バイトから正社員になる方法
パートやアルバイトから正社員になる人は少なくありません。
「いきなり正社員はハードルが高いから、まずはアルバイトから」と考える慎重派の人や、「何年か働いて仕事にも慣れてきたし、職場の環境も悪くないから、正社員を考えてみてもいいかな……」と、さらなるステップアップを目指す人などその理由は様々。
では今後、正社員を目指すには、どのように行動すればよいのでしょうか?「バイトから正社員になりたい!」と思い立ったときに役立つ方法をご紹介します。
就業前に、まずはチェックを!
就業前であれば、まず求人広告の概要欄をチェックしましょう。『正社員登用制度あり』の表記があれば、その企業にはパートやアルバイトから正社員になれる途が用意されています。
正社員を目指すことをゴールとするならば、就業先としてそういった業界に照準を絞るのもひとつの方法です。ただし制度が用意されていても、誰もがかならず正社員になれるわけではありません。
また業界によっては正社員登用を積極的に行っているところもあります。
一例を挙げると、アパレル業界、福祉・介護業界、飲食業界などが比較的正社員登用に前向きなようです。
正社員になるためのプロセスは?
就業後に、パートやアルバイトから正社員になるためのプロセスは企業・店舗によって異なりますが、「従業員の意思と企業のニーズ・方針が合致すること」が基本的な条件となるでしょう。
正社員になるための面接や昇格試験があったり、「何年働いたか」など一定の勤続年数を要する場合もあれば、人材の確保に前向きな職場では仕事ぶりに問題ない場合すぐに正社員登用が叶うケースもあります。まずは上司に相談してみることをオススメします。
正社員になる3大メリットを解説!
アルバイトから正社員になると、どのようなメリットがあるのでしょうか。いくつかのメリットを紹介します。
①収入が安定。人生設計が立てられる
急な体調不良や、冠婚葬祭などのやむを得ない事情によって仕事を欠勤せざるおえないときってありますよね? 当たり年には何人もの友人の挙式が重なったり、なんてことも。
そんなとき、時給制・日給制のパートやアルバイトの場合、欠勤に応じてその月の賃金が減少します。稼働できた月とできなかった月の給料にバラつきがあり、なかなか収入が安定しません。
正社員であれば、給与額は毎月一定。ボーナスの支給も期待できます。安定した収入は、安定した生活に繋がり、金銭面において将来の見通しが立てられることは今後の人生設計においてメリットといえるでしょう。
社会保険制度が充実し、老後も安心
ふだん生活をしているとあまり聞き慣れないコトバではありますが、セイキコヨウ・ヒセイキコヨウなんてコトバがあって、労働者はその2つのタイプに分けられます。
まずはセイキコヨウ(正規雇用)──正社員の雇用を意味する言葉で、雇用の安定性において有利な条件が揃っています。
正規雇用においては、雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金保険といった社会保険制度への加入が企業に義務づけられており、事故や災害など万が一の状態に陥ったときに生活が保障されたり、老齢・障がい・死亡により年金を受け取ることができます。
一方、パートやアルバイトが対象となるヒセイキコヨウ(非正規雇用)については、一定の条件をクリアしないと社会保険に加入することができません。病気やケガによって働けなくなったときのことや、定年退職後のサポートなどを考えると、正社員になるメリットがあります。
成長できる環境が与えられキャリア形成に有利
また雇用の安定性についても両者には差異があります。正規雇用の正社員は、基本的に終身雇用慣行の対象であり、定年までの勤務が可能な形態。不況でも企業は可能な限り雇用継続に努める必要があり、簡単にクビというわけにはいきません。
そのため、正規雇用の労働者の能力開発に尽力するなど、長期的に育成していくことを目指しています。
アルバイトでもキャリアアップは当然望めますが、長期的なキャリア形成に有利なのは正社員。将来、確実なステップアップを考えるなら正社員がおすすめです。
正社員に選ばれるシゴト術
パートやアルバイトでも正社員登用制度を導入している企業や店舗であれば、正社員になれる道筋が最初から用意されています。しかし──当然ですが誰でもなれるというわけではありません。では、どんな人が正社員に登用されるのでしょうか? もしもあなたが人事担当者だったら、と想像すると分かりやすいかもしれませんね。
正社員に選ばれるシゴト術 その1「人間的な信頼を築く」
基本的なことですが、頻繁に遅刻をしたり無断欠勤を繰り返すようではいけません。当たり前のことがきちんとできたうえで、他人に迷惑をかけず、協力してお互いに気持ちよく仕事を進めることを心がけましょう。信頼は一日にして成らず。コツコツと積み上げていくことが大切です。
正社員に選ばれるシゴト術 その2「スキルを磨き、結果を出す」
ビジネスは人情だけではやっていけません。正社員として働いてもらうからには、その人に払う給料に見合った仕事ができているかという点が大きな評価ポイントになります。人事担当者が一目置くような仕事ができるようスキルを磨き、成果を目に見える形でPRできるように取り組みましょう。
正社員に選ばれるシゴト術 その3「コミュニケーション力を高める」
コミュケーションが不足していると社員間に不協和音が生じたり、目的の食い違いからチームの向かう方向もズレてしまいます。「報告」「連絡」「相談」をあらわす、ホウ・レン・ソウの遂行はもちろん、同僚や上司としっかりとコミュケーションをとりながら業務をこなすことが大事です。
アルバイトから正社員 面接・正社員登用試験のコツ
バイトから正社員に登用される際には、面接が行われるのが一般的。そこで示すことは仕事に対する「意欲」と「覚悟」です。
受け身で仕事をするのではなく、今まで担当してきた業務に対して「今後どのように取り組むのか」や、課題を捉えて「どう改善していくのか」といった前向きな意見をきちんと人事担当者にきちんと伝えられればベストです。
ある程度の勤続年数を経た非正規社員を対象に、正社員登用試験が実施されるケースもあります。その内容は一般常識、時事問題、企業に関係する問題のほかSPI(適性検査)、小論文(作文)、などが実施されることが多いようです。
こちらは事前にしっかりと過去問題のおさらいが必要。一般常識・時事問題に備えては、日頃から新聞やニュースなどに目を通すことをオススメします。1年間の主なニュースをまとめて見られるサイトもあるのでそちらなども参考に。
願書において志望動機を書く欄は、自己PRに繋がる部分ですので手を抜かずに書きましょう。自分が務めている会社役員の名前など、企業に関する問題が出るケースもあるので、自社のホームページも確認しておくと無難です。
小論文は書き慣れている人(あまりいないと思いますが)にとっては問題ありませんが、書き慣れていない人にとっては少しハードルが高いかもしれません。
テーマは企業理念にまつわることとや業務関係についての出題が多いようです。攻略方としてはまず何度も「書いて慣れること」、「起承転結の構成を考えたのちに書き始めること」などがあります。
[アルバイトから正社員 面接・正社員登用試験のコツをまとめると…]
- 面接では意欲と覚悟を示そう
- 願書では自己PRも忘れずに
- 時事ネタは新聞・ニュースをマメにチェック!
- 自社に関する問題はホームページを見ておさらいを
まとめ
政府による「働き方改革」の推進によって、アルバイト・パートと正社員との格差是正に向けた取り組みが始まっています。
今後、非正規社員の待遇の改善が進むと同時に、アルバイトから正社員登用へ向けた可能性も広がるものと思われます。
社員登用試験がない会社の場合、直属の上司から「社員にならないか?」と声がかかる場合もあるでしょう。ただし、あくまでも勤務態度や勤務成績が重視されるのは言うまでもありません。
将来、正社員を目指すなら「ぜひ、なってほしい」と評価されるよう、日頃から積極的に仕事に取り組むことが最善の方法かもしれません。
※こちらの記事の内容は原稿作成時のものです。
最新の情報と一部異なる場合がありますのでご了承ください。
この記事を書いたひと
ライター・クリエイティブディレクター。1974年兵庫県生まれ。古着・ガラクタ好き。都内広告制作プロダクション勤務を経て2013年に独立。リクルート『SUUMO』メディアにおける大手不動産会社のクリエイティブをはじめ、幅広いジャンルのライティングを手がける。コメダ珈琲に行くとだいたい居ます。