユースショップ、フリマアプリ、ネットオークション利用)をしたことがない人が67.9%を占めています。
開拓の余地が大いにあるジャンルと言えるでしょう。
「使い古しばかり」と思うのは大間違い
リユース品を扱うのが「リユースショップ」で、持ち込まれた品を買い取って販売する店舗です。これには質屋も含まれます。
例えば全国100店舗以上のリユースショップを展開している株式会社トレジャー・ファクトリーでは、知識と経験のあるスタッフが数万種類に及ぶさまざまなリユース品の状態を見極め、適正な価格で買い取っています。その後、状況に応じてリユース品の清掃やメンテナンスを行うなどして販売します。
リユース品のことを使い古したもの、汚れているもの、壊れているもの……と思っているなら大間違い。
一昔前の“リサイクルショップ”のイメージと異なり、
近頃のリユースショップはとてもクリーンです。
使えるものをくり返し使うしくみを整えているリユースショップに足を運んでみれば、マイナスのイメージは吹き飛びますよ!
リユースショップはフリマアプリより利用者が多い
ネットオークションやフリマアプリなどの躍進によって、リユースショップを通さなくてもリユースを売買できるようになりました。
しかし、企業が運営しているリユースショップは、今なお多くのユーザーに利用されていて、実は根強い人気があるんですよ。
前述の報告書の「リユースの利用状況」のアンケートでは、リユースショップでの購入が最も多く、40.5%を占めています。
次いでネットオークション利用の31.6%。フリマアプリは8.9%にとどまっています。
100店舗以上を知る筆者が考える売買のメリット
リユースショップを利用する筆者から見たメリットをお伝えしていきます。
売る場合のメリットは、不用品を一気に整頓できることでしょう。
前述の利用者アンケートでは、リユースショップでの購入が40.5%に対し、リユースショップでの売却・販売が30.4%。買い手が多い状況なので、売り時かもしれませんね。
買う場合のメリットは、ほしいものを安く買えること、“イッテンモノ”に出会えること。ほしいものがあるときだけ行く人が多いかもしれませんが、筆者はふらっと立ち寄ることをおすすめします。
個人商店、企業運営、自治体運営の違い
リユースショップは小さな個人商店から全国展開している企業まであります。中には自治体が運営しているケースも。ユーザーの視点からそれぞれの特徴を見ていきましょう。
個人商店は店舗によって特色が強い印象です。
ブランド品に限定した店、服や雑貨を専門とする店、なんでもかんでも雑多に置かれた店などさまざま。筆者はあまりブランド品に興味がなく、むしろきれいに整理しすぎず雑多な店のほうが掘り出し物を探す楽しみがあって好きですね!
筆者は初めて行った地域ではネットでリユースショップを調べますが、個人商店は開店や閉店の情報が出ていないこともあるのが難点……。
企業の店舗は品ぞろえが安定し、店舗の規模に関わらず見やすくディスプレイされています。
扱う品の種類が多くて雑多な雰囲気もありつつ、きちんと整頓されているのが好印象。服を色ごとに並べたり、売り物のガーランドをディスプレイに使ったりして、目につきやすい工夫がされていることが多いです。初心者でも掘り出し物を探しやすいのでは?
数は少なめですが、自治体が運営しているリユースショップもあります。住民から寄付された品を安く売るしくみで、ある意味採算度外視。気にいるものがお買い得だと思います。
服や雑貨の品ぞろえを見ると、寄付する人は比較的年齢層が高めのようです。若い人向けのものが欲しい場合は、根気よく通って掘り出す必要があります。逆に家具などは良質な品が激安で入手できます。
将来性もおもしろさも抜群のリユース市場
リユースショップはあらゆる中古品を扱っているので、思いがけないものに出会えるのも魅力。ほしいものや興味があるコーナーだけでなく、
ぜひ店内をぐるりと回ってみてください!
筆者は端から端まで見るので、2時間以上滞在することも珍しくありません。
「なんだこれは!」というものを発見したときは、ついつい衝動買い。これらの掘り出しものは「自分にとって価値があるもの」で、高価なものとは限りません。
例えば仕事先で絶対に使えない魚のペンケースや、鳥を飼っていないのに巨大な止まり木など……。意外なお値打ちものは、かっこいいと思って1000円くらいで買ったデスクアームチェア。その後掃除のためにひっくり返したら、座面の裏に天童木工のロゴがありました。どうりでかっこいいはずですよ。
リユースショップのスタッフは日々“イッテンモノ”や思いがけないものに出会っているのかと思うと、ちょっぴりうらやましくなります。
1兆円を超える市場を持つリユース、将来性もおもしろさも伸びしろたっぷりです!
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
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この記事を書いたひと
ライター・編集者。レコード会社と出版社を経てフリーランスになり、雑誌、書籍、Webの制作に携わる。主な取得資格は愛玩動物飼養管理士、防災士、いけばな草月流師範。甲斐犬のジュウザに続いてサウザーを迎え、おもしろおかしく暮らしている。