※記事のトップに使用している写真の撮影:猪俣慎吾
JOB STORYをご覧の皆様、こんにちは!
キャンプの世界でライターや製品企画、イベント企画など「キャンプ」を軸に様々な仕事をしている佐久間亮介(通称さくぽん)です。
僕自身、大学を卒業後、日用品メーカーの営業職として2年弱働いた後、キャンプの世界へ転身。キャンプ情報ブログの立ち上げから、ウェブ・雑誌でのライター、そして、今は自分のキャンプ場を作るために奔走している日々です。
普通のサラリーマンだった僕がキャンプの世界に入って、キャンプに関する仕事はこんなにもたくさんあって、楽しいなぁと感じることを皆さんに紹介していこうと思います。
最近、キャンプに興味を持ち始めた人も、「大好きなキャンプを仕事にできたらなぁ・・・」と夢みている方にも、キャンプを仕事にする世界ってこんなのがあるんだ!と知っていただけたら幸いです。
前編と後編の2記事構成で、前編は、「メーカー、代理店・アウトドアショップ・キャンプ場」など主に企業に勤めてキャンプに携わる形を紹介。後編は、クリエイティブな仕事、フォトグラファーやライター、編集者、イラストレーターなど、企業から発注されて自分の仕事を遂行するフリーランスの世界の話をします。
それでは、前編の「キャンパーのキャンプを支える、ショップやキャンプ場」からどうぞ!
【キャンプに関わる仕事①】キャンプに様々な道具で彩りを加えるアウトドアメーカー・代理店
キャンプ道具を製造・卸をするメーカー・代理店のお仕事。
キャンプを楽しむためには、テントや寝袋、チェアなどのキャンプ道具は必須であり、メーカーは、それらの道具を作って、知らせて、ショップへ販売するのが主な役割(卸業者を挟む場合もありますが)。
海外のブランドアイテムを取り扱う正規輸入品代理店では、輸入するアイテムの選定や受発注の管理、アフターサポートを行うこともその仕事の一つです。
ざっくりですが、メーカーさんのお仕事を「営業・広報・製品開発」の3つに分けてご紹介。会社の規模や形態によって、その役割は流動的ですが、今回は大まかに分けて、それぞれの主な仕事について紹介します。
営業
アウトドアショップのバイヤーや店主、キャンプ場への営業活動を行う仕事。
私がキャンプの仕事を始める前は、日用品メーカーで営業の仕事をしていましたが、バイヤーさんや店舗担当者とどういう売り場にして消費者の方々に楽しんでいただけるのか、を考えるのが楽しかった経験があり、それはアウトドアメーカーであっても同様で、バイヤーとの商談や店舗を回ったりもするお仕事。
会社によっては、取り扱いブランドの方向性を決定する責任者としての立ち位置になることもあるそうですよ!
広報(イベント)
自社で取り扱う製品やブランドを広報する役割を担う広報担当者。
アウトドアイベントでメーカーブースにいらっしゃるのは、広報の担当者の方が多いです。時期によっては、イベント出展のために、日本全国をあっちこっちと移動してイベントに多数出展していることもあります。もちろん出張が多い大変さはあるでしょうし、決して遊びに行くわけではありませんが、全国さまざまな場所でイベントに出展し、キャンパーさんと接するのも楽しそうだなぁとイベントで出会う広報ご担当者さんとお話をしていて感じます。
また、メディア対応も大切な仕事であり、皆さんのお手元にある雑誌やフリーペーパー、ウェブ記事で誤りがないかの校正を行う仕事も行っていたり、広告記事の制作などの取り決め、展示会の準備などを行う業務もあったりします。ブランドによっては、「名物広報ご担当者さん」がいらっしゃって、まさしくそのブランドの「顔」を担う方も。
製品開発
キャンパーのキャンプライフをより充実させるためのキャンプ道具を開発する、製品開発の仕事。
テント、タープ、寝袋、焚き火台、バーナーなどなど、メーカーさんそれぞれの強みをいかした道具作りは、イチキャンパーからの目線でいえば毎年の大きな楽しみの一つでもあり、仕事としてプロダクトデザインができるキャンパーからすれば、憧れのお仕事でもあるかもしれません。
また、近年のキャンプの盛り上がりとともに非常に増えたのが、ガレージブランド。インスタグラムやウェブショップを中心に販売するようなガレージブランドもあったりと、その盛り上がりはまだまだ続きそう。あっと驚くようなギアもあれば、「そうそう!それが欲しかった!」とうなるようなギアの開発まで、新しいギアは、キャンプの楽しみを広げてくれますよね。
【キャンプに関わる仕事②】キャンプ道具に悩むキャンパーに直接アドバイスを!アウトドアショップ
※画像協力:sotosotodays
キャンパーの皆さんがキャンプをするために必ず揃えるキャンプ道具を取り扱うアウトドアショップ。
全国に複数店舗を展開しているところもあれば、個人や少人数で経営されている店舗など、その形態はさまざまです。ショップのお仕事といえば、キャンプ道具を買い求めるキャンパーさんの疑問にお答えする接客から、テントの設営講習などのイベントを担当する方もいらっしゃいます。後述するキャンプ場の仕事と同様に、キャンパーさんと直に接する仕事です。
ご自身の経験から、キャンパーさんに合ったキャンプ道具は何か?を考え、提案する様子は、まるでキャンプコンシェルジュのよう。ギア好きにはたまらない職業かもしれませんね。
また、ショップ関連でいうとバイヤーという職業もあります。メーカーさんが発売するギアの中から、何を店舗に置くのかを判断。熟練の目利きが必要なのですぐにはなれないでしょうが、自分の目で選んだギアをキャンパーさんに購入いただくのは、言葉にできない喜びがあるだろうなぁと想像します。
リユースショップ
近年のキャンプブームとともに、キャンプ道具の中古市場も活性化しつつあります。
リユースショップは、キャンパーからすれば、使わなくなったギアを中古買取りしてもらうことで、新しいギアの購入資金に。これからキャンプを始めようとする人からすれば、中古で購入することで初期費用を安く済ませることができます。
リユースショップの仕事は、そんなキャンプ道具の循環を回していく仕事。処分するのではなく、不用になったキャンパーからそれを必要としているキャンパーへとつなぐ役割。
また、キャンプ道具には、古き良きものにプレミア感がつく「ヴィンテージ」の世界が存在します。
軍払い下げの品物や、50年以上も前に製造されたバーナーやランタンなどの買取販売があるのもリユースショップの面白いところ。もし、ヴィンテージ好きな人がリユースショップで働くことになったら、新品を取り扱うアウトドアショップでは出会うことのないアイテムにたくさん触れられるかもしれませんね。
※ちなみにこちらのサイトを運営するリユースショップのトレファクさんでは、ただいま中途スタッフも募集中です。詳しくはこちら
【キャンプに関わる仕事③】キャンプをフィールドから支える縁の下の力持ち
キャンプ場
キャンプギアをたくさん持っていても、フィールドがないとキャンプが楽しめませんよね?
キャンプ場は、キャンパーさんがキャンプを楽しむためのフィールドを提供するお仕事。草刈りや落ち葉の処理などの場内整備の他、焚き火で使う薪の準備、受付・予約管理、炊事場・トイレの清掃、イベント開催など、実は、キャンプ場の仕事は、多岐にわたります。
アウトドアショップの店員さんも直接キャンパーさんと触れ合う機会の多い仕事ですが、キャンプ場のスタッフは、まさしくフィールドで直接キャンパーと接する仕事。時には、テントやタープのポールが折れるなどのトラブルの応急処置をするなんてことも。
また、キャンプ場には、ちびっこキャンパーもたくさん来場。
イベントなどを通して、子どもと接するタイミングが多いため、お子さん好きな方にも向いている職業かもしれません。 私も度々、繁忙期にスポットでキャンプ場でアルバイトをすることがあるのですが、キャンパーさんがチェックアウトの際に「キャンプ最高ですね。楽しかったです!また来ます!」とにこやかな顔でお帰りになられる姿をみると心がほっこりしました。そんなお仕事です。
まとめ
というわけで、今回は、キャンプ業界の屋台骨である「メーカー、代理店・アウトドアショップ・キャンプ場」の仕事について紹介しました。
人と接することが好きな方は、メーカーや代理店の営業、ショップスタッフ、広報などが向いているかもしれません。プロダクトデザインが得意な方は、製品開発を。体を動かして、自然の中で働きたい!という方は、キャンプ場のお仕事が合っているかもしれませんね。ぜひ、ご興味がある方は、アウトドア企業の求人があるかどうかをチェックしてみてください!
さて、次回の後編では、キャンプを伝えるクリエイティブなお仕事について紹介していきます。フォトグラファーやライター、編集、イラストレーターなどなど、クリエイティブな仕事も、キャンプと関わりがあるのです。お楽しみに!
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
佐久間亮介さん連載記事
さくぽんが思うキャンプの仕事の現在形
この記事を書いたひと
「キャンプ」を軸に、ライター、モデル、イベント企画などを行うフリーランス。通称さくぽん。2020年秋には、テンマクデザインより自身がデザインに関わった「ガレージテント」を発売予定。