テクノロジーで娯楽も進化!?エンタメ業界

今から10年後、わたしたちの社会はどうなっているのでしょうか?

興味深い話があります。あくまでもウワサですが……

興味深い話があります。あくまでもウワサですが……

10年後にはさまざまな仕事のAI化・自動化が進み、人々はこれまでのようにあくせくと仕事をしなくてもよいようになるそうです。そして、それぞれの自由時間を利用して誰もがルンルン気分で余暇を楽しむようになるのだとか。

って、自分から言い出しておいてなんですが、にわかには信じがたく、むしろ疑わしい話ではあるのですが、世の中の流れとしてそのような向きはあるようです。

──で、そうやって浮いた時間を何に利用するか。

人によっては、「座禅を組んで無になる」「滝に打たれながら経を唱え続ける」といったストイックな精神修行に向かう方もあられるやもしれませんが、煩悩のカタマリである我々といえばやはり「楽しいこと」「面白いこと」向かうのが必然。

よって発展していくであろうと考えられるのが「娯楽」

よって発展していくであろうと考えられるのが「娯楽」。

つまり映画、アニメ、音楽(ライブ)、ゲーム、レジャーといったエンターテインメント業界です。

たとえばレジャー業界においても、業績は上向き傾向。世の中的にも「モノよりコト」を重視する傾向の高まりや、外国人観光客の呼び込みが順調なことにより、一人あたりの消費単価が上昇しています。

映画、アニメ、音楽(ライブ)、ゲーム、レジャーといったエンターテインメント業界

またアニメ×企業のコラボといった、知的財産権利用による仕掛けを施すことで意外性や注目度のアップといった効果を狙ったコンテンツなども増加。大物アーティストのMVにアニメが使用されることも増えてきました。背景には、アニメの社会的認知度が向上していることも挙げられるでしょう。

かつてはアーケードとパソコン・家庭用ゲーム機が主流だったゲームの世界もここ数十年で大きく様変わり。パッケージソフトのみならず、オンラインゲーム、ソーシャルゲームと市場も細分化。ゲームであまり遊ばなかった人たちも、スマホさえあればどこでも気軽にプレイできるとあって、プレイヤー数が増加しています。

さらには、新しいコンテンツとしてVR(Virtual Reality:仮想現実)ゲームへの取り組みも盛り上がりを見せつつあります。またビデオゲームによる対戦をスポーツ競技とする「eスポーツ」という概念も生まれ、今後の展開から目が離せません。

情報化社会の花形 IT業界

人類の歴史において大きな転換点といえるIT革命により、情報化社会が加速。パソコン・インターネット・スマホなどネットワーク機器が企業、個人、行政に浸透し、新たな経済成長をもたらせています。

そんな時代の潮流にともない、揺るぎない将来性を約束されたのがIT業界

揺るぎない将来性を約束されたのがIT業界

なかでも次世代の革新的技術を担うAI(人工知能)関連においてはGoogle、Apple、Microsofなどのグローバル企業がその開発に参入。日本国内の企業は遅れをとっているものの、今後の動きに期待が高まります。

また、電気自動車や自動運転技術といった「次世代自動車産業」にも注目です。「CASEの波」(※)と呼ばれる技術革新をキーワードに、ITを活用した新たなインフラの実現に向けて各自動車メーカーが日夜努力を重ねています。

※CASEの波とは……「Connected:つながる Autonomous:自律走行 Shared:共有Electric:電動」の頭文字をとった言葉

そのような技術を開発するシステムエンジニア(SE)系の仕事も活況です。ハイレベルの技術やスキルを持った人は重宝されますが、いかんせん人材不足。IT技術者の育成・就職支援は今後の重要な課題とされています。さまざまな可能性をもつIT業界では、デザインやマーケティングなど専門的な知識を身につければ活躍出来るフィールドも広がります

古いものを刷新していくことが責務であるIT業界では、需要が途絶えることはありません。様々な市場を取り込みながら、ITを活用した技術やサービスは今後もさらなる広がりを見せることでしょう。

時代にマッチした成長株、リユース業界

時代にマッチした成長株、リユース業界

片付けコンサルタント「こんまり」こと、近藤麻理恵によるリアリティショー『KonMari 人生がときめく片づけの魔法』が米国で大ヒットしました。

この番組は、アメリカ国内の各家庭をこんまりが巡り、住民と共に「ときめくもの」だけを残しながら、不用な服や本などを次々と処分し、見違えるようにすっきりと片付けていくというもの。

「ときめき」を大切にしながら、思い切ってモノを捨てていくという精神性が米国人に受けて、放送後には不用品を寄付したりリサイクルショップに売ったりする人が急増するとか。すごい影響力ですね!

そんな近年のエコブームやミニマリズム的な生き方の浸透を背景に、大きく市場規模を拡大させている業界が「リユース業界」

大きく市場規模を拡大させている業界が「リユース業界」

街を歩いていると、リサイクルショップの看板を見かけることも少なくありませんし、インターネットを使ったフリマアプリなども人気で、だれでも簡単に中古品の売買ができる時代になりました。新品ではなく、「リーズナブルな中古品をおトクに活用する」という合理的な考え方も現代ならではです。

リユース業界の市場規模は1兆円を超えるとも言われ(出典:経済産業省「平成 29 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備」)、誕生してから間もない業界ですが、順調に成長を続けており今後の躍進に期待がもてます

日本にリサイクルショップができたのは1970年代ですが、本格的に業界が活性化したのは1991年に「再資源の利用の促進に関する法律」が施行されてからといわれています。地方から全国にチェーン展開をスタートさせる企業も増え、市場が活発になっていきます。

さらに2000年代にはインターネットを利用した個人売買も活性化して、大規模な市場が形づくられていきました。

リユース業界の強みは、不況の影響を受けにくいこと。消費者のマインドとして、不況時ほど安価な中古品を購入しようという経済的な意識が働くのでしょう。あらゆる業界にダメージを与えた平成20年のリーマンショック時にも、大きな落ち込みがなかったことでも知られています。

リユース業界の強みは、不況の影響を受けにくいこと

2019年には、リユース業界の発展を目指し、経営者やキーマンが集まりセミナーや情報交換を行う第6回「リユースサミット」が開催されました。人工知能が切り開く新たなマーケットの可能性についてや、海外出店を目指す企業のグローバルな展開について熱い議論が交われ、今後の発展へ向けさらなる盛り上がりを見せています

これからの社会を支える!介護業界

国民の4人に1人が65歳以上という超高齢社会を迎えている日本。2050年には3人に1人が65歳以上と、さらなる高齢化の進行が予測されています。──となると、この先どうしてもより社会に必要となってくるのが高齢者福祉に関する仕事

これからの社会を支える!介護業界

市場規模も年々拡大しており、2002年は約5.2兆円であった市場規模は、2020年代には13兆円の規模に達すると見られています(※)。

※出典:厚生労働省 「介護保険事業状況報告」「介護給付費実態調査」・みずほコーポレート銀行産業調査部「介護保険事業状況報告」

つまり、高齢化が進むこれから日本において介護業は「なくてはならない仕事」。今後の展開も含めて、様々な可能性にも満ちている業界ともいえるでしょう。

介護業界といっても、職種は多岐にわたります。

・介護施設や病院などにおけるヘルパー業
・健康・医療器具の販売やメンテナンス
・養護施設や医療施設における高齢者ケア

介護保険制度に基づいてケアマネジメントを行う「ケアマネージャー」の資格を取得すると、キャリアアップにより転職時や待遇面でも有利。様々な機関での求人も多く、仕事の幅も広がります。

また、介護保険制度が導入されて以降は様々な介護サービスを提供する民間の事業者が増加。介護サービスの利用者数も大きく伸びました。近年はとくに在宅サービスの利用者数も倍増しています。そのため、

・食事・食品のデリバリーサービス
・介護タクシー

といった、自宅で介護を受ける方に向けた仕事の需要も高まりをみせています。現在、人手不足による課題も多い介護業界ですが、避けては通れない日本の社会問題に取り組む仕事としてやりがい・注目度の高い業界です。

住宅ストック時代に向け躍進するリフォーム業界

住宅ストック時代に向け躍進するリフォーム業界

東京オリンピックなどの影響で好景気が続く建築業界。人手不足などの課題があるものの、様々な競技施設の建設をはじめ、ホテルなどの宿泊施設や、商業施設、インフラ整備と今まさに活況の様相を呈しています。

そんな建設業界のなかで、特に注目したいのが「リノベーション業界」。マンションや戸建てといった住宅に新たな価値を持たせて蘇らせる大規模な改修工事に携わる仕事です。

ちなみにリフォームとリノベーションの違いは、主にその工事の規模。リフォームは老朽化した設備や室内等の部分的な工事を意味するのに対して、リノベーションは建物全体に関わる大規模な改修。ただ修理するだけでなく、新たに求められる用途にあわせて再設計し、付加価値を付けて蘇らせます

海外では時を経るごとに価値を高める住宅が数あるなかで、約20年でほぼその価値を失うといわれる日本の新築住宅。これまでの「壊しては造る」といった住宅産業のあり方をあらため、「今ある住宅ストックを活かしたあり方に変革しよう」という方向性は閣議決定された政府の意向でもあります。

消費者が安心してリフォームを行える環境を整えるために「住宅リフォーム事業者団体登録制度」を施行

それを受け、消費者が安心してリフォームを行える環境を整えるために「住宅リフォーム事業者団体登録制度」を施行し、要件を満たす事業者を国が登録・公表。業務の適性な運営、消費者への情報提供などを行っているほか、中古住宅購入者にとってハードルの高かったリフォーム保険の整備も着々と進んでいます。

建築業界を志す学生のなかでも、「新築よりリノベーションに魅力を感じる!」という意見が増え始めているのは、古いモノを活かしながら、新しい発想によって住宅を捉え直す建築的創造性に魅力を感じているからでしょう。時代の追い風もあって、さらなる展開が期待される業界です。

まとめ

テクノロジーの進化によって、めまぐるしく移り変わる社会情勢。それにともない衰退する業界もあれば、不況にもねばり強い業界、時勢をつかんで著しく成長する業界もあります。

「大企業だから、将来は安心」という時代ではないからこそ、時代の波を読み、「これから」に期待できる業界を選ぶことが大切ではないでしょうか?会社の伸びしろに、自分自身の成長を重ねられるように。



※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
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