グッドデザイン賞とは?
グッドデザイン賞は1957 年に創設された日本を代表するデザインアワードです。対象作品はプロダクトデザインや建築が中心となりますが、近年はソフトウェア、システム、サービス、人による活動など、広範に及ぶようになりました。それは、「デザイン」という言葉の持つ意味が、時代とともに変わってきたことと密接な関連があるといえるでしょう。これまでの総受賞対象数は5万件以上に上ります。
2019年度のグッドデザイン・ベスト100
グッドデザイン賞を主催する公益財団法人日本デザイン振興会が、 10月2日、2019年度のグッドデザイン賞の受賞結果を発表しました。2019年度のグッドデザイン賞受賞作品は過去最多の全1,420件。その中でも特に優れた100件のデザインに贈られるのが「グッドデザイン・ベスト100」です。今回は、その中から編集部で気になったデザインをピックアップしてご紹介します。
その1 国民的アニメの存在感たるや:「小田急線 登戸駅 ドラえもんサイン」
2019年度 グッドデザイン・ベスト100
受賞対象名:駅空間デザイン「小田急線 登戸駅 ドラえもんサイン」
事業主体名:小田急電鉄株式会社
分類:一般・公共用コンテンツ
受賞企業:小田急電鉄株式会社 (東京都)、株式会社小田急エージェンシー (東京都)
デザインのポイント
ウェブサイト「Good Design Award」より
1. 小田急のコーポレートカラーと「ドラえもん」のブルーが近似色であることに着目した展開。
2. 「ドラえもん」という象徴的な姿を「出さずに、感じさせる」ことを狙った全体デザイン。
3. 「ドラえもん」の要素を分解し平面構成とカラーリングで、ドラえもんだと分かるサインデザインとした。
● snsでの声
その2 ど、どうやって遊ぶ?:屋外遊具「PLAYRING」
2019年度 グッドデザイン・ベスト100
受賞対象名:屋外遊具「PLAYRING」
分類:公共用機器・設備
受賞企業:株式会社ジャクエツ (福井県)
[デザインのポイント]
ウェブサイト「Good Design Award」より
1. 3つのリングが、見る角度によって異なった数に見えるよう配置しており、子どもの好奇心を引き出します。
2. 斜めに配置した大きな面は使用方法を限定していないので、滑り降りる坂にも、駆け上がる山にもなります。
3. 遊具には表裏がなく、特に垂直のネット部分では、子どもが両サイドから顔を合わせながら遊ぶ事ができます。
● snsでの声 → 残念!見つけられませんでした
その3 珈琲道具好きに朗報 :スマートコーヒーメーカー「ジーナ」
2019年度 グッドデザイン・ベスト100
受賞対象名:スマートコーヒーメーカー「ジーナ」
分類:調理家電
受賞企業:株式会社ウェルリッチ (東京都)
[デザインのポイント]
ウェブサイト「Good Design Award」より
1. ファネルに搭載された開閉バルブ。このバルプが繊細な水量の調整機能を持っているため、多様な抽出方法が可
2. 全てのオペレーションが縦軸で完結する。バルブ、コールドドリップグラス、スケールなどが全て縦軸一本
3. オペレーションフローを考えた製品デザイン。豆の計量から抽出にいたるまで全てのフローを一貫させた
● snsでの声
その4 最近仕事場でよく耳にします:コラボレーションツール「Slack」
2019年度 グッドデザイン・ベスト100
受賞対象名:コラボレーションツール「Slack」
事業主体名:Slack
分類:一般・公共用システム・サービス
受賞企業:Slack Japan株式会社 (東京都)
1. Slack はチームのメンバーが集まり、日々使うアプリを活用して業務を遂行するためのスペースです。
ウェブサイト「Good Design Award」より
2. 優れたUIと直感的操作により世界中の人のチームビジネスを効率化し、オープンな社風の醸造に貢献します。
3. 1800以上の外部アプリとの連携が可能。Slack内で業務を完結するフローを自在にデザイン出来ます。
● snsでの声
その5 滑らない定規:「ノンスリップアルミ定規」
受賞対象名:定規 「ノンスリップアルミ定規」
分類:文具・事務用品
受賞企業:株式会社デザインフィル (東京都)
[デザインのポイント]
ウェブサイト「Good Design Award」より
1. カッター作業に最適な滑り止め付き
2. 定規下側を押さえると滑り止めが浮き、快適にスライド可能
3. 保管に便利なマグネット付き
● snsでの声
その6 ディテールに神は宿る:「やくさじ」
2019年度 グッドデザイン・ベスト100
受賞対象名:計量スプーン 「やくさじ」
分類:キッチン用品、調理器具、食器・カトラリー
受賞企業:一菱金属株式会社 (新潟県)
[デザインのポイント]
ウェブサイト「Good Design Award」より
1. 洗いやすい浅い形ながらも、しっかり測れるコンパクトなフォルム
2. 計量後、そのまま混ぜる作業にも使いやすい持ち手の長さ
3. 持ち手が長くても安定して持って測ることができる角度
● snsでの声
その7 これもデザインなんだ!:「MITOSAYA薬草園蒸留所」
2019年度 グッドデザイン・ベスト100
受賞対象名:蒸留所「MITOSAYA薬草園蒸留所」
分類:商業のための建築・空間
受賞企業:mitosaya株式会社 (千葉県)
[デザインのポイント]
ウェブサイト「Good Design Award」より
1. 閉園した公営の薬草園を、最低限の改修で蒸留所と住居、植物が生き生きと育つ場所へと生まれ変わらせました。
2. 様々な果樹や植物から得た小さな発見を、蒸留という技術を用いることで新しい利用法を生み出しています。
3. この場を起点に生産者や来場者が集い、無理なく事業が拡大しています。
● snsでの声
その8 中身が気になり立ち読み必須:「生き物としての力を取り戻す50の自然体験」
2019年度 グッドデザイン・ベスト100
受賞対象名:書籍「生き物としての力を取り戻す50の自然体験」
事業主体名:株式会社オライリー・ジャパン
分類:一般・公共用コンテンツ
受賞企業:株式会社オライリー・ジャパン (東京都)、株式会社Surface&Architecture (東京都)、カシオ計算機株式会社 (東京都)
[デザインのポイント]
ウェブサイト「Good Design Award」より
1. 多様な専門家が提案する自然体験を追体験し、自分にはない専門的視点から新しい自然の魅力を発見できる
2. 料理のレシピ本のように自然を体験できるよう、体験の手順が写真と体験のポイントでわかりやすい
3. 自然への関心の有無に関わらず、自然体験はどこでも可能であるという、多様な体験のアイデアの提案
● snsでの声
生き物としての力を取り戻す50の自然体験、届いた!
— Katsu Shun (@katsushun89) October 4, 2019
粘菌を探しに行こうとか、干し肉を作ろうとか、普通とちょっと違う自然体験が纏められていて、パラパラめくるだけでも楽しい。?
デザインも凄く良くて読みやすい。
山行きたい。 pic.twitter.com/Y1xwVF2wHz
その9 アプリもここまで来たか:「TABETE」
2019年度 グッドデザイン・ベスト100
受賞対象名:アプリ「TABETE」
分類:個人・公共向けの意識改善
受賞企業:株式会社コークッキング (東京都)
[デザインのポイント]
ウェブサイト「Good Design Award」より
1. 【目的】日本にとって喫緊の社会問題である「フードロス問題」の改善に、ITの力でアプローチ
2. 【手段・方法】店舗、ユーザー、運営会社、関わる全ての人がハッピーになるサービス設計
3. 【効果・結果】日常的に使えるサービスとして、ユーザーの日頃の行動や意識改革を無理なく促す
● snsでの声
その10 とりあえずHP見たい:書店機能付きライフスタイルホテル「箱根本箱」
2019年度 グッドデザイン・ベスト100
受賞対象名:書店機能付きライフスタイルホテル「箱根本箱」
事業主体名:株式会社ASHIKARI
分類:ビジネスモデル
受賞企業:株式会社自遊人 (新潟県)、株式会社ASHIKARI (東京都)
[デザインのポイント]
ウェブサイト「Good Design Award」より
1. 図書館ではなく書店である。宿泊客の7割が本を購入。購買単価・購買冊数ともに一般書店の3〜4倍を達成。
2. 2社協業により既存商品を新ビジネスに転換。「文喫」や「松本本箱(仮)」ほかビジネスモデルが拡大中。
3. 会員制度を導入し、同施設内でまったく別の価格・サービスを展開。宿泊業でも新しいビジネスモデルを構築。
● snsでの声
グッドデザイン賞に興味を持ったらこちらもおすすめ
グッドデザイン賞を主催する公益財団法人日本デザイン振興会は、グッドデザインの取り組みを広く一般の方にも知ってもらうために東京丸の内に「GOOD DESIGN MARUNOUCHI」というスペースを運営しています。こちらのスペースでは、グッドデザイン賞を受賞したプロダクトが展示されているほか、トークセッションなどのイベントも定期的に実施されています。グッドデザインやデザインに興味のある方は、足を運んでみてはいかがでしょうか。
また、10月31日から11月4日にかけて、東京ミッドタウンにて受賞展 「GOOD DESIGN EXHIBITION 2019」が開催されます。グッドデザイン賞を受賞したデザインの実物を見ることができるまたとない機会ですので、おすすめですよ(詳しくはこちら)。
今回の記事はいかがでしたか。仕事に新しい視点の気づきを。皆さんが楽しい仕事の扉を開くきっかけになれば幸いです。
※記事協力: 公益財団法人日本デザイン振興会
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
この記事を書いたひと
「仕事の数だけ物語がある」をテーマに、JOB STORYの編集部がさまざまな視点で記事をお届けいたします。