就職活動を始めてさまざまな企業の研究をしていると、その業界特有の専門用語に当たることも多いでしょう。

流通業界や小売業界、アパレル業界などについて調べたときにまず出てくる難しい言葉が「マーチャンダイジング」です。

この言葉にはどのような意味があるのでしょうか。また「マーケティング」とは何が違うのでしょうか。マーチャンダイジングを知ると、流通・小売業界の企業研究をより深く行うことができますし、将来の選択肢の幅も広がりますよ!

マーチャンダイジングの意味

マーチャンダイジングの意味

マーチャンダイジング(Merchandising、MD)とは、流通・小売業界において販売目標を達成するために、商品の仕入れや価格設定、販売の方法、お店での陳列方法、販促方法などを計画して実行すること。

特に小売店舗でのマーチャンダイジングのことを「インストア・マーチャンダイジング」と言います。

かんたんに言うと、お客様が求めるような商品を見つけて、ちょうど良い価格を設定し 、お客様が購入しやすいような陳列や宣伝をして販売することですね。

例えば、セレクトショップでTシャツを販売するとします。まず、どんなTシャツを仕入れたらお客様に喜んでもらえるでしょうか? 今年流行りのビッグシルエットか、いつでも着られるベーシックなデザインか。カラーやサイズ展開はどこまで揃えようか、考えを巡らせます。

例えば、セレクトショップでTシャツを販売するとします

仕入れたTシャツのイメージが決まったら、それをどの卸売業者から仕入れるか、仕入れルートを確認します。そして仕入れる量と価格、販売価格を決定し、
お店でどうやって陳列するか考えて、実際に納品・陳列・販売します。店舗に入荷した際には店頭のマネキンに着せたり、特別にポップを書いたりして、お客様の目に留まるようにしましょう。

このように、マーチャンダイジングはお店で売る商品について、きちんと計画を立てて販売するスキルです。マーチャンダイジングを学んでおけば、お店でどのようなポジションに配置されても、しっかり役割をこなせるでしょう。

マーチャンダイジングの種類

マーチャンダイジングには、いくつか種類がありますので紹介しておきましょう。

ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)

ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)

店頭での陳列方法や演出方法を工夫して、商品やサービスがお客様に魅力的に見えるように、視覚的に訴える方法です。ビジュアルマーチャンダイジングに力を入れると、商品が見やすく、手に取りやすい売り場作りにつながります。特にファッション業界では、徹底的にこだわりたい分野でしょう。

ウェザーマーチャンダイジング

ウェザーマーチャンダイジング

ウェザーマーチャンダイジングとは、天候や気候などの気象条件によるお客様の行動を売り場作りに生かす方法です。

例えば、アイスクリームを販売しようと思ったとき、寒い冬よりは暑い夏の方が
販売数が上がりますよね。しかも今年は5月からすでに夏のような暑さが続く見込み。だったら、例年よりも早くアイスクリームの販売を開始しよう! などと、天候によって左右される客足を事前に予測して、販売する商品や時期を決めることができるんです。

前年の売上データと天候を連動させて把握しておけば、次年度の店舗経営にも生かせますよ。

スクランブルドマーチャンダイジング

スクランブルドマーチャンダイジング

あえて商品の種類にこだわらず、さまざまなジャンル・種類の商品やサービスを
同じ店舗で販売する方法です。
ドラッグストアでドリンクや食品を販売したり、食品スーパーで書籍や生花を販売したりするのが、その一例ですね。

スクランブルドマーチャンダイジングのメリットは、お客様のあらゆるニーズをカバーできること。お客様にとっても、複数のお店をはしごして買い物をする手間が省けるので、とても便利でしょう。一方で、多種多様の商品を管理するコストがかかる、専門店としてのブランド力が薄れるなどのデメリットもあります。

マーチャンダイジングで重要な考え方 「5つの適正」

マーチャンダイジングで重要な考え方 「5つの適正」

マーチャンダイジングにおいて重要な考え方が「5つの適正」です。

以下5つの要素をしっかりと考察して計画することで、マーチャンダイジングを上手に機能させられますよ。

適正な商品:お客様のニーズを満たす商品やサービスはどのようなものか。

適正な場所:商品やサービスをどこから仕入れるか。どの店舗の店頭に並べるか。店頭にどうやって陳列するか。

適正な時期:いつ仕入れて、いつ販売するか。

適正な数量:どれだけ仕入れて、どれくらいの量で販売するか。在庫をどれくらい持つか。

適正な価格:どんな価格で仕入れて、いくらで販売するか。将来的に値引きをするなら、どこまで割り引くか。

5つの適正を考えるのは、今までは本社にいる商品企画や販売企画スタッフが
担当することが多かったです。しかし最近では、現場に近い販売スタッフが
マーチャンダイジングを理解し、魅力的な店舗づくりにつなげている事例も増えているそう。スタッフもこの知識があれば、より店舗運営を円滑に行うことができますよ。

マーチャンダイジングを店舗運営に生かす3つのメリット

マーチャンダイジングを店舗運営に生かす3つのメリット

マーチャンダイジングを店舗の運営や経営に生かすメリットは、主に3つあります。このメリットを知った上で売り場作りをすれば、より魅力的な店舗運営ができるようになりますよ。

①お客様のニーズに応えた商品を販売、売上を拡大できる

適正な商品やサービスは何か、徹底的に考えることで、よりお客様のニーズに応える商品やサービスを仕入れることが可能になります。もしそういった商品がない場合は、自社開発することも考えられますね。

仕入れた商品を適切な陳列方法で並べて、適正な価格で販売すれば、多くのお客様にその商品を手に取ってもらえます。商品が予定通りに売れれば、利益もしっかりと上がるでしょう。中にはベストセラー化する商品もあるかもしれませんよ。

②仕入れや売り場設計にかかるコストを削減可能

お客様のニーズに応えるような商品だったとしても、お店が赤字になってしまっては元も子もありません。適正な価格で仕入れて販売することで、売上アップや赤字削減につながります。

また商品を計画的に仕入れることで、その商品に適した売り場設計ができます。
什器や陳列場所、人件費などの無駄を防ぎ、全体的なコストを削減できる効果も見込めるでしょう。

③成功事例を今後に生かすことができる

マーチャンダイジングを計画的に活用することで、成功事例に「再現性」を持たせられるようになります。よって、そのケースが成功した場合には、別の商品やサービス、別の店舗にも応用することが可能になり、継続的に売上をアップさせていくことが可能になりますよ。

マーチャンダイジングとマーケティングの違い

マーチャンダイジングとマーケティングの違い

マーチャンダイジングと似ているものが、マーケティングです。このふたつはどのような違いがあるのでしょうか。 また、マーケティングで大切な考え方のひとつに「4つのP」があります。

マーチャンダイジングと似ているものが、マーケティングです。このふたつはどのような違いがあるのでしょうか。

マーケティングとは、商品やサービスをより多く販売するために、市場調査、製造、販売、宣伝などの全行程に対する戦略を計画すること。このマーケティングを小売業・流通業向けに特化させたものが、マーチャンダイジングです。だから良く似ているんですね。

なにかを販売するときに無計画で成功するのは難しいため、企業はまずマーケティングに力をいれます。同じように、もし何かを小売店で販売するときには、マーチャンダイジングに取り組んで戦略を練るのが大切なのです。

マーケティングで大切な「4つのP」

マーケティングで大切な「4つのP」

マーケティングで大切な考え方のひとつに「4つのP」があります。内容的には5つの概念と同じようなものですが、捉え方が若干異なりますので、こちらも覚えておくと便利ですよ。

  • 製品(Product):どのような商品やサービスをお客様が求めているか。商品の内容や品質、ブランドイメージ、パッケージデザイン、アフターサービスなどを検討します。
  • 流通(Place):どのような方法で商品やサービスを市場に展開するか。販売チャネル(店頭、ネット販売など)、仕入れ方法、ラインナップ、輸送方法などを考えます。
  • 価格(Price):いくらで販売すれば、利益を拡大できるのか。定価や割引額などを検討します。
  • プロモーション(Promotion):どのような方法で商品やサービスを宣伝し、認知度を上げるか。その商品・サービスに対してどんなイメージをつけるか。広報・宣伝活動、販促活動などを計画します。

マーチャンダイジングは小売業界でマスト!ぜひ知っておこう

一般企業がマーケティングに力を入れるのと同様に、マーチャンダイジングは流通・小売業に関わるならまず知っておきたい戦略・計画方法です。しっかりと計画を立てて販売に取り組むことで、成功事例を再現することも可能ですね。

こういった知識を持っておけば、本社の企画部やマーケティング部で業務に生かせるほか、現場でも魅力的な売り場作りに活用できます。将来転職する際にもアピールできる知識・スキルなので、ぜひ押さえておきましょう!



※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。


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