通常の服選びのフローが通用しない!?でもそれが古着のおもしろさに繋がっているのです

こんにちは、僕は「るびこ」と申します。

僕は普段は会社員の傍ら「理系男子のぐうの音」というブログを運営し、メンズファッションについて趣味全開で情報発信しています。

もちろん僕はファッション全般、とくに古着が大好き。

そんな古着大好きな僕が3回にわたり、独自の視点から古着ファッションの魅力について連載させていただきます。

今回は第二回。テーマは「古着と僕らの出会い」について。古着選びならではの難しさと楽しさを語っていきます。

通常アパレルでは以下のような手順で服を購入するかと思います。

  1. お気に入りのお店に足を運ぶ
  2. 気に入ったデザインの服を探す
  3. カラー展開から気に入ったものを選ぶ
  4. 自分に合ったサイズを試着して決定する
  5. 購入する

しかし古着の購入において、このフローは一切通用しません。

通常は選ぶことのできるサイズや色。こと古着に関してはこれらは客側に一切の決定権がないのです(ここまで断言するには、いささか語弊がありますが)。

古着って不自由だなあって思いました?

その通り。確かに不自由です。でもその不自由さにこそ、古着の楽しさが詰まっていると僕は思っています。

この記事を読み終わる頃にはその楽しさが少しでも伝わっていればいいなあ、と思いながら筆をとります。

古着は全て一点物

古着は全て一点物

古着屋に行ったことのある方は「ごちゃごちゃしているなあ」って思ったことありませんか?

別に ”古着屋の店内が散らかっているから”そう感じるわけではありません。

古着屋の店内が雑多に感じる理由は、全てが違う商品、すなわち一点物だから。業務形態上仕方のないことなのです。

普通のアパレルであれば、一つの型の商品に対し、様々なサイズやカラーを展開しています。

サイズ違い・色違いの展示は決まって同じハンガーラックで隣り合わせ。あえて店内に散在させる理由はありませんから。

それがアパレルの店内を整然とさせている理由のひとつなのです。

それに比べて古着屋は全て異なる商品が並んでいます。それが楽しさでもあると同時に難しさでもあるのです。

あれだけ多様な古着をどれだけ見やすく展示するか、古着屋の店員さんの腕の見せ所ですよね。

僕は古着屋で、ついそんな目線でも見てしまいます。多様な服を体系的にみやすくレイアウトしている様にいつも感心させられています。

古着は色も選べない

ハンガーにかけられて所狭しと並んでいる服の中から、ピンときたものを取り出してみます。

「デザインと価格は最高なのに、色の組み合わせがイマイチ・・・」←古着あるある

きっとこの服には別のカラー展開もあって、そっちは良かったんだろうなあ、なんて想いを馳せてもどうしようもありません。

でも色が気に入らないのは、後述するサイズ違いよりまだマシです。色が気に入らないなら、まだ諦めもつくでしょう。

でもサイズが合わないくらいだと、購入したくなっちゃうんですよねえ。僕自身、サイズ違いで何度悩まされたことか。

古着はサイズも選べない

「色もデザインも好み!なのにこんな価格でいいの!?早速着てみよっと」

「・・・少し丈が長すぎるな、でも見方によってはナシではない?万が一失敗してもこの価格だし」

「・・・ええい、ままよ!!これください!」

って勢いで購入した服、大抵着なくなります。経験談。

これは学びなんですよ、失敗から人間は学びます。そうやって、自分の体型への理解を深めていくのです

古着選びは難しい

古着は色も選べない

このメディアでこんな発言するのはどうかと思いますが、古着を選ぶのは新品に比べ難しいです。非常に難しい。

新品でいいのなら、好みのアパレルブランドに行けばOK。自分好みの服が並んでいます。そこから欲しい服を見つけ出すのは難しくありません。

しかし古着の場合は “デザインが気に入った”という理由だけで安易に購入すると、失敗する可能性が高いことはこれまで説明してきた通り。

新品を購入するよりも、より注意深く、古着を選ぶ必要があります。

いいな、と思える古着は案外すぐに見つかるんですよ。でも、惜しい。どこかが惜しい。

その壁を乗り越えることのできる古着に出会うためには、何十という古着を見る必要があります。根気がないとできません。

普通のアパレルなら骨が折れます。100着あったとしても、3サイズ3色展開とすれば実質11種類しかないわけですから。

でも、あなたが今いるのは古着屋さん。

全て一点物なので100着あれば100種類あるわけです。その中になら自分にぴったりの服がある気がしてきませんか?

古着と僕らは一期一会だ

古着探しとは、砂場の中で砂金を探すような、途方もない作業のように思えます。

子どもは時に無心で砂金探しに熱中できますよね。

古着屋さんで無心で古着探しをしてみてください。あなたもきっと童心に返って熱中できるはず。

そして出会えるのです。まるであなたに見つけてもらうのを待っていたかのような、運命の一着に。

(かっこよく書きましたが、運命の一着に出会えない日も当然あります。でも何も買わなくてもいいんです。それでもどんどん古着屋さんに足を運んで欲しい。もし僕が古着屋オーナーの立場でもそう思っています)

私の経験談を2つほどお話しします。古着購入の楽しさを少しでも分かっていただければ。

自分にピッタリ!買うか悩む→ 次の来店時には売れちゃってた

もう意中のトレンチコートは店内のどこにもありませんでした

その時はトレンチコートを探していました。

新品のパリッとしたトレンチコートだと、いささか決まりすぎてしまうのが気になってしまって。少しクタッとした古着で探していました。

これだ!と思える古着に出会えた!

それはバーバリーのものでした。明るすぎないベージュで使いやすいし、生地にテカリもなくて状態もよし。

4万円くらいでした。モノを考えれば十分安いんですけれど、当時の懐事情では少しだけ予算オーバー。  

欲しいっ、すごく欲しいけれどこのまま買っていいのだろうか・・・。一度家に帰って冷静に考えてみることに。

やはり家に帰ってからも忘れられず、その後他のお店を見たけれど新品の服よりはやっぱり安い。

やっぱり買うべきだったんだ!と思ってもう一度件の古着屋さんに行ってみると、もう意中のトレンチコートは店内のどこにもありませんでした。

売れてしまったようです。

これも古着ならでは。どんな服も「ラスト一着」

古着屋さんの服は待っていてもセールにかかることはほぼありません。型落ちという概念がそもそもないですから。

気に入ったらその場で買うべきなんですね。この経験から僕が得た学びです。

サイズ違いを覚悟の上で買う→ 着こなし試行錯誤→成長

古着の着こなしで試行錯誤→成長

サイズ違いを買ってはならない、着なくなるから。と偉そうに言ってきましたが、そうならなかった経験をひとつ。

ある日、サイズ違いを除けば完璧なTシャツに出会いました。ルイジアナ大学のカレッジTシャツです。ラグランスリーブの7部丈にラウンドカットの裾。ほどよいリラックス感に惚れ込みました。

でも、ちょっと自分には大きすぎる。

とんでもなく気に入ってしまい、どうしても欲しい。

さて、どうしたものか。そんなとき人間って、買うべき理由を探し始めるんですよね。あなたもきっとも経験あると思います。この時僕が考えたのが

「アウターを着ればサイズも気にならないのでは?」

先程の例の通り、見送って悔しい思いをしています。これはもう完全に買う流れ。はい、買いました。

買った当初はアウターの中に着込むコーディネートしか出来なかったんです。でもお気に入りのTシャツ。何とかしてもっと着こなそうと考え始めました。

今日はそのTシャツを使うって決めてからコーディネートを組んでみたり、

そのTシャツを買ったお店に相談に行ってみたり。店員さんは自分のことのように親身に考えてくれました。

そうやって試行錯誤していく中で

  • アウターも丈が長めの方がしっくりくる
  • 1枚で着てもボトムスを細めにすればバランスがいい

など、多くの学びを得ることが出来ました。

あえて自分の流儀とは違う服を買って試行錯誤のチャンスをくれるのも、古着ならではだなあ。

不自由だからこそ、古着は楽しい

不自由だからこそ、古着は楽しい

少年漫画では、主人公の成長に連れて敵の強さもインフレしていきます。

あなたのファッションが成熟してきたら服選びも多少の難しさがある方が面白いと思いませんか?

繰り返しになりますが、全て一点物なので一つの店舗に想像以上の種類の服が並んでいるわけです

マネキンが着ている服が魅力的に見えたりするわけですが、「この膨大な服の中からマネキンよりもかっこいいコーディネートを作ってやる!」という気持ちで古着屋に行くわけです。

マネキンをコーディネートした店員さんと勝手に勝負させてもらっています(勝負に負けてマネキンの着ていた服を購入して帰ることも・・・弟子入りしたいと思ったこともしばしば)。

ファッションにおいて、コーディネートする楽しさだけでなく、古着なら購入する面白さもより加わると理解いただければ。

最後に先程のトレンチコートの反省を生かして手に入れた服を紹介します。

STUDIOUS ジャケット

STUDIOUSのジャケットです。1万円ほどという破格でした。

春先でトレンチコートよりもライトなアウターを探していたその時、同じ轍を踏むまいとハンガーラックから見つけた瞬間すぐ購入を決めました。

もちろんアウターとしてきてもいいですし、この派手さが恥ずかしく感じるときは、コートの中に差し色としていれるのもアリ。

この記事を読んでいるあなたも、ぜひ古着との一期一会の出会いを楽しんでください。

連載も次回が最終回。ぜひJOB STORYをブックマークしてお待ち下さい。

※ちなみにこちらのサイトを運営するトレファクさんは、こんな古着の店舗を運営しています。
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※Illustration by Natsuki Mogamiya

※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。


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