就活を控えたみなさーん! もうリクルートスーツの準備は万全ですか? 面接官への印象を左右する大切なリクルートスーツだからこそ、こだわった1着を準備しておきたいですね。
とはいえ、はじめてのリクルートスーツ選びは分からないことだらけ。
そこで今回はスーツ選びのポイントを大特集! 元ユニクロ店員でスーツ専門店にも勤めていた著者が、就職活動に生かせるスーツ豆知識と実際の着こなし事例3つをご紹介します。
※女性向けリクルートスーツの基本がわかる記事はこちら
メンズリクルートスーツの就職活動向け着こなし事例 3選
まずは、実際の就活生たちによるメンズリクルートスーツの着こなしから見ていきましょう!
まとまっているのに落ち着きすぎないお手本コーデ/ミフィー・×・さん
出典元:https://www.instagram.com/p/B4ewAxQlFzp/
instagramアカウント名:@kinami_511
清潔感あふれる濃紺スーツにブラウンのネクタイを合わせた、ミフィー・×・さん。決して悪目立ちすることのない落ち着いたテイストにも関わらず、どこか洗練された雰囲気を感じさせるお手本のような着こなしです。
落ち着いたトーンでまとめたスタイリッシュな着こなし/y u tさん
出典元 instagramアカウント名:@milktee__
黒スーツにチャコールのネクタイを合わせたy u tさんの着こなしは、統一感があってとてもスタイリッシュ。1つひとつのアイテムがシンプルでセンスが良く、マネしたくなる着こなしです。
非の打ち所なし!サイズ感がピッタリで立ち姿が美しい/TaKuMiさん
出典元:https://www.instagram.com/p/B4ilcLUFwPH/
instagramアカウント名:@katotaku1997
最後に紹介するのは、TaKuMiさんによるフレッシュな着こなし。就活生に人気の青色ネクタイをナチュラルに取り入れています。スーツのサイズ感もピッタリで、とっても美しい立ち姿! 合同説明会でも良い意味でパッと目を引く存在となりそうです。
最初はスーツだけでなく、シャツやネクタイもどういったものを選べばいいか分からないものですよね。ぜひ今回紹介した3つの着こなし事例を参考に、自信を持って面接に挑める勝負の1着を見つけてください。
そもそもリクルートスーツって何? ビジネススーツとはどう違うの?
就職活動からはじまり、業種によっては入社後もずっと着続けることとなるスーツ。ただ、同じ“スーツ”という分類でも、就活中に着るスーツと入社後に着るスーツでは名称が異なりますよね。
就職活動中は『リクルートスーツ』と呼ばれるスーツを、そして入社後は『ビジネススーツ』と呼ばれるスーツを着ます。
では、『リクルートスーツ』と『ビジネススーツ』ってどう違うのでしょうか?
実は、“リクルートスーツとはこういったもの”とか“ビジネススーツとはこういったもの”といった明確な定義はないんです。ただ、素材や柄などに違いがあり、『リクルートスーツ向け』『ビジネススーツ向け』と区別されているだけ。
主な違いは、
- リクルートスーツはポリエステル混もしくはポリエステル100%、ビジネススーツはウール100%が多い
- リクルートスーツは無地の落ち着いた色が多く、ビジネススーツは色柄ともに選択肢が多い
といった点が挙げられます。
リクルートスーツは就職活動期間中の着用を想定してあるので、ビジネススーツのようなしっかりとした素材で作られるケースはほぼありません。それはつまり、比較的安く購入できるということ! 最近では、ユニクロやしまむらなどのプチプラブランドからもリクルートスーツが販売されていて、就活生にとっては選択肢の幅が広がっています。
ただ問題は、どのブランドでどういったスーツを選べばいいのか…という点ですよね。選択肢があればあるほど、ライバルたちがどんなスーツを選ぶのか、悪目立ちするスーツを選んでしまったのではないかと不安になってしまうものです。
でも大丈夫!4つのポイントを意識すれば、自信を持って面接に挑めるお気に入りの1着を見つけることができますよ。次の項目で詳しく解説していきましょー!
就職活動中のリクルートスーツ選びで意識したい4つのポイント
ここからは、就活生にとって気になる『リクルートスーツ選びのポイント』を4つ紹介します。
柄は無地が鉄板!ストライプは避けるべし
チェックやストライプなど、オシャレな柄のスーツはたくさんあるのですが、リクルートスーツの場合は『無地』が“無難”だと言われています。
「ライバルたちより目立ちたい!」
「強い印象を残したい!」
と思う人も、スーツで目立つのは避けた方が良いかも。
なぜなら他の人と違うスーツを着て目立ったところで、プラス評価に繋がるわけではないからです。
もちろん中には多様性を尊重し、どういったスーツでもOKという会社もありますが、すべての会社がオシャレさを重視しているわけではありません。例えば公的機関や金融機関などの“真面目さ”“誠実さ”を求める業界の場合、スタンダードである“無地”以外のスーツを着用しているとマイナスイメージを持たれることがあります。
いい印象を持ってもらって次の選考に繋げるためには、見た目ではなく話す内容や今までの経歴で勝負するのが正解かもしれませんね。
リクルートスーツ、色は黒もしくは濃紺(ネイビー)を選ぶべし
リクルートスーツには黒以外に濃紺(ネイビー)やチャコールなどがありますが、“誠実さ”や“真面目さ”をアピールできる黒を選ぶ人が圧倒的に多いようです。
諸説ありますが、今の就職活動では7~9割の学生が黒のリクルートスーツを選んでいるのだとか! 他の人と同じじゃないと落ち着かない…という人は、黒を選ぶと安心して面接を受けられそうですね。
ちなみに、黒のリクルートスーツは冠婚葬祭にも使える優秀なアイテムです。就職活動期間中だけでなくその後も使い続けていける点も、黒が人気を集める理由のひとつでしょう。
また、黒に近いネイビー(濃紺)も就活生におすすめしたいカラーです。実は、2010年頃までは黒よりも濃紺の方がリクルートスーツの主流でした。そのため、年配の面接官にとっては黒よりも濃紺の方が馴染みがあるという大きなメリットがあるんです!
また、日本人に比較的多い黄色みがかった肌とリクルートスーツのネイビーは、補色の関係(相性の良い関係)にあります。
上にあるのは色の関係性を表した12色の色相環チャートです。黄色とネイビーが対極にありますよね。これが補色の関係である証拠! 補色の関係にある色はお互いを目立たせ、引き立ててくれる効果があると言われています。
「ネイビーだと悪目立ちしない?」
と心配な人もいるかもしれませんが、黒に近い濃紺であれば公務員試験にも着用する人が多いほどメジャーな色。悪目立ちすることはありません。しかも、黒よりもやわらかい印象を演出し、爽やかさを与えてくれる心強いカラーなんですよ~!
リクルートスーツの色に迷ったら、黒もしくは濃紺(ネイビー)を選んでみてください。
デザインは2つボタンのシングルスーツ1択!
スーツといってもジャケットには1つボタンや2つボタンなどがあり、パンツにもシングルやダブルなど、さまざまなデザインが用意されていますよね。
その中から就活生が選びたいデザインは、2つボタンのシングルスーツです。
なぜなら、時代・業種に左右されない定番のデザインだから。
どういった年代の面接官であっても、そしてどんな業種・社風の会社であってもマイナスな印象を持たれないデザインが、2つボタンのシングルスーツなのです。もちろん1つボタンのジャケットやダブルのパンツを選んだところで、即不採用になるというわけではありません。
ただ、マイナスになり得るポイントを少しでも減らし、安心して面接に挑むためには2つボタンのシングルスーツがベストでしょう。
なお、2つボタンのジャケットは上のボタンのみを留めるのがマナーです。
下のボタンを留めてしまうとスーツにシワが入ってしまい、スーツのシルエットが崩れてしまいます。かといって上下両方のボタンを外すと、今度はだらしない印象を与えてしまうことに…。上のボタンだけを留めて、美しくスーツを着こなしてくださいね。
自分に合ったサイズが好感度UPの秘訣
最後のポイントは、何よりも大切な“サイズ感”です。
色やデザインばかりに気を取られ、自分に合っていないサイズを選んでしまう失敗談がよくあるのですが、サイズの合っていないスーツは面接で大切な“第一印象”に悪影響を及ぼすかもしれません。
例えば小さいサイズだと窮屈そうな印象を与えるだけでなく、スーツが常に引っ張られた状態になるため、破れたりほつれたりする原因にもなり得ます。反対に、大きいサイズを選んだ場合も注意が必要!ダボっとしたスーツはだらしない印象を与えてしまうのです。
大切な第一印象を良くするためには、自分に合ったサイズのスーツを選ぶことが大切です。下にチェックポイントを記載するので、自分の持っているスーツのサイズが合っているか、これから買おうとしているスーツのサイズはどうか、ぜひ確認してみてくださいね。
● ジャストフィットのスーツを買うためのチェックリスト
□ 肩幅のゆとりは1cm程度がベスト。
横にしわが入っている場合はサイズが小さいため注意
□ 上のボタンを留めたとき、握りこぶし1つ分の余裕があるか
□ 袖丈は手首が隠れつつ、
シャツは1~1.5cm見える程度の長さか
□ パンツのウエストは、手のひら1つ分ぐらい余裕があるか
□ パンツの裾は、ハーフクッションできる長さ
(足の甲に裾が軽く乗った状態)に合わせてあるか
特に肩幅はスーツのシルエットを決める重要な部分です。スーツを選ぶときにはまず肩幅から合わせていきましょう。
意外と安い? 気になるリクルートスーツの相場価格と必要な枚数
イオンやしまむら、ユニクロなどのプチプラブランドからも販売されているリクルートスーツ。
就職活動には交通費や飲食代などに意外とお金がかかるため、リクルートスーツはなるべく安く済ませたい…という人もいますよね。相場としては、1~3万円だと言われています。リーズナブルに済ませたい人でも1万円以上のリクルートスーツを用意しておくようにしましょう。
また、何着用意したらいい?という点も、就活を控えた学生にとっては気になる問題でしょう。「とりあえず1着だけ用意しよう!」と思うかもしれませんが、最低でも2着用意することをおすすめします。
なぜなら就活生のスケジュールはタイトで、毎日清潔感のある着こなしを実現するにはもう1着必要であるからです。1着のみだと毎日着ていると生地がくたびれてきます。生地の傷んだスーツは見栄えが悪くだらしなく見えてしまうので、最低でももう1着用意しておいて、少しずつ休ませながら着回していくようにしましょう。
気になるリクルートスーツのトレンドは?
実はリクルートスーツにもトレンドがあるって知っていますか?
まだリクルートスーツの文化が始まったばかりだった80年代は、紺のスーツに赤いネクタイが定番でした。90年代に入ってからも紺のスーツが大人気!一方で現在主流となっている黒スーツは、選択肢にすら入っていません。ほとんどの学生が紺のスーツを選び、一部の学生がグレーやグリーンを選んでいたそうですよ。
黒のスーツが登場したのは98年頃のこと。とはいえ当時はまだ紺色のスーツが人気で、黒は3番目に人気の色でした。本格的に黒が主流になり始めたのは、2004年頃からです。もう15年近くも主流であり続ける黒のスーツは、もはや“トレンド”というよりも定番になってきているのかもしれませんね。
シルエットにもトレンドがあって、今は細身でスタイリッシュなデザインが主流です。そのため、サイズが合っているか合っていないかがパッと見ただけで分かりやすくなっています。
一般的なファッションとしてのトレンドをデザイン・色などに取り入れる必要はありませんが、シルエットに関してはフレッシュさをアピールするためにも少しだけ気にしておきましょう。以前トレンドだったシルエットのスーツを着てしまうと、古くさい印象を与えてしまうかもしれませんよ~!
雑誌やスーツのカタログをパラパラとめくるだけでも今のトレンドシルエットが分かるので、スーツを選ぶ前に目を通してみてくださいね。
就職活動で見られているのはスーツではなく、スーツ姿!
ここまでリクルートスーツ選びのポイントをいろいろな角度からご紹介しましたが、就職活動で大切なことは『正しいリクルートスーツの選び方』ではなく、『正しいリクルートスーツの着こなし方(スーツ姿)』です。
就職活動にピッタリなスーツを選べていたとしても、着こなしが正しくなくてはマイナスポイントになってしまいます。
● リクルートスーツの正しい着こなし方
- シワのない、パリッとしたスーツを着用している
- 背筋が伸びていて、真っすぐ前を見据えている
- ボタンをきちんと留め、ネクタイが曲がっていない
- ニオイにも気を配っている(もちろん香水はNG)
- ポケットに物を入れていない(着崩れの原因となるため)
面接の時間は限られていて、あなたの想いを伝えきれない可能性が高いからこそ、第一印象でいかにアピールできるかが大切です。
アピールといっても、ただインパクトを残せば良いわけではありません。清潔感や誠実さ、真面目さや協調性といった“好印象”を残すのです。
周りのライバルたちの中には意外とそこまで気が回らない人が一定数いるはずなので、この時点で一歩前に出ることができますよ。
まとめ
就活生がリクルートスーツ選びで意識しておきたいポイントと、実際の着こなし事例を3つご紹介しました。
面接官が見ているのはリクルートスーツのオシャレさではなく、清潔感のある着こなし方。背筋を伸ばして美しい着こなしを実現し、面接での好印象を勝ち取りましょう!
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
この記事を書いたひと
スーツ専門店やGU、UNIQLOで計5年勤務。UNIQLOではVMDを、GUでは店長を経験し、さまざまな角度からファッションについて学んできました。現在はその経験を活かし、ファッションや美容など、最新トレンドに関する記事を複数のメディアで執筆中。