- ファッション関係の仕事、集まれ~!
- #1トレンドを生み出す<ファッションデザイナー>仕事内容&なるには
- #21mm単位で光る職人技<パタンナー>仕事内容&なるには
- #3先見の明で“売れる”を探す<バイヤー>仕事内容&なるには
- #4アイデアが会社の売上に直結<商品企画>仕事内容&なるには
- #5頭脳派が集結<マーケティング・MD>仕事内容&なるには
- #6売場の印象はあなた次第<VMD>仕事内容&なるには
- #7ファッションセンスが生きる<アパレル販売員>仕事内容&なるには
- #8“オシャレ”を本当に楽しめる<古着屋スタッフ>仕事内容&なるには
- #9接客が苦手でもOK<ECサイト運営>仕事内容&なるには
- #10ファッション業界の花形<広報(プレス)>仕事内容&なるには
- #11アイテムの魅力を切り取る<ファッション専門カメラマン>仕事内容&なるには
- #12好きを仕事に♡<インフルエンサー>仕事内容&なるには
- #13服の魅力を被写体となって発信<モデル>仕事内容&なるには
- #14センスで人の魅力を引き出す<スタイリスト>仕事内容&なるには
- #15誌面とコトバでトレンドを作る<編集者・ライター>仕事内容&なるには
- まとめ
ファッション関係の仕事、集まれ~!
とっても広いファッション業界。
今回はファッション(洋服、服飾、アパレル)に関する15種類の職業をドドーンと紹介します!
今まで知らなかったけれど、あんな仕事やこんな仕事もファッションに繋がっているんだ。なんて新発見があるかも?!
早速見ていきましょう。
※以下、個人の感想・意見も含まれます。ご了承くださいませ。
#1
トレンドを生み出す
<ファッションデザイナー>
仕事内容&なるには
クリエイティブ度
★★★★★
欲しい服を見つけたとき、
買う方が良いか、
自分で作る方が良いかで
購入を判断しちゃう度
★★★★★
ファッション業界の中で特に“憧れの職種”と言われることの多い、ファッションデザイナー。
服をデザインする人もいれば、生地をデザインするテキスタイルデザイナーもいます。さらに働き方もさまざまで、企業に所属して大量生産できるアイテムのデザインを手掛ける企業内デザイナーと、自社ブランドにてオーダーメイドアイテムのデザインを行うオートクチュールデザイナーに分けられます。
テキスタイルデザイナー
テキスタイルデザイナーはクライアントの要望をくみ取りながら、どういった糸や繊維を使うのか、染色や縫製はどうするのかなどを提案していく仕事です。場合によっては既成の糸や繊維ではなく、オリジナルの素材を必要とすることもあります。
そのためデザイナーとはいえ、色彩やデザインの知識だけでなく、素材に関する豊富な知識や染色技術と知識、デザインを形にするグラフィックソフトの操作スキルなど、幅広いスキルが必要です。さすがに独学では難しいため、基本的には専門学校や大学・短大などで学んでから就職します。
自分の作った生地が世の中に出回っているときが何よりのやりがい! 大好きな芸能人がテレビに出ているとき、もしもあなたがデザインした生地の服を着ていたらと思うとワクワクしてきませんか?
企業内デザイナー
アパレルメーカーや服飾ブランドなどに就職し、大量生産を前提としたファッションアイテムのデザインを行います。自社ブランドの特性を生かしつつ、デザイナーならではのファッションセンスを取り入れて最先端のトレンドアイテムを発信する、ファッション好きにとっては花形とも言える職業です。
多くのデザイナーが服飾系の専門学校や大学を卒業後、企業内デザイナーからスタート。そのまま企業内デザイナーとしてキャリアを積んでいく人もいれば、オートクチュールデザイナーやフリーランスのデザイナーなどの違うキャリアを選ぶ人もいます。
気になる仕事内容ですが、デザイナーとはいえデザインだけが仕事ではありません。トレンドを発信するためにはまず何がトレンドになるのか、しっかりとした市場調査が必要です。企業の規模にもよりますが、基本的にはこういった市場調査もデザイナーの仕事に含まれます。また、テキスタイルデザイナーやパタンナー、生産管理部などとの連携が必要となるため、チームワークも求められるでしょう。
オートクチュールデザイナー
オートクチュール(高級仕立服)デザイナーは、顧客1人ひとりにオーダーメイドで服を仕立てる職人です。企業には所属せず、自らブランドを立ち上げてデザインを手掛けていきます。
デザイナーによってはデザインから縫製まですべてを担当する人もいますが、企業内デザイナーと同じく、パタンナーやテキスタイルデザイナーなどと連携して作業を進めていくのが一般的。時代を先読みし、オリジナルかつ顧客の要望をくみ取ったオリジナルのデザインが求められるでしょう。
なお、独自ブランドであるため、収入額は人それぞれ。有名デザイナーともなると年間で数千万~数億円の収入を得ている人もいる夢のある職種ではありますが、なかにはアパレルメーカーで働く企業内デザイナーの平均年収を下回るケースも多々あります。業界内で自分の名前を広めるためには、顧客を生み出す実績と確かなスキル、独創的な発想と顧客を手放さないコミュニケーション能力など、さまざまな能力が必要とされます。
#2
1mm単位で光る職人技
<パタンナー>
仕事内容&なるには
職人肌度
★★★★★
眼精疲労と肩こりのケアに関する
情報収集に熱が入る度
★★★★★
デザイナーによって考案されたデザインを型紙に起こしていくパタンナー。平面で描かれたデザイン画を見ながら、『どのようにすればイメージ通りの立体的な服に仕上がるのか』を予測して型紙に仕上げていく様は、まさに職人技です。1mm単位でのズレが服の仕上がりを左右するため、パタンナーの実力によって服の仕立てが変わってくると言っても過言ではありません。たった1mmの差が着心地の良さやシルエットの美しさに影響してくるので、正確にパターンを引くスキルとデザイナーの意図をくみ取るコミュニケーション能力が欠かせない職業です。
また、1つ型紙ができれば終わりというワケではなく、何度も試作を繰り返しながら最終的な型紙に仕上げていかなければなりません。最初に仕上げた型紙を基に1度仮縫いを行い、トルソーに着せ付ける『トワルチェック』と呼ばれる作業や、展示会に向けたサンプル確認など経て、最終的に量産用の型紙製作に入ります。型紙が仕上がった後、縫製方法を仕様書にまとめて縫製工場へ伝達するのもパタンナーの大切な仕事です。少し前まではそのすべてを手作業で行っていましたが、最近はアパレルCADの登場により、昔より効率的に作業を進められるようになってきました。
働き方としては企業に就職してチームの一員としてパタンナーという役割を果たしていくケースと、企業で積み重ねたスキルや経験を生かしてフリーランスのパタンナーとして働くケースに分けられます。専門学校を出た後、アパレルメーカーやデザイン事務所などに就職し、そのまま働き続けたり独立したりといった流れが一般的です。スキルのあるパタンナーは貴重であるため、有名デザイナーの専属パタンナーとして声をかけられたり、スキルを買われて有名企業からスカウトされることもあります。
デザイナーのように脚光を浴びる機会は少ないものの、優秀なパタンナーなくして最高の服は生まれません。まさに、縁の下の力持ち。ファッション業界の要とも言える職業です。
#3
先見の明で“売れる”を探す
<バイヤー>
仕事内容&なるには
自社ブランドへの愛が強い度
★★★★★
売れる「人」や「モノ」が
なんとなく分かってしまう度
★★★★★
ファッション業界に詳しくなくても知っている人の多い職種と言えば、バイヤー! 商品の買い付けから販売状況の管理までを担う、アパレル業界の花形的なポジションです。
バイヤーの形式は2つあります。1つは店舗数の多いチェーン店で多く取り入れられているセントラルバイイング。本部のバイヤーが各店舗の在庫を一括で買い付け、管理まで担当します。もう1つはローカルバイイングで、店舗の特性を生かして店舗ごとに買い付けを行う形です。セレクトショップやヴィンテージ系の古着屋のバイヤーはローカルバイイング。どちらか一方の手法のみを取り入れている場合もあれば、百貨店のように両方の手法を取り入れている場合もあります。
どちらの場合も、ただ買い付けることが仕事ではありません。自社ブランドの特性と世間のトレンドを照らし合わせ、“売れる”アイテムを買い付けることが求められています。そのため、未経験でいきなりバイヤーになるのは難しいでしょう。販売員として現場経験を積んだ後に店長やエリア責任者などを経験し、実績を積み重ねた上でようやくたどり着けるポジションです。どういったアイテムがどれぐらい売れそうなのかを見極める力と、販売後に「なぜ売れたのか」「なぜ売れなかったのか」分析できる力を求められます。
将来的にバイヤーの道を目指したい人は、まずは現場で、商品が売れるまでの流れや自社ブランドの特性、店舗レイアウトの意図などを意識して学んでみてください。そして並行して、ファッション業界におけるマーケティング・流通の知識を深めておくと良いでしょう。
バイイングの楽しさの一つは、さまざまな魅力的な商品に触れられることだと思いますが、「海外に足を運んで買い付ける」というバイイング以外にもさまざまな形のバイイングがあり、その数だけバイヤーの仕事があります。
例えば、古着屋の店頭で活躍するバイヤーをご存知でしょうか。お客様が店頭に持ってきた“一点物”のファッションアイテムに知識とセンスでアプローチし、商品の買い付けを行う(買取する)古着屋のバイヤー。アパレルのバイヤーに比べて、比較的早い段階からバイイングの経験を積むことが可能です。ファッションとバイイングの仕事に興味がある方は、古着屋の仕事なども視野に入れてみることをおすすめします。
※ちなみにこちらのサイトを運営するトレジャー・ファクトリーでは、こんな古着屋を運営しています。ただいま中途スタッフも募集中。バイイング(買取)もできますよ。詳しくはこちら
#4
アイデアが会社の売上に直結
<商品企画>
仕事内容&なるには
数値を基にした判断力と
人とは違う発想力を兼ね備えている度
★★★★★
コミュニケーションおばけ度
★★★★★
さまざまな商品を企画する商品企画部。会社の売上に直結するポジションであるため、責任はかなり重大です! トレンド情報についての知識はもちろんのこと、ライバル他社の情報やファッション業界のマーケティング知識などを身に付けておかなければなりません。
また、複数の部署の担当者と連携して業務を進めていくため、コミュニケーション能力は必須です。例えば店舗へ足を運んで現場の状況を把握したり、営業担当者と戦略を練ったり、提携している生産工場の担当者とスケジュールの打ち合わせをしたりと、さまざまな人と会話を重ねて企画を生み出していきます。とにかく多忙で靴底は減るばかり。しかし、『会社で何を販売していくのか』が自らに掛かっていると思うとやる気が湧いてきます。そしてまた、そんな風にイキイキと働く商品企画担当者の姿を見て、そのポジションを志す人も多いのです。
商品企画担当者に必要なスキルはコミュニケーション能力と分析力、データを基にした判断力などで、特別な資格はありません。しかしファッション業界の花形である商品企画はライバルの人数が多いため、大学卒業後の新卒でいきなり商品企画に就ける人はごく一部。まずは販売員として現場経験を積んだり、本部の別部門で知識を深めたりといったところからスタートし、実績を作ってから商品企画への配属を目指す人が多いようです。
たくさんの人たちと打ち合わせを重ね、企画を立案していく作業はかなりの時間と労力がかかります。しかし、その企画次第では自社ブランドの売上が大きく伸びたり、新たなトレンドを発信できたりするなんて、やっぱり憧れますよね。
#5
頭脳派が集結
<マーケティング・MD>
仕事内容&なるには
数値に強くて
データ分析が得意な人が多い度
★★★★★
集団になるとなぜかまとめ役を任されがち度
★★★★★
自社で手掛ける商品を、いかに売るか、どれだけ売るか、どのように売るかを考え、施策を立案していくポジションが、マーケティング(販売戦略)・MD(マーチャンダイザー)です。どちらも売れる売場を作ることが仕事ですが、担っている役割は少し異なります。
マーケティング担当者はプロモーションを担当。市場調査を行い、ライバル他社の動向やターゲット層の見極め、自社ブランドの強みなどを分析し、そのデータを基にプロモーション施策を打ち出します。例えばノベルティを考案したり、SNSを駆使した手法を検討してみたり。どういった手法が適切なのかを見極め、実行していくのです。ほかにも、施策実行にあたって必要な人員の確保や目玉商品の在庫管理、広告費に必要なコスト管理や価格交渉なども重要な業務となります。
最近ではSNSを通じた施策も増えてきました。ターゲットの年齢層やタイプなどに併せて、どういったビジュアルの広告を打ち出していくのかと言った点も重要な判断ポイントとなっているようです。このように、ファッションだけでなく世間的なトレンドにも目を向け、その時々で有効となるプロモーション施策を立案できるスキルが求められます。
一方MDは、“現場を仕切りながら”販売戦略を立てる職種です。そもそもマーチャンダイザー(ダイジング)とは「商品化計画」という意味で、その名の通り、商品開発や販売計画、予算管理などの業務を担当します。とにかく業務の幅が広いところがMDの特徴。市場調査からプロモーションの企画、ブランドによっては商品の仕入れも担当するケースがあります。改めて見てみると、やはりマーケティング担当者と業務内容がよく似ていますよね。しかしMDは店舗に足を運び、現場の状況を把握した上で販売戦略を練っていく仕事。業務自体は本社で行いますが、現場の状況に応じて全体の計画を調整していきます。
どちらの職種も幅広い視野と的確な分析力、自社ブランドへの理解度の高さなどが必須。しばらくは販売員として店舗での経験を積むケースがほとんどです。「販売がしたいわけじゃないのに」と心が折れてしまうかもしれませんが、ここで得られる経験と知識は数年後、マーケティング・MDとして働く際に必ず役立ちます。日ごろからトレンド情報や自社ブランドの状況を把握すること。そしてそれを基に、現時点での自社マーケティングの傾向を分析し、心の中で改善策を立案する習慣を身に付けてみてはいかがでしょうか。
#6
売場の印象はあなた次第
<VMD>
仕事内容&なるには
トルソーの着せ替えが秒で終わる度
★★★★★
休日に他ブランドの
メインステージチェックをしてしまう度
★★★★★
VMD(ビジュアルマーチャンダイザー)とは、視覚的にマーチャンダイジング(販売戦略の立案)する仕事、つまり顧客にブランドの魅力が最大限伝わり、購入したくなる空間をつくることを仕事としています。
売り場づくりにおけるポイントは3つ。
1つめが、VP(ビジュアルプレゼンテーション)です。自社ブランドの世界観やそのとき売り出しているアイテムなどを、店舗の中で最も重要な場所で視覚的に表現します。“最も重要な場所”とは、入り口付近にあるメインステージやショーウィンドウなどのこと。パッと見たときに「このブランド好きかも」「自分の欲しいアイテムがありそう」と思ってもらうことを目的としています。
2つめはPP(ポイントプレゼンテーション)。壁面の上部や通路に面したエンド什器などのスペースで、各売り場のピックアップしたいアイテムや自社ブランドだからこそ提案できるコーディネート例などを表現していきます。
最後はIP(アイテムプレゼンテーション)。カテゴリーごとに分かりやすく分類・整理することによって、商品のバリエーションや品揃えの豊富さを印象付ける陳列方法や陳列箇所を指します。
つまり、店舗の空間づくりをすべて担うのがVMDということ。同じブランドでも店舗によって売り場面積や形は異なり、さらには会社の中での位置づけも異なっている場合があるため、ブランドならではの魅力を熟知した上で店舗それぞれに応じた最適な空間を作り上げなければならないのです。
ブランドによっては、空間づくりすべてを担当する本部のVMDチームとは別に、売上状況に応じてトルソーを着せ替えたり、壁面のアイテムを差し替えたりする『店舗VMD』を配置しているケースがあります。本部のVMDチームにいきなり配属される可能性は低いので、まずは販売員として経験を積み、もしポジションがあれば店舗VMDを経験しておくと良いでしょう。並行して、商品装飾展示技能検定を受験し、VMDに関する正確な知識を深めておくことをおすすめします。
#7
ファッションセンスが生きる
<アパレル販売員>
仕事内容&なるには
部屋の中に自社ブランドの服が
あふれている度
★★★★★
休みの日のコンビニで無意識に
「いらっしゃいませ~」をやまびこしてしまう度
★★★★★
ファッション業界の中でも特に働いている人の多い職種が、アパレル販売員(ファッションアドバイザー)♡ ほとんどのブランドが、未経験者歓迎&学歴不問です。持ち前のファッションセンスと、お客様にオシャレな服を提案したいというアツい気持ちで、ドーンとチャレンジしやすい環境が整っています。販売員でスタートした人が、知識と経験を武器に本部の別職種へキャリアップしていくケースも珍しくないところも、魅力のひとつ。「ファッションに興味があるけれど、具体的にこの職種が良い!という気持ちもなくて迷う…」という人は、まずは販売員として現場の経験を積み、自分の特性を見極めていくのも良いでしょう。
働く楽しみは、なんといってもトレンドアイテムにいち早く触れられること! そして、自分では気付けない“本当に似合う服”をお客様に提案して喜んでもらえることは、販売員の特権です。せっかくのファッションセンスを生かさない手はありません♡
#8
“オシャレ”を本当に楽しめる
<古着屋スタッフ>
仕事内容&なるには
昔からファッションには
人一倍強いこだわりがある度
★★★★★
「人と同じ」より「人とはちょっと違う」が
好きな人が多い度
★★★★★
販売員として働く道はアパレルだけではありません。古着屋のスタッフもまた、根強い人気を誇っています。実は同じ“販売員”でも、アパレルと古着屋では働き方が違うことを知っていますか?
大きく違う点は、古着屋の場合さまざまなブランドのアイテムに触れられること! アパレルだと自社ブランドのアイテムのみを取り扱いますが、古着屋は国内外問わず幅広いブランドのアイテムがお店に並びます。元々好きだったブランドだけでなく、これまで知らなかったブランドと新たに出会えることで、今までよりももっとファッションセンスが磨かれるでしょう♡
さらに勤務中のファッションもポイント! というのも販売員の場合、お店のテイストに沿った服を着て店頭に立つ必要があり、多くのアパレルブランドでは、自社ブランドのアイテムのみ着用可能という制限があるのです。でも古着屋なら、自分の好きなファッションをブランドに関係なく楽しむことができますよ。
さまざまなブランドに触れられるというのは、つまり多様なブランドを俯瞰して見ていけるということ。そういった知識を蓄えておくことは、今度ファッション業界の中でどういった道に進むとしても役立つでしょう。
また、店舗の裁量が大きいところも古着屋の魅力です♡ 例えばアパレルブランドの場合、VMDや在庫数の指示が本社から一括で指示されることが多いのですが、古着屋は店舗それぞれで個性を発揮できます。通常は本社の企画部門が考えるような内容も、店舗ごとに考えて実行できるのです。
アパレルだと何年も経験を積んでやっと任せてもらえるかどうか……というバイイング(買取)業務も、古着屋なら店舗ごとの実施となるため早くから任せてもらえます。早い環境では入社3ヶ月から任せてもらえることも! アイテム1つひとつにどれぐらいの価値があるのか見極めていくうちに、おしゃれを楽しむさらなる世界が広まっていくこと間違いなし。自分の仕入れた商品が店舗に並び、別のお客様の手に渡っていくというのは、この上ないやりがいです。
幅広い知識を身に付けて、本社レベルでの店舗運営ができる古着屋のスタッフ。学生時代にアルバイトとして経験しておくだけでも、ファッションの世界で働く上での可能性が大きく広がりますよ!
なお、“古着屋”と言っても、海外で買い付けを行い希少性の高いアイテムを扱う「ヴィンテージ系の古着屋」と、ネットや店頭でユーザーから直接買い付けを行う「リユース系の古着屋」の2種類に分けられます。古着屋と言うと前者をイメージする人が多いのですが、後者の古着屋は現在とても注目されている販売スタイル。とにかく多様なブランドが集まることが特徴で、新たなファッションが生まれる場所として年々注目度が上がっているんですよ。
※ちなみにこちらのサイトを運営するトレジャー・ファクトリーでは、こんな古着屋を運営しています。ただいま中途スタッフも募集中。VMDもバイイング(買取)もできます。詳しくはこちら
#9
接客が苦手でもOK
<ECサイト運営>
仕事内容&なるには
好奇心旺盛で新しいモノを
積極的に取り入れるタイプが多い度
★★★★★
食材もファッションも、
買い物はすべてECサイトを利用する度
★★★★★
ECサイトの世界はここ最近、右肩上がりの好調具合。接客に自信がない人でもファッション業界に携わり、服の魅力を伝えることができる注目の職種とされています。業務は多岐にわたり、市場調査や販売戦略施策を立案するといったマーケティング業務から、顧客対応や梱包発送まで、店舗運営すべてを担当。小規模のECサイトだと1人ですべて担っていることもありますが、規模が大きくなればなるほど人員が必要となるため、チーム制にして業務を分担するケースが一般的です。
働き方は大きく分けて2つ。
- ECサイト運営担当者を募集している企業で働く
- 自分でECサイトを立ち上げて運営する
まず候補となるのが、企業に勤めてECサイトを運営する方法です。好調な業界なので求人数は豊富! 好みのブランドなのか、希望する業務が担当できるか、未経験でもチャレンジできるのかなど、条件を吟味しながら勤務先を選ぶことができるでしょう。必須資格はありませんが、ネットショップ実務士やネットショップマスター資格などを取得しておくと就職に有利です。また、PCを使ってサイトを運営するためHTMLのソースコードを読めるようにしておいたり、画像の編集スキルを身に付けたりしておくと業務に役立ちます。
続いての候補は、自分でECサイトを立ち上げる働き方です。最近ではBASEやSTORESなど、誰でも無料でネットショップを開設できるサービズが増えてきています。SNSでファンを増やし、ECサイトへ誘導するケースが一般的です。取り扱うアイテムだけでなく、写真の見せ方や投稿内容次第では、個人で運営するECサイトでも十分な利益が見込めますよ。ただし、仕入れから梱包・発送までのすべてを進める必要があるため、初心者がいきなりスタートするのは至難の業。少しでも企業で経験を積んでおいた方が安心できるでしょう。
#10
ファッション業界の花形
<広報(プレス)>
仕事内容&なるには
仕事着でもオシャレに
手を抜かない人が多い度
★★★★★
雑誌やCMを見ると
「ターゲットはこんな人だな」と
分析してしまう度
★★★★★
自社ブランドのファンを作る、広報(プレス)担当者。たまに雑誌でコーデを紹介していたり、テレビでブランド紹介をしていたりと華やかな部分が目立ちますが、実は裏方で一生懸命働くことの多いポジションでもあります。
例えばブランドをPRするためのポスターやカタログなどの撮影に立ち合い、ブランドのコンセプトに沿ったイメージになっているのかチェックするのも広報(プレス)の仕事。SNSを更新し、SNSから新たなファンを創出していくのも、展示会やショーの企画を立案するのも広報(プレス)の大切な仕事です。
しかし、広報(プレス)“だけ”では、ポスターやカタログを製作することも展示会やショーを実施することもできません。マーケティング・MDやディレクター、営業担当者などと綿密な打ち合わせをし、連携しながら進めていく必要があるでしょう。そのため、高いコミュニケーション能力と調整力は身に付けておきたいところ♡ サークル活動やアルバイト先では積極的に、リーダー役や中間管理職的なポジションを引き受けることをおすすめします。
なお、広報(プレス)はかなり人気の職種です。まずは『プレスアシスタント』と呼ばれるサポートポジションで実績と経験を積み、キャリアアップの道として広報(プレス)を目指していきます。正社員だけでなくアルバイトの募集もあるので、気になるブランドの求人があれば思い切って飛び込んでみると良いでしょう。
#11
アイテムの魅力を切り取る
<ファッション専門カメラマン>
仕事内容&なるには
手首と腰のサポーターが欠かせない度
★★★★★
レタッチはつい後回しにしてしまう度
★★★★★
「ファッション業界」という括りからは少し離れているように思われるかもしれませんが、でも実はこの人の腕次第で服の売れ行きが変わるほど重要なポジションを担っている、ファッション専門カメラマン。ファッションアイテムをただ撮影するのではなく、ブランドのコンセプトや伝えたいメッセージに沿った写真を撮影しなければなりません。服や小物を実際に身に着けたモデルを被写体として撮影するときには、モデルの表情を引き出す声掛けも必要です。物撮りの場合には、どういった写真を求めているのか、クライアントの意向を事前に引き出しておく必要があります。このようにただスキルがあるだけではなく、クライアントやモデルとコミュニケーションを取りながら作品を仕上げていける”社交性”も求められる仕事です。
ファッションカメラマンになるためにはまず、大学・短大・専門学校のどこかでカメラマンとしての知識や基礎的なスキルを学びます。その後のキャリアは人それぞれ。というのも、カメラマンは自分のセンスを武器に戦うクリエイターなので、必ずしも企業に勤める必要はないのです。もちろん、企業で数年間修行をしてから独立する人もいますが、卒業後すぐにフリーランスとして活動しているカメラマンも数多くいます。そして最近ではそもそも学校に通わず独学でスキルを習得し、SNSで注目を集めて仕事に繋げているカメラマンも着実に増えてきているようです。
どちらにしてもカメラマンという職種は、ファッション業界の他職種に比べると圧倒的にフリーランスが多い仕事。将来的には自分の力で道を切り開いていきたい人にはピッタリです。
#12
好きを仕事に♡
<インフルエンサー>
仕事内容&なるには
連絡がマメ!
インスタのチェックを欠かさない度
★★★★★
常に映える撮影・加工方法の
研究をしている度
★★★★★
今や企業にとっていなくてはならない存在となった新たな職種、ファッション系インフルエンサー。SNSでの影響力を評価され、企業のPRを任せられる人のことを指します。
「なんでSNSでの投稿が仕事になるのか」
疑問に思うかもしれませんね。しかし企業としては、影響力のあるインフルエンサーに自社ブランドのアイテムをPRしてもらうことで認知度が上がり、売上に繋がる効果が見込まれます。というのも、普段からどういったコーディネートをしているのか分かった上でのPRなので、ファンとしてはつい真似したくなるのです。一方インフルエンサーにとっては、普段しているような投稿のテイストでPRすることで報酬をもらえるため、まさにWin-Winの関係♡ 読者にとっても発信元が明確であることは安心感があります。
最近はリアルな口コミを求めてSNSで情報収集する人が多いため、企業にとってインフルエンサーマーケティングとは重要な販売戦略のひとつです。ファッションとSNSが好きで、オシャレな画像の撮影・編集ができる自信がある人は、インフルエンサーを目指してみてはいかがでしょうか。
もちろん、インフルエンサーになるためにはたくさんの人からフォローされ、数多くのイイネやコメントをもらう必要があります。さらにインフルエンサーになれたとしても、安定した依頼があるとは限りません。本業として活躍できるのはごく一部です。
もし少しでもインフルエンサーとして活動した経験があれば、ファッション業界のマーケティング部門や商品企画部門での就職が有利に進む可能性大!学業や仕事とも並行して取り組みやすいので、まずはすでにインフルエンサーとして活動している人の投稿をチェックし、どういった内容が人気なのか分析しながらチャレンジしてみては!
#13
服の魅力を被写体となって発信
<モデル>
仕事内容&なるには
自己管理能力が高い度
★★★★★
プロテインとサラダチキンで
生きている度
★★★★★
ファッション業界の中でもトップを争う競争率の高さを誇っている職種が、ファッションモデル! 各ブランドの新作アイテムを身に着け、クライアントの望む形でアイテムの魅力を発信していく仕事です。
モデルとしての道は大きく4つ挙げられます。
- ショーモデル
- 雑誌モデル
- 読者モデル
- その他
ご存知の通り、どこを目指すとしても道のりは決して甘くありません。特にショーモデルや雑誌モデルは、圧倒的な存在感とモデルとしてのスキル、そして高い美意識と自己管理能力などが求められます。すべてを兼ね備えているモデルでも、幾度もオーディションを経てやっと仕事を得られるかどうか……という厳しい世界です。
比較的チャレンジしやすいと思われがちな読者モデルも、やはり持ち前のスター性やファッションセンス、魅力的なスタイルは必須。ただ、事務所に所属していなくても応募できるオーディションが用意されているので、専属モデルへの登竜門としてチャレンジする人も多いようです。
そして今注目したいのは、『その他』のモデルという働き方! 事務所に所属しておらず、雑誌でコーディネートを紹介しているわけでもないけれど、SNSを舞台に活躍するモデルがここ数年で一気に増えているんです。大きく括ると、先ほど紹介したインフルエンサーというポジションですね♡ 親近感やリアルさを武器にファンを作り、自ら活躍するステージを確立していくというのも選択肢のひとつです。
#14
センスで人の魅力を引き出す
<スタイリスト>
仕事内容&なるには
とにかく体力勝負度
★★★★★
休日でもセンスの良い人を
つい目で追ってしまう度
★★★★★
雑誌やドラマ、CM撮影など、さまざまなシチュエーションでモデルのコーディネートを担当するスタイリスト。クライアントの意向を基に、ブランド・モデルのイメージ戦略を踏まえたコーディネートを考えていきます。
撮影時に必要なアイテムを確保するのもスタイリストの重要な仕事のひとつ。ファッションセンスだけでなく、各所と連携するためのコミュニケーション能力やスケジュール管理能力が欠かせません。また、予定していたコーディネートをモデルに着用してもらった後、ヘアメイクやカメラマンなどとさらに打ち合わせを重ねながら微調整を行うため、臨機応変に対応できるスキルも必要です。
スタイリストになるために必要な資格は特になく、必ずしもこういった学問を勉強しておくべきだという道筋もありません。ただ、ファッションを扱う仕事であるため、服飾系の専門学校に進む人が多いようです。卒業後はスタイリスト事務所へ所属し、経験を積むのが一般的。知識を深めるだけでなく人脈を培うこともできるため、独立を考えている人にとっては必要なステップとなるでしょう。
#15
誌面とコトバでトレンドを作る
<編集者・ライター>
仕事内容&なるには
ブルーライトカット眼鏡の
所有率高い度
★★★★★
美容院で差し出される雑誌では
アイテムより言葉選びや
キャッチコピーばかり目に入る度
★★★★★
抜群のファッションセンスと文章力、業界を俯瞰で見る力などを生かしてファッション業界をけん引していく仕事が、ファッション雑誌の編集者やライター。デザイナーたちが生み出したトレンドアイテムに関する情報を、いち早く記事にまとめ、雑誌を通して読者に届ける大切な役割を担っています。
読者にとって有益な情報を届けるために、常にアンテナを張り巡らせてトレンド情報をキャッチし、その魅力を最大限引き出す画像やキャッチコピーなどを選定。小さな画像や1つひとつの言葉選びにまで気を配り、締め切りまでの限られた時間内で形にしていきます。
就職先は大手の出版社が人気です。しかし競争率が高いため、大学卒業後に大手出版社へ就職し、希望通りのキャリアを描いていける人は正直かなり少数…。だからといって諦める必要はありません。例えばファッション系メディアを運営しているWEB制作会社や、他ジャンルの出版社で紙媒体の編集者・ライターとして勤務したりといった経験を積むことで、中途採用としての道が見えてくるでしょう。正社員にこだわらず、希望する出版社でのアルバイトや契約社員からステップアップしていく人もいますよ♡
まとめ
生産から販売までさまざまな職種があるファッション業界。
しかもファッション業界の場合、販売から始めたスタッフが店長になったり本部で生産管理に携わったりと、さまざまな形でのキャリアアップが目指せるんです♡ ぜひみなさんも、自分の得意を生かした職種を探してみてくださいね。
ここまで読んでいただき、ありがとうございましたっ!
※ちなみにこちらのサイトを運営するトレジャー・ファクトリーでは、こんな古着屋を運営しています。ただいま中途スタッフも募集中。VMDもバイイング(買取)もできます。詳しくはこちら
※ Illustration by しみったれたアラサー(instagram account is @lonely.around30)
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
この記事を書いたひと
スーツ専門店やGU、UNIQLOで計5年勤務。UNIQLOではVMDを、GUでは店長を経験し、さまざまな角度からファッションについて学んできました。現在はその経験を活かし、ファッションや美容など、最新トレンドに関する記事を複数のメディアで執筆中。