給料日、さあ、どうする?
毎月の楽しみと言えば給料日!もらったお金、あなたは堅実に貯金する派ですか?それともパーッと使い切る派でしょうか?
きっと諭吉さん(一万円札)には羽が生えているんですよ(涙)
私もお金なかったな〜
どうしたらいいか、教えてください!
そこでこの記事では、貯金に関する基礎知識や、新社会人や20代でも取り組みやすい貯金法について解説します。かなり基本的な内容ですので、「貯金なんて面倒っしょ」というそこのあなたも、ぜひ参考にしてくださいね!
厳しい現実。20代の約45%は「貯金ゼロ」
そもそも、20代の皆はどれくらい収入があるのでしょうか?
統計データによると、20代の平均年収は376.1万円(厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」平成30年)。ボーナスを考えずに12ヶ月で割ると、ひと月当たり31.3万円になります。
この収入の中から、20代はいくら貯金しているのか。知るぽると(金融広報中央委員会)「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] (平成30年)」によると、次のような結果になりました。
貯金(金融資産)が・・・
ある20代 → 54.6%
ない20代 → 45.4%
約45%の人が貯金できていない、という厳しい現実!「気づいたらお金がない」「貯金する余裕がない」という人は、予想以上に多いのが分かります。
ちなみに、30代の平均年収は574.1万円。30代で貯蓄できていない人の割合は39.7%でした。20代よりは貯蓄率が高まりますね。
次に、貯金のある人はどのくらいのお金を貯めているのかというと、一番多かったのは「100万円未満」で49.6%、次が「100万円〜200万円未満」で18.7%。約半数の人が100万円未満と、あまり多くの貯金はできていないようですね。
● 20代の金融資産保有額(金融資産保有世帯のみ)
ちなみに私の銀行時代の初任給は、大学卒で約20万円ほど。当時は実家だったので少し貯金できたものの、3年目に一人暮らしを始めたら一気に赤字になりました。
「若いうちは遊んでおけ」と先輩に言われましたが、「遊ぶ金なんかどこにもないわ!」という状況でした(笑)。
お金が増えにくいのは金利が低いから。低金利時代の日本
「銀行にお金を預けても増えない」という話を聞いたことはありませんか?これも、貯金する人が減っている一因かもしれません。
ご存知の通り、日本はここ数十年ほど「不況・不景気」と言われています。きっかけは1991年〜1993年ごろの「バブル崩壊」による経済の急速な冷え込み。それ以降、景気の低迷が長らく続いている状態です。
景気の良さを表すひとつの指標が「長期金利」。日本の長期金利は、長らく5%〜7%程度、非常に景気のよかったバブル期には、8%〜9%という高い金利で推移していました。
しかしバブル崩壊後は1~2%程度に落ち込み、最近は0%やマイナス0.75%程度という「ゼロ金利時代」が続いています。
「72の法則」というものがあります。これはお金が2倍になる期間がわかる簡単な計算式で、「72 ÷ 金利」でお金が2倍にある期間が計算できます。
例えば金利が7%のとき、お金が2倍になる期間は約10.2年です。だから好景気の時代には、銀行の定期預金を作成しておけば、勝手にお金が増えてくれたんですね。
しかし金利が1%に満たない今の時代。ただお金を預けておくだけでは、貯金はほとんど増えません。そして経済の冷え込みも長期化しているので、平均収入もなかなか大きく上がらないという状況になっています。
今日からできる! 社会人1年目からおすすめの貯金の手順
前置きが長くなってしまいましたが、具体的な貯金の手順について解説します。まずはじめに、一番大切なことを伝えます!それは……
「一刻も早く貯金をスタートすること!」
悩んだり検討したりしていてもお金は増えません。その時間があるなら、一刻も早く貯金を始めるべき!その上で、より効率的に貯金をするためには、以下の手順で進めるのがおすすめですよ。
【手順 1 】 貯金の目標額を決める
よく相談される内容に「毎月いくら貯金したらいいですか?」という質問があるのですが、「貯金すべき金額は個人によって異なるので、一概には言えません」というのが正確な回答になってしまいます。
そう、貯金の目安がほしいですよね。だから始めに取り組むことは、その目安となる貯金の目標額を自分で決めることです。決め方は2種類あります。
1つ目は、欲しいものや叶えたいことに必要な金額を洗い出す方法です。よくある例は次の通りです。
「海外旅行に行きたい!」
ヨーロッパ旅行の目安 → 20万円〜60万円程度
「結婚費用を貯めたい!」
結婚式にかかる費用の平均 → 約350万円
新婚旅行や新生活にかかる費用まで含めた金額の平均 → 約660万円
「マイホームが欲しい!」
4000万円の家を購入するための頭金(約2割)として → 約800万円
必要な金額がわかったら、その金額を何年間、もしくは何ヶ月間で貯めるかを決めます。そうすると、今から貯めるべき金額がはっきりするでしょう。
「特に欲しいものはないけれど、なんとなく貯金しといた方がいいかなって思って……。」という方におすすめの2つ目の方法は、毎月貯める金額を決めること。
「ひとまず毎月2万円貯めよう!」という決め方で結構です。大切なのは、目標を決めること。そして、早く貯金を始めることですから!
【手順 2】 毎月の固定費・流動費を見直す
貯金の目標額を定めたら、次は毎月の家計を見直しましょう。毎月なんとなくお金が消えている原因は、「何にいくら払っているのか」が分からないから。だから、使ったお金を費用ごとに書き出して、自分に何にどれくらいお金を使っているのか認識しましょう。
書き出したら、毎月定期的に出費する家賃や光熱費、スマホ代などの「固定費」と、金額が変動しやすい食費や交際費などの「流動費」に分けます。
そして、固定費→流動費の順に、削減できるところが無いかチェック!
固定費は定期的にかかるお金なので、一度削減できればこの先もずっと出費を抑えられます。だから固定費の見直しを優先しましょう。
光熱費が高いなら、電気とガスの支払いをまとめて割引を受ける、スマホ代が高いなら格安スマホに変える、などの方法がありますよ。
流動費のうち、交際費や趣味のお金を大幅に減らすと、ストレスが貯まって貯金が続かない可能性大。あまりに大きな出費でなければ、減らさなくていいと思います。
【手順 3 】 給料をもらったら、まず貯金額を差し引く
貯金しようと思っても、給料日前にお金が足りなくなって結局貯金できなかった、という人は多いかもしれません。お金って、あるとつい使っちゃうんですよね(笑)。
なので、給料をもらったら、貯金するお金を真っ先に差し引きます! そして残ったお金で生活しましょう。このルールを守れば、確実にお金を蓄えられます。
給料からお金を差し引く方法はいくつかありますので、取り組みやすい方法を採用してください。
● 貯蓄用の銀行口座を作り、給与振込口座から自動的に振込むよう設定する
● 積立型の定期預金や、積立NISAなどを始める
● 会社の財形貯蓄制度を利用する
ちなみに私は、社会人3年目に一人暮らしをしてから家計が赤字になったので、光熱費・通信費を見直し、浪費していた交遊費・服飾費を削減。
会社の財形貯蓄制度を利用して、給料とボーナスからお金を天引きし、その後の一年間で貯金を50万円作りました。水のように飲んでいたビール代と、着ないままタンスの肥やしになっていた洋服代が、見事まとまったお金に(笑)。
この貯金をさらに増やそうと思ったら、資産運用をする手もあります。初心者でも取り組みやすいのは、積立型の投資信託です。毎月少額を購入することで値動きの幅が抑えられて、じわじわとお金を増やしやすいのがメリットです。詳しくはまたご紹介しますね。
まとめ:貯金は簡単!さっそくスタートしよう
でも実行してこなかった自分がここにいる……。
もし毎月2万円の貯金でも、1年で24万円、5年で120万円とまとまった金額になるので、まずは貯金を始めてみてほしいですね。
今回は、貯金に関する基礎的な知識や貯金方法について解説しました。絶対に貯金すべきとは言いませんし、お金を使って何かに投資をすることも大切でしょう。
しかし、将来のために少しでも蓄えが欲しければ、まずは貯金をスタートすることをおすすめします。給料をもらったらまず貯金額を差し引くことが、最大のポイントです。ぜひ一度試してみてくださいね。
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
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- 第1回 – 「社会人1年目~3年目までの貯金術」キモは固定費削減
- 第2回 – 給与明細書の見方、知ってる?
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この記事を書いたひと
1985年生まれ、神奈川県出身。大学在学中にFP3級を取得し、大手信託銀行に総合職として就職、個人・法人向け営業などに従事。その後不動産会社、証券会社、ITベンチャーを経て、フリーライターとして独立。金融系記事や取材記事などを執筆中。