インテリアが好きだから、それに関わる仕事がしたい!
そう思って調べてみると、世の中には「インテリア」と名のつく仕事だけでもたくさんあることがわかります。
インテリアコーディネーターとインテリアデザイナー、いったいその違いは何なの? どんな資格が必要?
と、実態はベールに包まれていますよね。
今回は、そんなインテリアに関連する人気の職種をJOB STORY編集部が独自調査でランキングにしました!
その役割や内容、とっておくとよい資格の情報、合格率にも触れているので、気になる職種をチェックしてみましょう。
[インテリア関係の仕事 1位]
インテリアコーディネーター
最も人気のある仕事は、住居や店舗などの内装をどのようなデザインにするのかを決める、インテリアコーディネーターという仕事。
同じ空間でも、床材や壁紙、照明、カーテンの色から家具まで、選ぶ素材や色によって雰囲気が全く変わります。全体の統一感や色や素材が与える印象などを考えながら、空間づくりをします。
店舗の場合は、来店する客層に合わせて空間デザインして、ブランドのイメージを崩さないように世界観を考えながら店内を演出する、まさにお店のブランディングに関わる重要な仕事です。
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インテリアコーディネーターの資格
仕事をする上で必須ではありませんが、「インテリアコーディネーター」という民間資格があります。
合格率は約22〜24%ほどで、4人に1人しか合格できないという狭き門!
一次試験は制限時間が160分のマークシート択一式の問題。インテリアコーディネーターの誕生や、その歴史、仕事をする上で必要になる知識など9つの分野から出題されます。
二次試験は、論文とプレゼンテーションです。論文は、設問に対してどのようなインテリア計画を立てるかを記述するもので、プレゼンテーションは図面作成や着彩など、現場に出たときに必要な専門的スキルが問われるので、きちんとした試験対策が必須です。
[インテリア関係の仕事 2位]
インテリアデザイナー
インテリアコーディネーターと混同されがちなのが、インテリアデザイナーの仕事。両者の違いは、インテリアコーディネーターのように壁紙や照明などによる空間演出の他に、設計に関する知識も求められる点です。
実際、建築家の方が設計のときに使うようなCAD(キャド)というソフトを使って設計図を描くこともあります。
企画の段階から入り、設計士の方と一緒にコンセプトから具体的に決めていきます。住居や店舗ばかりではなく、ホテルが学校、美術館、オフィスといった大型施設の空間づくりにも関わることができる、とてもやりがいのある仕事と言えます。
実際の業務では、建築士が作成した図面や設計図を見ながら、構造的に可能な空間演出を考えていきます。
内装ばかりでなく、場の空気感を左右する音の演出や空間全体の色使い、室内温度といった人の感性に働きかける部分の設計も担うので、技術的なことだけではなく、その人の美的センスや色彩感覚なども問われます。
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インテリアデザイナーの資格
必須な資格ではありませんが、「インテリアデザイナー」という民間資格があります。
合格率は約30%とそれほど高くはありません。
試験内容は、家具や照明といったインテリアに関わる商品知識や、デザインに関する知識、販売技術など幅広い知識が問われます。
試験は在宅受験で、受験料を支払ってから、送られてきた試験問題を自宅で回答して送付する仕組みです。
インテリアデザイナーの中には、自らパースや模型、CAD(キャド)でCG画像などを作成してプレゼンする人もいるため、VectorworksやAutoCADの扱い方は、資格が必要なくてもスキルとして一通り学んでおくと良いでしょう。
[インテリア関係の仕事 3位]
インテリアプランナー
続いて人気の仕事は、住居や店舗、オフィスなどのインテリアの設計に関わるインテリアプランナーです。
先ほど紹介したインテリアコーディネーターやインテリアデザイナーが内装のデザイン寄りの仕事なのに対して、インテリアプランナーは、建物全体の企画や設計、コスト管理から工程管理までマネジメントを含む業務内容になるため、建築士に近い職務内容となります。
専門的な建築の知識が必要となるため、建築士の資格をもつインテリアプランナーも多く、その二つをもつ人は空間演出から設計まで手掛けられるため、現場でも重宝されます。
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インテリアプランナーの資格
必須な資格ではありませんが、「インテリアプランナー」という民間資格があります。
年齢制限もないため誰でも受験ができますが、5年以内に一次試験と二次試験の両方に合格する必要があります。
一次の学科試験の合格率は約80%と若干高めでも、二次試験の設計製図試験になるとぐっと難易度が上がり、合格率は約25%前後!
合格者は、すでに建築関連の企業で働いている人がほとんどで、実務レベルでの専門性が要求されます。
一方、一級、二級、木造などの「建築士」資格を保有する人は、一次の学科試験が免除に。
インテリア関連の専門学校や大学の建築学科などで専門知識を身につけた上で、資格取得を目指すのが合格への近道です。
二級建築士・木造建築士の資格
国家資格の「建築士」は必須ではないものの、提案の幅を広げるだけでなく、仕事上で信頼性を高める役割も果たします。
資格をとる以前に、試験を受ける条件として専門の学校を卒業し、数年間の実務経験が必要になります。
具体的には、「土木科」のある高校、もしくは専門学校、短大、大学を卒業し、条件で実務経験を積むことが資格試験を受ける条件です。
もしくは、「建築学科」のある学校を卒業すると実務経験は免除になるので、資格取得を目指すならば建築学科のある学校に進学するのが近道です。(※学校に高校は含まず)
「二級建築士」の学科試験の合格率は約30%、製図試験で約50%、総合で約20%。
「木造建築士」は、学科試験の合格率は約60%、製図試験の合格率は約35%。
学科試験のほかに製図試験がありますが、学校に進学せずに独学で資格を取得したい場合は、なんと7年以上もの実務経験が必要になります。
さらに「一級建築士」となると難易度があがり、合格率は総合で約10%前後です。経験を積むために、建築設計事務所や建設会社などで働きながら受験する必要があります。
[インテリア関係の仕事 4位]
家具・雑貨店バイヤー
こちらもよく知られている人気の仕事。家具や雑貨などを扱うインテリアショップの品物を買い付ける仕事が、バイヤーです。ショップでどのような商品を扱うかを、トレンドをリサーチしながら厳選します。
実際に家具メーカーのショールームや、年に数回行われる、メーカーのブースが集まる展示会に足を運び新作をチェックするなど、強い好奇心やバイタリティー、フットワークの軽さが必要。
人気ショップになると、直接メーカーとやり取りしてオリジナルの商品を一緒に企画したり、海外に買い付けに行ったりするなど、仕事の幅も広がります。
生活の中で常にアンテナを張り巡らせておくことが必要になるので、家具や雑貨が心から好きな人に向く職業と言えるでしょう。
国内、海外問わず多くの商品知識が必要となるので、本や雑誌、インターネットでリサーチするなどして市場のニーズを知り、店舗でお客様から発せられた生の声も含めて情報を集め、買い付けのときに生かすことが大切です。
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販売士の資格
流通に関わる仕事なため、商工会議所が実施する「販売士」の資格をとると役立ちます。
商品知識や接客技術を体系的に学ぶだけでなく、マーチャンダイジングの基礎も必要です。
全部で1級から3級まであり、下記のような目的で設定されています。
●3級:接客や売り場づくりに関わる販売員としての基礎知識
●2級:販売促進の企画や実行をする店舗のマネジメント職に関わる人向け(管理職や幹部向け)
●1級:商品計画やマーケティング、経営計画や財務予測などの、企業経営に関わる人向けの内容で、経営企画
などに関わる高度な知識が必要。
将来的に自分のお店を持ちたいなどがあれば、1級まで目指すといいでしょう。
いずれもハンドブックによる独学か、指定の通信教育講座を受講することで学ぶことができます。
また、海外の買い付けに備えてTOEICなど英語力を身つけておくのもおすすめです。
ただ、ショップの店員からマネージャー職を経てバイヤーとなる人が多く、人気職種なだけに狭き門です。
[インテリア関係の仕事 5位]
家具店ショップスタッフ
家具や雑貨を扱うショップで、販売をするお仕事です。商品のもつ魅力を、接客を通してお客様に伝えることが主な仕事です。
なかにはショップのディスプレイを行う場合もあり、店内ディスプレイの自由度はショップによって違います。
販売現場で仕入れたお客様の声は、ショップスタッフしか知りえない貴重な情報なので、バイヤーや企画部、経営者などに伝えていくと、市場のニーズに合った魅力的な商品を仕入れることに繋がります。
実際、ショップスタッフの中も声をマーケティングに生かしているお店も多いので、ただ、売るということに終始せず、お客様の生活シーンまでを想像してニーズを汲み取り、何があれば喜ばれるかを考えて紹介できるようになるのがベストです。
家具や雑貨が好きなことに加えて、人と接すること、話すことが好きな人に向いている職業です。
なかには先ほど紹介したバイヤーの登竜門としてショップスタッフから従事する人もいるようですよ。
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販売士の資格
販売員として頭一つ突き抜けた接客を目指すのであれば、先ほど紹介した「販売士」の資格の3級を目指すとよいでしょう。
「販売士3級」には、接客や売り場づくりに関わる販売員としての基礎知識が必要です。
いずれもハンドブックによる独学か、指定の通信教育講座を受講することで学ぶことができます。
[インテリア関係の仕事 6位]
アンティーク・リサイクル店ショップスタッフ
誰かの手に渡った家具を、また別の誰かの手に届ける仕事です。持ち込まれた家具の価値を評価して、壊れているところはメンテナンスをしてから店頭に並べます。
有名メーカーの家具など、商品の価値をきちんと判断して値付けするためには、きちんとした審美眼が必要です。
なかにはインテリアだけでなくヴィンテージのおもちゃや食器といった雑貨を取り扱う総合的な大型ショップもあり、ヴィンテージものに広く関わりたい人にはおすすめ。
また、ヴィンテージや中古家具は、商品として店頭に並べる前にメンテナンスをする場合があります。ニスを塗ったり、開きにくくなった部分をヤスリで削ったりといった修復技術が求められます。
古い物の場合、それが作られた年代なども把握して、現在では市場に出回らない希少価値が高い物が仕入れられてくることもあるため、アンティークならではの良さをお客様に伝えていくことが大切です。
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リユース営業士の資格
民間資格に「リユース検定」という検定があり、合格者には「リユース営業士」の資格が与えられます。
「リユースハンドブック」の内容を元にした検定試験を実施し、古物営業法に関わる、リユースショップの営業に必要な知識が求められます。
家具製作技術士の資格
必須ではありませんが、国家資格で「家具製作技術士」という資格があります。
家具の製作に必要な技能があることを証明するもので、受験資格として2級が2年以上、1級は7年以上の実務経験が必要です。
学科試験と実技試験がありますが、学科試験については、都道府県職業能力開発協会のホームページで前年度の問題を公開しているので、チェックしておくと傾向がつかめます。
※ちなみにこちらのサイトを運営するトレジャー・ファクトリーでは、リユースショップを運営しています。ただいま中途スタッフも募集中。デザイナーズ家具だけでなく、コアなファンを持つヴィンテージ雑貨なども幅広く取り扱っています。詳しくはこちら
キャリアアップを目指して資格を取得!
インテリアに関わる職種には、専門職に近いものから、お客側として接する機会の多い販売員といった身近な仕事まで、幅広く可能性のある業界だと言えそうです。
ある領域を極めたら、さらなるキャリアアップを目指して資格を取得し、キャリアチェンジをするのもよいでしょう。
インテリアに携わる魅力的な仕事を探す、参考にしてみてくださいね。
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
この記事を書いたひと
「仕事の数だけ物語がある」をテーマに、JOB STORYの編集部がさまざまな視点で記事をお届けいたします。