最近では、就職活動前や就職活動中に、インターンシップを経験する大学生が増えています。この記事では、インターンシップにどんなメリットがあるのか、どうすれば参加できるのかなど、基礎知識について解説していきます。
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インターンシップとは【メリット紹介の前に基本をおさらい】
「インターンシップ」とは、主に企業が機会を提供する就労体験の制度のことです。
文部科学省はインターンシップについて、次のように述べています。
大学等におけるインターンシップ(以下、「インターンシップ」という。)とは、一般的には、 学生が企業等において実習・研修的な就業体験をする制度のことである
文部科学省「インターンシップの推進に当たっての基本的な考え方」
(中略)
我が国においては、インターンシップについては、「学生が在学中に自らの専攻、将来のキャリアに関連した就業体験を行うこと」として幅広くとらえられている。
基本1:年々増加するインターンシップへの参加率
2019年に実施されたさまざまな調査を見ると、最近の大学生のおよそ8割、多い調査結果ではおよそ9割以上が、インターンシップへ参加経験があると答えています。
また、一人あたり平均4社程度インターンシップへ参加しているという調査結果も出ています。この傾向は今後も変わらず、インターンシップへの参加率は今後も増加していく傾向にあるといえそうです。
基本2:1年生もOK? インターンシップはいつから参加できる?
インターンシップに参加する時期ですが、学校の長期休暇と重なる夏・冬に実施される傾向があります。学生は、大学3年次の夏にインターンシップに参加することが多いようです。
最近は参加時期の多様化も進んでいて、1年生・2年生の学生を対象に、長期のインターンシップ制度を設けている企業もスタートアップなどを中心に増えています。
基本3:インターンシップの期間や方式はさまざま
インターンシップとひとくちに言っても、1dayや長期といった期間の違いや、セミナー型やプロジェクト型、就業型など、方式にもさまざまな違いがあります。
【メリット紹介】インターンシップはなぜおすすめ?
学生メリット1:就職活動でのアピールポイントの1つに
インターンシップを経験すると、就職に有利となる側面があります。積極的に就職活動をしている」など、アピールポイントになるのです。
例えば、ファッション業界のインターンシップを多々経験している学生がいたとしましょう。面接官は「私はファッション業界に興味がある」という意思を、インターンシップの経験数から計り知ることができます。志望動機の裏付けにもなるのです。
企業によっては、採用試験の一環として、インターンシップを募集するケースがあります。学生の頃から仕事になれさせることにより、優秀な人材を育てたり、即戦力となる人材を得たりすることができるからです。インターンシップに参加することが、採用試験の参加条件としている企業もあります。
学生メリット2:企業や業界について深く知ることができる
インターンシップでは、会社説明や工場見学、実際の仕事体験などが行われます。学生はその経験を通して、その企業や業界についての知識が得られるでしょう。また、食品メーカーのインターンシップを複数社経験すれば、業界を独自の視点で俯瞰することもできるかもしれません。
学生メリット3:ミスマッチを防げる
インターンシップでは、実際に働いている社員の方に会ったり、オフィスや工場を見学したり、業務を経験することができます。この経験は、インターンシップでしか得られない“生の情報”です。
憧れの企業でも、社員の雰囲気が合わないということは有りえます。それに気づくには、実際にその会社の中に入ってみるしかありません。
インターンシップへ参加することで入社後のイメージがしやすくなり、「こんなはずじゃなかった……」というミスマッチを減らすことができる――。どんなに情報を得ていても“百考は一行にしかず”です。
学生メリット4:業務経験から自分の適性に気づくことができる
実際の業務を経験してみて初めて、「自分には向いていない」と気づくことがあります。一方で、いままで考えもしなかった仕事が、「自分に向いている」と気づくこともあります。
インターンシップで実際の現場を見たり、業務を経験したりすると、自分の適性に気づくことは少なくありません。自分と向き合い、将来のキャリアを真剣に考えるためにも、インターンシップは役立ちます。
学生メリット5:就業型ならお金を稼ぐこともできる
インターンシップは、その多くが無給で参加します。交通費程度は支給があっても、有給となることはありません。しかし就業型インターンシップなら、給与が支給されます。
“お金をもらって働く”という責任を感じることができるのは、就業型インターンシップならでは。実際に多額のお金を使ってプロジェクトを動かすこともあり、緊張感を感じながら事業に取り組む、貴重な体験ができるでしょう。
また、生活費等を自分で稼ぎながら大学に通っている学生にとっては、就業型インターンシップはお金も稼げて、将来に役立つ経験もでき、一石二鳥です。
インターンシップに参加するデメリットとは?
メリットばかりを述べてきましたが、デメリットはあるのでしょうか。
すべてを理解できるわけではない
いくら会社説明を受けても、また職場見学などをしても、その会社のすべてを理解できるわけではありません。
実際、インターンシップをしていた会社に就職した人の話では、「インターン中にわかったことはほんの一部だった」と述べている人もいるくらいです。見たもの、聞いたものをその会社の全てだと思うのは「過信」だと心得ておきましょう。
企業がインターンシップを行なうメリットとは?
さて、インターンシップを行うことは、企業側にもメリットがあります。
企業メリット1:人材育成のため
学生のうちから業務に慣れておいてもらうことで、即戦力として活躍してもらうことができます。
入社後から人材育成を始めるよりも、より早く、一人前になって働くことが可能になります。
即戦力として活躍してもらうことができます。
入社後から人材育成を始めるよりも、より早く、一人前になって働くことが可能になります。社会人になると、対人マナーや業務の流れなど、まずは研修をしなければなりません。しかし、学生のうちにスキルを身につけておけば、入社直後からコアな業務研修などに着手できるのです。
企業メリット2:若手社員の離職防止策
人事や採用担当者を悩ませているのが、若手社員の離職です。例えば、厚生労働省の発表によると、2017年度に就職した人のうち、1年以内離職した人の割合は約12%にものぼります。3年以内の離職率になると、約32%――。3年目の社員の約1/3が離職してしまうのです。
なぜ離職してしまうのかの理由に「仕事や労働環境のミスマッチ」や「人間関係」を挙げています。ということは、事前にこれらのミスマッチやトラブルを回避できれば、離職を防げるということです。
インターンシップは、学生に実際の職場を見てもらい、社員と交流する機会となります。入社後をイメージしやすくなるため、ミスマッチを防いで離職を防止することができるのです。
企業メリット3:優秀な人材の発掘、確保
企業側が採用活動をスタートさせるのは各社一斉となっていますが、インターンシップは採用活動ではないため、大学1年生からでも企業と学生が出会うことができます。つまり、企業側にとっては、早く優秀な人材に出会うことができるというメリットがあります。
インターンシップ先の選び方 大手企業と中小企業、どっちがいい?
目指している業界があるなら、まずはその業界でのインターンシップを探してみましょう。また、これまで興味を持つことのなかった業界を、あえて選ぶのもおすすめです。
気になっている業界から選ぶ
目指している業界があるなら、まずはその業界でのインターンシップを探してみましょう。
また、これまで興味を持つことのなかった業界を、あえて選ぶのもおすすめです。まだ見ぬ面白い業界の存在に、気づくかもしれません。業界の雰囲気を知るだけなら、1dayインターンシップからでも得るものがあるでしょう。
憧れの職種を経験してみる
「マーケターになりたい」「マネージャーになりたい」「エンジニアとして働きたい」など、憧れの職種があるなら、まず、体験してみましょう。
企業によっては、「最強の営業になろう!」など、テーマ性のあるプログラムを用意しているケースがあります。なりたい自分を想像してみて選んでもいいでしょう。目指す職業に必要やスキルが学べるインターンシップを選択してもいいですね。
会社の規模で選ぶ
組織が大きければ大きいほど上司に了承を得なければならず「裁量の幅が狭い」と感じることがあります。一方で、少数精鋭の企業では自分に任される仕事が多く「裁量の幅が広い」と感じるでしょう。
このように会社の規模によって、業務内容や労働環境は変わってきます。
また、全国展開している企業と、限られた地域だけに展開する企業でも、会社の雰囲気に違いが出てきます。インターンシップ選びでは、会社の規模を基準にして選んでみてもいいでしょう。
自信をつけたい内容で選ぶ
就職活動に向けて、自分に自信をつけておきた大学生も多いことでしょう。インターンシップは、自分に自信をつけるいい機会です。
「業界についても勉強が足りない」と思えば、1dayインターンシップに何社か参加して、業界について学ぶといいでしょう。例えば「JAVAのスキルが足りない」と思えば、エンジニアの仕事が経験できる長期インターンシップがおすすめです。
このように、自分の自信になる内容のインターンシップを選ぶようにしましょう。
インターンシップへの参加方法
インターンシップへ参加する際は、申込みが必要です。多くの場合、エントリーシートの提出が必要になるため、事前にきちんと準備をしておくと安心です。
Webテストや面接がある場合は、それぞれ対策をしておくと安心です。
Webテストの対策は、SPIやTG-Web、CAB、玉手箱、GABなどからの出題が多い傾向にあります。インターンシップ選考情報をネットで検索したり、OB・OGから情報を得たりしながら、対策を取ってください。
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